☆地球の変化
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※今回のお話は中々不愉快な気分になる可能性があります。
NTR・ガールズラブ?・残酷な表現が含まれてます。
無理な方は読まないことを進めます。
本当にいいですか?
では、どうぞっ!
地球に存在する組織、<WAO>の総本部で『あちら』の世界から三人、広々とした……まるで巨大で神聖な世界遺産にもされそうな廊下を歩いていた。その三人の中でも、一人際立っている者がいた。
「な、なぁ、誰だ、あの人ら……」
「背たけぇ……」
「うわぁ……きれいなひと……」
濡れた様な艶やかな灰褐色で毛先が黒い髪に白銀の目を持つ長身、そしての凹凸は無いものの、その和らげな雰囲気は母性を感じるモデルの様な人物。大御門彦乃であった。
その後ろを着いていく二人の内、一人は桃色の髪を持つ執事姿のミラ。
そして、ミラとは逆側に彦乃に付き添うのは、血のような真っ赤な髪を持つ革ジャンの男だ。その男はいかにも喧嘩が強そうであり、その厳つい強面は大御門彦乃とミラがいるお陰で中和しているのだが、その男だけでは皆を怖がらせてしまうだろう。
その男の名は『ゴウキ・ファノアート』。
大御門彦乃の『剣』であり、『拳』でもある強者だ。
「おい、何見てる?」
「「「ヒッ!?」」」
ただ聞いただけなのに、それだけで怖がらせてしまうのだが当の本人はこれがノーマル、通常なのだ。その巌を飛ばす様な、睨み付ける様な眼からは逃れられない様な恐怖を与えていた。
ここで余談ではあるが、この『ゴウキ・ファノアート』、実はあの『赤鬼』マグナの孫だったりする。勿論、幼少の頃からまるで兄弟の様に彦乃だけでなく姫希とも深い交流があるのだ。今は完全に彦乃サイドに属しており、忠誠を深く誓っている。
「ゴーちゃん、いけませんよ。皆さんが怖がっているでしょう?」
「いーや、大将。コイツら大将を狙ってた目だぜ。んなのこの俺が許せねぇーよ」
彦乃はゴウキを『ゴーちゃん』と呼んでいるのだが、それを他の者が面白がって言えば激怒する。それを呼んで良いのは大御門彦乃ただ一人。
「彦乃様。ゴウキ様の言い分は、わかります。わたくしも姫希様をそんな目で見られるのは耐えられませんから」
「わーかってんじゃねーか。姫希の『右腕』ー」
「そ、そうですか?それほど私の事を思ってくれていたのですね、ゴーちゃん。ありがとう」
「ったりめぇよ」
等と少し照れ隠しをしながらポケットから煙草を取りだし、指から火をつけてふかした。年齢はちゃんと越えているので問題はない。ゴウキがふかした煙草の煙はふよふよと不自然に辺りに薄く広がっていく。因みにゴウキが使用した煙草は、煙草に見えるが実はまた違ったものであったりする。
「でもまー、中々いいところじゃーねか<WAO>」
「<WAO>の設備は素晴らしいものですよ。食堂の料理は朝・昼・夜タダ。寮も完備されていますし、車も貸し出されています。その貸し出すのは高級なものばかり。どの資格も受験料を負担していただけますし、託児所もあります。医療センターも<WAO>内にありますからね。加えてカプセルホテルの様な昼寝スペースや何故かカラオケもありますし……」
「そりゃー休みは少ねぇから少しでも職場でリラックス出来る様に工夫してんだろ?まっ、戦闘員は地球全体公共交通機関は完全無料だからな。前に姫希が『夏休み世界2周してたわ、仕事で(笑)』って連絡あったぜ?」
「あの姫希が。何阿呆な事を私のゴーちゃんに連絡してるのです。」
「(姫の事になると大将は機嫌が悪くなるなぁ……昔は彦乃と姫希の二人で旅をしてたのによ)」
「(旅をする前から仲が悪かったですし、まぁいつものことで……)……あれ?」
「どうしたのです?」
ミラは辺りが慌ただしくなっている事に気が付いた。慌ただしく動いているのは今では当たり前ではあるのだが、動き回る職員の表情が険しいのだ。
何かがあった。
それはミラだけでなく彦乃とゴウキも察する。
するとその慌ただしい人達の間から一人の女性が少し焦った様子を見せながらも彦乃達の元へやってきた。
「ご、御足労御掛けしました!」
謝罪するその人物は『真序列』の『風刄』
鈴宮楓である。『風刄』が何故ここまで緊張まだもしているのかは、やはり彦乃が原因だろう。彦乃がどうかしたわけではないが、大御門彦乃という存在は『深淵』と同等の独特な雰囲気を放っていたからだろう。
「いえいえ、構いませんよ?それにしても……何かあったのですか?」
「いえ、実は……」
『風刄』は重々しい表情で言う。
『あの』超巨大モンスターの三つ巴の戦いの後、地球は目まぐるしく様々な事が大小に関わらず変化が起こっていた。
『未確認生物』の出没。
新大陸の出現。
動植物の変化……いや、進化の方がいいかもしれない。
そして、未知なる力を発現した者達。
と、いっても『その世界』を知る者達からすれば非常に大したことがなさそうなものではある。
だが、最も今地球で起こっているのが、≪理想≫・≪粛清≫・≪悪戯≫、そして<報復者>の動きがこれまでに無いほど活発になっている。というか、過激になっているのだ。
それはそうだろう。
今まで世界の裏で誰にも知られる事なく、暗躍していたのだから。特に<報復者>は過激過ぎるのだ。どの組織も過激に動いており、<WAO>も総出で動いている。
そして、また起こったのだ。
日本で、歴史上最悪といってもよいほど数え切れない程の殺人が一斉に起こっていたのだ。
それが、何者であるかはわからないが、周りの被害やこれまでの手口から見て大体は何処の組織かは予想はつく。が、それ以上に被害が多い。
もう、この地球は、地球では無くなっていく。
~~~~~
暗い、暗い。
そこは、何処かの建物の中、の様にも見える。
辺りは微かに灯りが灯され、闇夜の静寂をもたらしていた。
だが。
一つの叫び声が響き渡る。
それは男のものだ。
男の腕には深々と切られた痕があり、そこから留めなく新鮮な血が流れていく。
その男は若く、いかにも現代の日本人らしい格好をしていた。
「なぁっ、なぁんだよぉ……!?なんで、おれを、おれたちを、」
男は身体中から体液を垂れ流しながら、目の前に迫り来る"死"にひどく怯えていた。男の周りには仲間であろう同年代の亡骸の様なものが転がっていた。亡骸、と表現したのだが、彼等はまだ生きている。生物学的には。
死んだのは、精神。
男は、知らない。
彼等は、どの様な光景を目の当たりにして、精神を、殺されたのか、を。
"死"を体現したかの様なオーラを放つ少女はそのオーラとは真逆にキラキラとした元気ハツラツな表情で歩んでくる。
「あ~~~らまっ!!!何を言っているのかなぁ~~~???自分がしてきたこと、わかんなーーーいか、なぁ!?!?あーわーだー、そーうーたーくーんー?泡田奏太く~ん?きこえますかぁー???」
「な、なんで、名前を……」
「いやぁ~、チィみ達の事を事はよぉぉくぅ、よぉぉくぅ知ってるよぉ?てか、調べたんだけどネ!……君達は、数多くの女の子達を強姦し、そして玩具道具の様に殺し、壊し、捨てたんでしょう?ねぇ?どんな感じだった?泣き叫ぶ女の子を犯した気持ちは?動かなくなった子達を解体した気持ちは?ねぇねぇ、どんな感じだった?どんか気持ちだったのぉぉお???」
「ぉ、おれ、達に、復讐をしに……」
「へ?ふくしゅぅ?え、え、何いっちゃってるのチィみぃ~~~。わたしはねぇ?君達、"悪党"を殺しに来たんだよぉ???」
「"あく、とう"?」
「ハーィ!ここで問題デースっ!!!"悪"ってどうやって決まると思うかにゃ?」
「は?」
「"悪"ってね、国で決まるんだよ。その国にとって"悪"ならば排除し、"善"を救う。でもね?国にとって不都合な"善"を"悪"に変えることもできるし、その逆も然り。ねぇ?心当たりがあるんじゃない?あるんじゃなぁーい?だってだって、それで捕まって少年院でたった一年で釈放なんて……"何か"の力が動いた、としか考えられないよねぇ?ねぇ?確か君達の親って……」
「な、なんだよ……」
「まーっ、そんな事言っても君を戒めるつもりはないしぃ?だーかーらっ♥」
まるで、キラリっとアイドルの様に男へテヘペロっとすると、いきなり、少女の隣にドサリっと何かが落ちる。いつの間にかいた素顔を隠された黒い修道士達によって投げ込まれたのだ。
「ん゛~~~ん゛~~~!?!?」
「なっ!?」
男は驚愕してしまう。
何せ、その投げ込まれたのは口を塞がれた人だったからだ。
そして、その人物は……。
「な、凪沙!?」
そう、男が愛し付き合っていた恋人であったからだ。
「さてさて!!!今からショータぁぁーいムゥゥうっ!!!はいっ、拍手っ!!!」
辺りから拍手が上がっていく。
黒い修道士達からだ。
少女は男の恋人に近付くと、塞がれていた布を外した。
男の恋人は、まるで信じられない様な表情で男へ叫ぶ。
「ねえ!嘘でしょう奏太!!!貴方、そんな事してな」
「ダメだよぉ?ダメダメ、そんな確認しても先にやったそこに転がってる人とその彼女さんのショーを観てたからわかるでしょう?ねーーー、楽しみだねぇ、な・ぎ・さ・ちゃん♥」
「ひっ!?や、やめ……」
「やめろぉぉぉお!!!」
少女は男の恋人の身体をゆっくりと両手でまさぐられていく。恋人である凪沙は前に行われていた『ショー』を無理矢理見せられたからこそ、自分がどんな事をされるのか理解してしまう。
男は許しを請うように、少女へ言う。
「た、頼む!彼女だけは……彼女は関係ない!だから……」
しかし、少女は。
「い☆や☆だ♥」
目には目を、歯には歯を。
少女がショーで、男の恋人をどのようにされたのかは言うまでもない。
少女は、己の"善"で行動する問題児。
"善"を守り、"悪"を裁く。
しかし、少女は歪んでいる。
何故この少女はここまで歪んだのかは不明。
だが、ある意味この少女は"善"の代行者なのかもしれない。
権力によって"善"を"悪"にした者を裁き、"悪"を"善"にさせたものも裁く。
人によっては、少女のやり方は"悪"だと思うだろう。
そう考えるのは正しいのかもしれない。
彼女は、人間であって、人間ではないのだ。
「あれ、もう壊れちゃったんですか?ヤダー、まだまだ色々しようと思ったのに……ねぇ、なぎさちゃん?」
「ふぁぁ……♥」
「もー、駄目だよなぎさちゃん。彼氏さん壊れちゃったんだよ?」
「ふへへへへぇぇおねぇさま……♥」
「にゃはは……どーしょっかなぁ?」




