神殺者(ロンギヌス)
今日は二話目の投稿です!!!
……いや、前回投稿できなかったのでそのお詫び、という意味で。
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前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!
『子守唄で!』
『ディシード……(+.+)(-.-)(__)..zzZZ』
『マーリン、任務完了?』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
『ディシード』の件が一段落したその次の日、シキ達はレイティアの家へと訪れていた。ディーと共に。
ディーはシキからの魔力を譲渡されているのでまだこの世界に留まっている。
そしてレイティアはまるで悪い憑き物が取れたかの様にシキ達へ謝罪したのだ。まだ身体は本調子ではないものの、自分がどれだけ酷いことを理解していたのだ。シキ達だけでなく、息子であるアルファに孫であるリナにもしきりに謝罪していた。
アルファは昔の優しい母に戻った事に涙を流していた。
リナは昨日の件についてはあまりよく分かっていないらしいが、簡単にアルトレアが説明すると驚愕していた。
そして、レイティアはディーにも謝罪しようとしていたのだが……。
『ボクはもう死んだ身だからさ。もうディーじゃないのさっ!……でもさっ、ディーであってもボクは君を……君達を恨んじゃいないよ。だから、今を生きるんだレイティア』
そしてディーはアルファに近付く。
アルファは内心恐れていた。
かつて、一度だけ幼い頃に生前のディーを見たことがあった。
自分はあの『勇者』の息子だ。
自分は……。
じぶん、は……。
ディーにとって、恨むべき存在でもあり、邪魔な……。
『いやーっ、君も大分大きくなったねッ!身長越されちゃったっ!』
「……え?」
ディーはよしよし、と背伸びをしながらアルファの黒髪の頭を優しく撫でていた。
「なん、で……」
『ん?君はレイティアと似て美人さんなってるねぇ~。むむっ、この子は君の息子?そして孫かッ!いや~、こんなに時が経っていたのか~!』
「あの、『勇者』の息子で、ある……私を……恨んで……」
『ぇ?だって君はレイティアの息子だろ?なんで恨まなくちゃいかないのさ?』
「あ、あぁ……」
静かにアルファは再び涙を流す。
そしてレイティアも同様にアルファがどれほど苦悩していたのかもほんの短いディーとの会話で悟ったのだ。そしてその今までしてきた息子へと仕打ちに悔いていた。
『レイティア、アルファ。もう君達はちゃんと話し合えるよね?君達は今を生きていることを、大事にしなよ?』
「ディー、私は……」
『……駄目だよ、レイティア。無責任だけど、ボクはこれ以上留まるのもきついんだ。……あぁ、他の皆にも言っておいて。そろそろちゃんと今を生きなさいッて』
「ディー……」
『あ~、もう泣かないでよっ。ホント、レイティアは昔ッから泣き虫なのは変わってないよねっ』
「うぅ……」
『……ボクは……ディーは、もう死んだ。伝えたい事も伝えたし。この世界の未練はないさっ。……ひめちゃん』
レイティアの零れる涙を指で拭いながらディーはシキを……姫希を呼ぶ。
「……ディオンさん」
『あははっ!やっぱりわかってたかっ!流石は主の……ううん、ボクたちの孫だね』
「最初はまさか、とはおもったけど……」
『うん、ここに来れたのはボクが渡したそれのお陰なんだ』
そう指し示す先には姫希が首から下げていたアクセサリー。
それはディー……いいや、ディオンが自分の毛の束を魔力を込めて姫希に渡した贈り物であった。これがあったからこそ、ここまで霊体をここまで飛ばすことができたのだ。
『……ボクたちもがんばるから、ひめちゃんもちゃんと無事に帰ってきてね』
「はい」
『じゃっ、ボクはここまでさっ!みんな、じゃーーーねーーー!!!』
そうして、ディーの身体は完全に粒子の様に辺りに消え去るのであった。
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ディーが消え去った後、暫くレイティアはシキ達に問う。
何故この『大樹の郷』へと訪れたのか、と。
本来ならばディーとの別れで悲しんでいると思われたが、それをシキ達の表情でレイティアは察してこう言った。
『またくよくよしてるとディーに怒られるわ』
と、初めて会った時よりも瞳には生気が宿り、彼女本来に戻った様であった。
アルトレアは言う。
何故この『大樹の郷』を訪れたのか。
母が『ルーシェ』だと言うことを。
そして母親である『ルーシェ』は既に無くなっていること。
父親である『勇者』ジークについて。
そして父親に実力がないという理由で地下室で生活を強いられたことを。
勘当されたことも。
それを述べていくと最初はアルトレアが元男だというのに周りは驚いていたがアルファは『馬鹿な……ジークが、そんなことを……?』と信じられない様子であった。それはアルファの妻や息子も同じだったらしい。アルファ達からの話ではジークは誠実で無欲な男だったらしい。そんな彼が実の息子にするとは到底思えない、と豪語していた。
アルトレアからきいたジークというのは、まるで別人ではないかっ、とアルファ達の意見であった。
その言葉にシキとリナはお互いに目を会わせある推測が浮かび上がった。
その推測は、絶対とは言い切れないし可能性としても低いのかもしれない。だが、リナという存在がその可能性を強めていたのだ。
アルトレアの母『ルーシェ』はレイティアの家の使用人であったらしい。『ルーシェ』の両親は既に他界しており、なくなる直前に親友であったアルファに託したのだ。『ルーシェ』についてはどの様な人物であったのかをレイティア達が懐かしむように話していった。
その時、シキはというと横にいたリナと話していた。
「シキさん。あの、その、ジークさんってまさか……」
「……あぁ。信じられないが、な」
「もう一人のぼくも言ってました。ジークさんは、ぼく達とおなじ……」
「転生者……恐らくだが、本来のジークは前世の彼によって乗っ取られているのか。実際に出来るのか?」
「う、うん。もう一人のぼくは可能だと思う、って……」
「そう、か……」
しかし、これはあくまで推測だ。
まだ事実とは確定していない。
だからこそ、シキは自分の袖口から一匹の小狐……自身の分身を誰にも悟られぬことなくアルトレアの故郷『サウザラート国』へ掛けていったのであった。
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「さぁ、できたわっ」
身体を氷で封じ込められていた女神クーディアは目の前の色鮮やかな複雑……いや、複雑過ぎる魔方陣を眺めながらひと息ついていた。
マーリンが持ち帰った膨大な魔力は申し分がないほどの量。
その魔方陣をマーリンを始め、酒天童子にブリュンヒルデ、そしてアイアスが傍観するように見ている。
女神クーディアはそのまま魔方陣を起動する。
それがどんな魔方陣かというのならば、召喚魔法である。
しかもそれが神が造ったのならば色々と破格だろう。
「クーディア、一体何を呼び出すつもりなんだい?」
「ふふふっ。私が呼び出すのは《最強の存在》よ。いえ、厳密にいうのであれば、この世界にではない何処か、からね」
「……具体的にどんな人物が召喚されるかはわからないんだね?」
「えぇ、そうよ。でも安心しなさい。これは……成功するわっ!!!」
召喚魔法陣は輝きを徐々に増していく。
しかし、突如としてその強い輝きはまるでなにか不純物が混ぜ込められたかの様に黒く黒くなっていく。
その不可解な現象にマーリン達は失敗か、と思ってしまうがその黒さは先程の輝きと同様に、いや更に強い黒さを解き放たれようとしてきた。
そして……。
「……アラ?この私を呼んだのは、誰?」
そこに現れたのはくすみ、枯れた様な色褪せた長い金髪を持った女性であった。女性というより美女の分類にはいるだろう。しかし、その相手を射殺す様な神さえも怯えさせる眼力はクーディアでさえも一瞬心底恐ろしく感じてしまう。手にもつ薙刀と彼女の
左手の薬指には純白の小さなダイヤモンドの指輪が填められていたのであった。
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名前:???
種族:???
性別: 女性
職業:???
レベル 測定不能
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[絶対固有スキル]
???
ーーー
[固有スキル]
???
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[スキル]
???
ーーー
[称号]
天王の資格
魔王の資格
超越者
神殺者
ーーー
とりあえず、『大樹の郷』編?は終わりです!
さて、次回は……舞台は『カグヤ』の『キョウラク』に戻ります!
そして……学園編!?
シキさん、先生に?
という感じが次回予告となります!
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やる気あげあげになります!




