ショタな『魔王』
さてさて、戻ってきましたよ!
というか、もう、今回は調子がいーの!!!
今回はどんなすとーりーが!?
そして、FGO、Zero復刻きたぁぁぁあ!!!
ヽ( ̄▽ ̄)ノ
「はぁっはぁっ!」
ある木々が生い茂る山奥。
一人の子供が必死に何かから逃げていた。
その子供は華奢でありながらも男の子だと、或は人によってボーイッシュな女の子にも見えるかもしれない。それほど中性的な幼い子。
そんな子が血相を変えて死から逃げ出している最中であった。
「はぁっ、はぁっ!く、くそぉーーー!!!なんだよー、この狼がぁ~~~っ!!!」
後ろから追い掛けてくる3匹の狼。
三体共、色や毛色が全く異なるので同じ狼でも違う種族なのは一目でわかる。どちらも超がつくほど強力な個体なのだろう。
本来なら直ぐに追い付いて噛み殺されて御陀仏な筈であるが、どうやらこの三体の狼に遊ばれているらしい。しかし、そんな事をその子は知るよしもない。
しかし、そんな逃げることも、いよいよ尾張に近づく。
ーーーグルフッ!!!
「わ、うわぁぁぁぁあ!?!?」
その子供の襟を見事に喰われた雪のように白い狼。
何処かデリケートな物をくわえるかの様するのだが、その子供は宙ぶらりんの状態である。そして取り囲む様に黒っぽい銀色の狼と濃茶色が子供の顔や匂いをスンスンと嗅ぐように顔を近づけた。
「た、たべるつもりか!?こ、この『魔王』を!?」
ーーー……。
「お、おいしくないぞっ!?い、いま、ほんとうに食べようとすれば……もっ、もれちゃうからなっ!?い、色々もれちゃうから、ほんとうに!!!」
ーーー……。
どうやらこの子供は幼いながらも『魔王』らしい。だが、『魔王』といえば強者としてイメージがあるのだが、やはり子供なのか弱々しい。もしかすると、この狼の方が強いからなのかもしれないが。
因みに子供魔王が言い放ったお下品な発言に狼達は「「「えぇ……」」」と引いた表情であった。
ここで食べられるのかと子供魔王は「ひっ!?」と怯えた声を出してしまうが、三匹の狼はそんな事はせずに子供魔王をくわえて何処かへ駆けていく。
まるでバイクのレーサーの如く凄まじいスピードで駆けているが、そんな中子供魔王は「あばばばば」と変な奇声をあげるのであった。
そうしてあっという間に、狼達はスピードを落としたかと思うと急ブレーキをかけられたかの様に勢いで先に飛ばされてしまいそうな感覚。だが、なんとか持ち直したかと思うと漸く通常速度、つまり歩行速度並みになった。
「うぅ、なんだぁ~~~」
酔ってしまったのか、あまり表情を優れない子供魔王。
だが、直ぐに目を開けた瞬間、何故狼達が止まったのかを理解する。
「どうした。『リル』、『マナ』、『ミコ』」
そこには、二つの刀を携えた一人の女性がいたのだ。
黒青色の髪に中性的で金色の目は野生を感じさせそうな雰囲気を出していた。雰囲気ならば男よりも男らしさを醸し出している。その佇まいは、まさしく武人。
そしてその彼女の肩に乗るのは一匹の小さな金色の狐。その小狐は彼女の事が好きなのかぴったりと身体を頬へくっついてる。
子供魔王は、思った。
「(なにあのかわいいの……)」
そして同時に気づいた。
彼女こそが、この狼三匹の主である、と。
子供魔王は知らない。
雪のように白い狼は、神喰狼。
黒っぽい銀色の狼は月光狼。
濃く茶色い狼が真神、だということに。
「ん、なんだその餓鬼は?」
「がっ、餓鬼ではないっ!『魔王』だ!」
「自称『魔王』の餓鬼か」
「自称ではないっ!正真正銘の『魔王』だっ!」
「あー、はいはい」
正直どうでもいいと思った様であるこの女性は空を見上げながら「そろそろか……」と呟くと子供魔王に背を向けて歩き出したのだ。それに続いて狼三匹、リル達は着いていく。
「ど、何処に連れていく気だ!?」
「ギルド?」
「なぜ!?」
「だって、俺一応冒険者だし」
「ぼ、ぼうけんしゃ……?」
「てか、お前……その上着、何処からどう見ても『グランディセウム学園』のだろ」
「わっ、わるいかっ!『魔王』が学園にかよってて!!!」
「いや、なにもそんなこと言ってねーって。……そういやぁ今日は授業がある日じゃねーの?」
「ギクゥッ!?」
「……はぁ、まーいいや。今から学園に連れていくか、丁度用があるからな学園に」
「関係者以外は立ち入れないはずだぞ」
「最近学園で旦那が働いてるからな。それに娘達もな~~~」
「そ、そうなのか。……たしか、『ビティーカ』様が言っていた人物か……」
「あ?なんか言ったか?」
「な、なななにもいってないぞ!」
「そうか。なら行くぞ、そしてサボってるんだから怒られてこい」
「ちょっ、まっ!?」
子供魔王は拒否権なくリル達にくわえられながらドナドナされるのであった。
皆さん、わかりますね?
はいそうです、登場した女性は、リゼットさんですぅ!
何時の間に強力な仲間を……。




