『七天魔皇』
御待たせ!!!
貯めていた召喚符15以上で何とかⅡ世出ました!
いやぁ……また新イベが着そうな予感っ!
ネロ祭はあるのかな?
「断る。断固拒否する」
「そっ、即答なのぉ!?」
答えはすぐに出た。
誰がそんなものにならなければならないのか。
只でさえ『無之神ディシード』とかいうよくわからないモンスターとか『勇者』のこととかでそういうのはもう勘弁なのである。
「他を当たってください」
「えぇーーー。だって、他の奴が『七天魔皇』になったら何仕出かすかわかんないしぃ」
「そもそも、今『七天魔皇』は何名いるんだ?」
「えっと、まずは『黄昏の魔女』と『覇王』に『死霊之王ちゃんでしょ。あと『女夜叉』に『大殺戮』、『鮮血の狂人』の6名さ。『銀騎士』のラバラスはもういないからね」
「なら、『六天魔皇』とかにすればいい。なにも必ず7名必要ではないだろう?」
『七天魔皇』というのは、あくまで『魔王』の中で頂点に立つ七名の超越した『魔王』の総称である。しかし、一人が何かしらで抜ける・亡くなる・死亡する等であれば前の数字を減らせばいい。何処にも『魔王』の頂点に立つのは必ず七名だと決められていないのだから。
「単純に考えればそうだね。私も『六天魔皇』でいいと思っていたんだよ。でもね、世間……というより、他の『魔王』達はそうでもないの。誰が空席になった『七天魔皇』の座につくのか、争いが起こるのは確実さ」
これは別にシキを責めている訳ではない。
そもそも、『銀騎士』ラバラスは前々からビティーカや『覇王』・『死霊之王』、『グランドマスター』のネメシアを含めた『冒険者ギルド』、幾つかの『国王』達が討とうと考えられていた。理由としては、他の『七天魔皇』の中でも最も過激だったらしい。というのも『覇王』の命を狙うばかりではなく、この学園にも手を出そうとしたらしい。その時はビティーカが蹴散らしたらしいが。
他には国々に所属する騎士団長や名の知れた冒険者達の命を狙うなど。過去に配下の『魔王』達を使い、村や町、あげ句の果てまで国まで滅ぼしたことも。
なので、シキが倒さなくても……というより、自滅したのだが、何れ遠かれ早かれ『銀騎士』ラバラスは『覇王』か国と冒険者ギルドが連合した精密部隊で討伐していたのだろう。
しかし一つ問題が起こる。
その問題というのは誰が空席になった『七天魔皇』の座に座るのか、である。どうやらビティーカが言うように『七天魔皇』は七名必要なのだ。一人欠けてしまうと、まるで椅子取りゲームの様に『魔王』達が争うのだ。それは由々しき事態であり、『魔王』同士の戦いは場所を選ばない。どれだけ『覇王』や『死霊之王』、『グランドマスター』ネメシア達に尽力を尽くしたとしてもその争いを全て納めるのは中々困難だ。
そもそも、何故『七天魔皇』なのか、というのは大昔にとある神……邪神が『七天魔皇』の座を創ったのが始まりだと言われている。ビティーカ曰く『魔王』達にとっては『七天魔皇』が在るべきものだと根深く考えられているらしい。中にはビティーカの様にそんな事関係無いと思っている『魔王』もいるのだ。ここまで話をすれら大体分かるだろうが『魔王』にも良い者も悪い者もいるのだ。人間のように。
「この学園にも私の配下の『魔王』達が通ってはいるけど……実力はまだまだだからねぇ。それにまだ子供なのにそんな責務は背負わせたくないんだぁ」
「だが、断る」
「言うと思ったよ……」
「ですが、何もしないわけではありません。私の仲間に『カグヤ』全域を巡回しています。時々私も……」
「……そうなの?それはまあ有り難いけど……因みにその仲間っていうのは?」
「……えっと、」
「どしたの?」
「……最近、『カグヤ』で三匹のモンスターについて賑わせているじゃないですか」
「え?あぁ、勿論知ってるよ!三匹の獣だよね!うちの生徒達も物凄い噂になってたよ!!!……え、まさか、だと思うんだけど……そのモンスターって?」
「……はい。仲間です」
「あらまっ!でも本当なのかちょっと信じがたい……」
「なら呼びますよ。『エンカ』・『スイジン』・『ライデン』」
シキの呼びかけに彼を守護するかの様に三匹の炎・水・雷の獣が顕る。その姿は神々しくも勇ましい姿。ビティーカはその三匹のモンスターを見て、こんなモンスターが見たことがないと思ってしまう。
「ほぇぇ~、本当だったねぇ」
『我等の主様を嘘吐き呼ばわりするとは、許しません』
スイジンが鈴としたテレパシーでビティーカを軽く睨んだ。本来の常人ならば畏れるだろうが、ビティーカは全く動じずに「いやぁ~、ごめんねぇ」と謝っていた。少し怒るスイジンの後ろから静止するようにエンカが言う。シキも別に信じられないのは仕方がないとわかっていたのでビティーカの謝罪を受け入れていた。別に謝る程の事ではないとシキは思ってたりする。
『やめなさいスイジン。この方は謝罪しているではありませんか。主も気にしてないと』
『いいえエンカ。主様は優しすぎるのです。寛大な主様は許しても私が許しません』
『スイジンはかたい。もっとかたの力を抜くべき』
『ライデン、貴女は貴女で緩みに緩みきっているでしょうっ!』
『スイジンうるさい。エンカもなんかいって』
『ライデン貴女は……その、もう少し行動を……』
『エンカも……うぅ、あるじさま、なぐさめてー』
ライデンは頭をシキの身体へすりすりと甘えるように密着させるとそれにシキはやれやれといった感じに頭を撫でるのであった。それを面白くないと感じたエンカとスイジンも『し、主よっ。ブラッシングを……』『なっ!?主様っ、私にもっ!』といった感じになってしまう。
そんな様子を見ながらビティーカは。
「仲が良いんだねぇ~」
とシキ達の様子を面白そうにしている。
しかし、ビティーカのピアスに小さな蒼い真珠がピカピカっと光とそれに反応する。どうやらその真珠のピアスは通信機らしい。
シキはシーッ!とエンカ達に言うとまるで『待て』をされた動物かの様に制止してしまう。時が止まったかの様に動かないエンカ達は、それほどシキに従順なのがわかるだろう。
「……うん、わかった」
どうやら通信は終わったらしい。
「どうかされたのですか?」
シキの問いにビティーカはあははは……と苦笑いをしながら言う。
「どうやらここに通っている未熟な『魔王』がサボってしたらしくてね?さっき冒険者ギルドから連絡があって保護してくれた人と共にこっちに来るってさ」
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「ぐぉぉおお……き、キサマぁ……」
とある古びた社に、一人の男が苦痛を漏らしていた。
苦痛を漏らすのも無理はない。
何故ならば、その男の両腕と右脚を失っていたからだ。
むしろ苦痛を漏らすだけでは済まされないほどの重傷を負っている。
彼は地に着ける事すら許されず、ただある一人の女に首を捕まれて持ち上げられていた状態であった。夥しい血液はバシャッと時間をおきながら下へ溢れていく。
男は『七天魔皇』の一人、『大殺戮』のベルクル。
しかし、その『大殺戮』である彼も今はもう命の灯みが消えかかっていた。
「あははは!!!『七天魔皇』ッテモノ、こんなモんナンだねぇ?弱いよぉ、ヨワイ。弱すぎテ、笑えてキチャウ」
「なにもん、だ、テメェ……」
「何者?なにものっテ……私はーーーワタシィは、だれ、ナノかな?ダレ、なんダろウねぇ~?ねぇネェ、わたし、ワタシはダレだも思う?」
「ふざけてんの、か……っ!」
「ふざけてる……?ううん、フザケテないよ?ふざける訳ないじゃないカ。私は誰か、誰なのだろうか、とタメシニ聞いてみただけサ」
「だから、それをふざけてーーー」
「ほッホッホっ。こレコれ、そんなにオコルで、ないワい。儂がだれナのか、と聴いたダケじゃろウに……」
「ぐっ!?」
ベルクルの目の前には一人しかいない女の力が不気味にも異常な力が彼の首を握る手に入りってしまう。しかし目の前の彼女は涼しい顔であった。
「ネェ、オニイちゃん。ボクは、だれ、ナノかな?ワカル?」
「しる、か……くそ、が……」
「ふーン、そんナ事を言うノでスはねぇ?……ザンネンですぅ」
心底残念そうな表情をする女は、自身の一人称や口調、様子がコロコロ気味が悪い様に変化する。まるで、一人に対して話しているのに、大勢に話してくる様な……。
するの、女は、真顔でベルクルの顔を近付けて、ポツリと言う。
「いいなぁ……」
「ぁ?」
「貴方は、どんな、人生を歩んできたの?自分の願いは叶った?どれだけ生きたの?面白いことはあった?キモチイイこととかあった?笑ったことは、アッタ?」
「な、なんだよ、お前、は」
「いいなぁ……いいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいなイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナ……」
「っ!?」
まるで、壊れた音声の様に何度もリピートされていく。女の声質は低かったり高かったりするのだが、ポキリと枝が折れた様に首を真横に倒れながらいうのだからベルクルも思わず恐怖の声を漏らしてしまいそうになる。
「ナラば、貰うゾ?貴様ノ命を……」
「ギィッ!?や、やめ……」
「貴方は言ッたでハアりませンか。弱肉強食、ト……。ワタシは『強者』、アナタは『弱者』。お分かカり?……もう聴こえてませんか」
既に亡骸となったベルクルを女は片手で後方へと放り投げた。まるでゴミを捨てるかの様に。
だが、女は何か気付いたのか首を音もなく180度くるりと向けるとそこにいる人物へと声をかけた。
「覗キ見なんテ、えっチぃでスねぇ?」
それは何処かからかっている様にとくすくす女は笑う。
……が、辺りは一瞬にして凍てつくされてしまった。
全て、女と共に。
すると全てが凍てつく中、彫刻の様に凍った女の目の前にくすみ枯れた様な色褪せた長い金髪を持った女性が現れる。
「……さっさと死ねばいいのに」
その女性が辺りを氷の世界にした張本人だとわかるだろう。
しかし、舌打ちをしてその凍てついた女が閉じ込められた氷を見る。その目はまるで汚物を見るかの様に、そして憎悪に満ちていた。何が彼女をその様な表情をされるのだろうかはわからない。しかし、目の前に凍りつく女の事を知っている様であった。
「ソんな事を言うナんテ、酷いネぇ?」
パキンッとその氷が弾け砕けると、氷にされた女は挑発するように嘲笑っていた。しかし、よく見れば肩を上下させて呼吸が少し荒いところからその氷を砕くのは容易ではなかったらしい。
女性は手に持つ薙刀を振りかぶると、辺りに地響きを鳴らせながら一撃必殺と断言してもよいほどの、強大な一撃を放とうとする。
「次こそは仕留めてあげるわ、何処の誰かは知らない可哀想なヒト」
さてさて、次回もこの続きからですよ!
何故シキさんが『魔王』にならないのか。
ぶっちゃけ、他の作品でも主人公が『魔王』というのが色々あるからなぁ……と感じまして、同じ様な『七天魔皇』になるのは却下となりました。まあ、私自身がそんな展開を元々考えてませんでしたね(笑)
もし、このキャラの今の現状を見たい等々、要望があれば感想等で書いてください。
書いていただければ、もしかすると、書く、かも?
ではでは!次回もよろしくお願いいたします!




