無を司る神『デシィート』
やっと投稿できました!
とりあえず、決着?です!
次回からサクサク物語を進めていくつもりです!
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前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!
『目覚めた!?』
『無を司る神』
『デシィート』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
ーーー!!!!!
無を司る神『デシィート』は咆哮する。
その咆哮と共に『無虚龍抜殻』も遅れて咆哮し、シキとディーは『デシィート』に向かって駆けていく。
二人のその駆ける速さはらまさしく"神速"。
既に速さというより、瞬間移動にも見えるだろう。
そして一瞬にして、『デシィート』を両側から挟み込むようにシキとディーは力を解放する。
「黒雷よ!」
『白雷よ!』
シキの身体から黒き雷が、一方のディーにも身体から白き雷が放出される。その黒と白の雷は迸る閃光と共に『デシィート』へとレールガンの如く放たれた。
ーーーッ、ーーー!!!
しかし、そんな絶大な攻撃だというのに受けた『デシィート』は特に傷を受けた様子はない。だが、攻撃を受けた事に驚いていたらしく、少し怯んだ様子も見える。
「だめかっ!」
『ひめちゃん、何か大きな得物ちょーだいっ』
そう言うディーにシキは[空間庫]からクレイモアをまるでバトンを回すかの様に投げたのだ。ディーはそれを悠々と『デシィート』を錯乱させる様に動きながら、そのクレイモアの柄をキャッチした。
「おりゃっ!」
ディーはキャッチした勢いのまま、『デシィート』に向けて閃光に輝く斬撃を三度撃ち放った。
その斬撃は見事『デシィート』の身体に命中はするが、それほどの傷ではないらしい。決定的に威力が欠けていたのだ。
「う~ん……。やっぱ今のこの身体じゃ弱すぎるか~」
何とも緊張感の無いディーは『デシィート』の攻撃を避けながら考える。
一方のシキは、攻撃の手数を増やす為にある事を行った。
出でよ、我が分身。
そう心で念じると、シキの両サイドにズドドンッと柱が出現する。
右側の柱は光輝く白光の力。
左側の柱は漆黒に燃え上がる力。
どちらも異常なエネルギーであったが、ものの1秒弱でそれは収まり、代わりに二人の人影が現れた。
一人は三対六枚の純白の翼を持つ純白の麗人。
一人は同じく三対六枚のではあるが漆黒のの翼を持つ黒と赤のツートーンの麗人。
その両者は見た目と服装からして『天使』と『悪魔』に見えるだろう。
いや、違う。
周りにそれを目撃したエルフ達は『大天使』と『大悪魔』に見えるのだ。それほどの存在感のその至高な雰囲気を放っているからだろう。
その正体は、『天人族』と『魔人族』の姿になったシキの分身であった。
加えて上空にはまるでこの『大樹の郷』を守護する一体の龍"空"も現れればもう神話の領域である。
そして対峙するのは無を司る神と呼ばれしモンスター『デシィート』。
ここからどんな事が起こっても可笑しくはない。
互いに対峙する中、先に動いたのはシキの分身である『天人族』と『魔人族』。
三対六枚の翼を広げ飛び立つ瞬間は、速くはあったがイメージとして『天使』と『悪魔』……いや、『大天使』と『大悪魔』は互いに敵対視合う様なものではなく、互いに手を取り合って羽ばたいたのだ。
そして『デシィート』を取り囲む様に円を描きながら飛び回る。
さて、何故円を描きながら飛び回るのか。
この世界ではどうかは不明だが、シキの世界では円を描くように歩く・飛ぶ・回す等という行為は警戒すべき行動である。
円を描くように動くというのは魔方陣を描く行為と思われるのだ。
実際、シキの世界ではその些細な行為……例えばペン回しで魔方陣を描き攻撃する手段を持つ者もいる。他にも話ながら人の周りを円を描くように歩く行為も動きを止める魔方陣を展開されるのでは、と思ってしまうのだ。
それと同じ様に『大天使』と『大悪魔』は『デシィート』を取り囲む様に円を描きながら飛び回るのも同じこと。
一周周り終えるとその飛んでいた起動が魔方陣となり、白と黒の魔方陣が一つの結界となり『デシィート』の動きを止める。『デシィート』はその結界を壊そうと攻撃を加えるが、多少罅は入ってしまうが今すぐに破壊される様子ではない。だが、その結界が持つのは1分弱程。しかし、これが戦いであるならば時間稼ぎにしては多い、多すぎる程。
ここで何かしらの次の一手を準備できるのだが、シキは結界内に封じ込められた『デシィート』の様子を目を細めて観察してきた。
「……まるで」
『どーしたのさっ、ひめちゃん?』
「あ、いえ……あの、で、『デシィート』ですか?何だか……」
『ん?』
「眠そうな動きをするな、と」
そういうシキは『デシィート』の動きは一つ一つ大きすぎる、というか適当にも見えるのだ。そしてフラフラしているようにも見える。
実際に『デシィート』という存在は黙視することは通常困難ではあるが、シキは『デシィート』の姿をシルエットしては視えてはいるのだ。
シキの言う通り、『デシィート』は本当に睡魔に襲われているのか、結界にふらふらとしながら壁に激突したりしている。
その姿と様子を見るだけでシキの意見と同意見であろう。
「どうするか……」
『!じゃあさじゃあさっ、ひめちゃんが眠たくなるようなあれをやればいいんじゃないかなっ』
「……あれ?……あ、いえ、それは」
『今のひめちゃんの姿ならより効果は期待できるよねッ!』
「そ、そんな……」
ディーは眠たそうにしている『デシィート』をどうにかする手段を閃いていた。だが、それはシキにとっては躊躇してしまうこと。というか、それでどうにかできるのか不明だからでもある。
その手段というのは……。
「眠たくなるような『歌』なんて……」
そう、歌である。
たかが歌が、と思うものは当然いるだろう。
しかし、歌というのはシキの世界では自身を強化等のサポート系魔法も実在する。
シキは歌は上手い。
だが、相手を眠らせる様な歌を歌ったことがない。
そんなの出来る訳が……とシキはふと考えてしまうが頭の中にある人物の言葉が過る。だが、その人物が実際に言ったわけではなく、そう想像してしまったのだ。
≪あら、出来るかどうかもわからないのに諦めるのですか?ふふふっ、諦めるのですかぁ?≫
「……」
幾度となく衝突した相手、大御門彦乃のシキにとっては苛つかせる顔を思い浮かべた瞬間、決意する。
ムカついていたのだ。
あの大御門彦乃にそんな事を言われたと思えば。
やってやろうじゃないかっ!
そうシキは歌う事を決意した。
目を閉じて、かつて母が歌ってくれた子守唄を歌う。
「……----------ーーーーーー_____-----
ーーーーーーー ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____ ̄_ー ̄___ーーー-----_____♪」
その歌声が辺りに響き渡る。
結界によって動きを封じ込められた『デシィート』であったが、シキの歌声を聞き、顔を向けながらそれを静かに聞いていた。
まわりもそうであった。
シキの分身であった『天人族』と『魔人族』も目を閉じて聞いていたのだ。
エルフ達も。
ディーも懐かしそうに聴いていた。
ーーー……。
『デシィート』は最初は唸り声の様なものを発していたが、暫くして静かに黙っていた。するとその結界内に何か大きな裂目が現れる。のそのそとゆっくりとその裂け目へ『デシィート』は入っていき、その裂け目は消えていった。
「……か、帰ったのか?ま、まさか成功するとは……こふっ!?」
「シキさん!?」
『ひめちゃん!?』
何故か吐血するシキ。
たかが歌を歌っただけで吐血するなど異常ではあるが、シキにとっては全身全霊を掛けた子守唄を歌ったのだ。
レイティアはというと、魔力の急激な消費によって気を失っているらしく女性エルフ達が介抱を行っていた。レイティアは気を失う前に正気を取り戻したように息子のアルファをしきりに謝っていたらしい。もう、問題は無さそうだ。
シキに至っては特に大事には至らなかったが、こうしてこの『大樹の郷』の事件は幕を閉じたのであった。
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『デシィート』が元の場所へと戻った後、『世界樹』の生い茂った枝先にシキ達を見下ろす者がいた。
「ふむ。無を司る神『デシィート』ねぇ……。まさかこんなことになるとは……。まあいっか。十分魔力も貰ったことだし……。」
そしてその魔術師マーリンは今にも溢れそうな器のある杖を確認しながらその場から立ち去る。
「さて、クーディアの元へ帰還しようか」
さて一段落ですね!
次回は、ディーの正体がわかるかも?
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