シキ VS ディー
何とか、投稿できましたーーー!!!
やったぜ!(*≧∇≦)ノ
さて、今回は読者の皆様が驚く……かな?(・_・)
少し短いですが、お楽しみくださいっ!
では、どうぞー!
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前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!
『ディー が シキ に こうげき を しかけてきた ▼』
『レイティア VS アルトレア!』
『白椿、抜刀!』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
「はぁっ!!!」
「……」
シキとディーの両者の拳がぶつかる。
どちらもそうではあるがそんな華奢な身体、特に細い腕から何処からそんな力を持っているのかと疑問に思ってしまう程の怪物地味た衝撃波が爆風の如く辺りに伝わる。
何が起こっているのか分からないエルフ達もただならぬ事態になっているのを察したのか特に子供達を優先にそこから離れる様に避難していく。
「……」
「ふっ!」
両者の戦いは肉弾戦。
それぞれがどちらも引けを取らない程の攻防戦である。
ディーは魔法は使えない。
しかし、何故シキは魔法や武器を使う手段を選ぶ事をしなかったのか。
いや、選ぶ事をしなかったのか、というのは間違いである。
魔法や武器を選ぶ余裕が無かったからだ。
原因は勿論、ディー。
魔法や武器を出す暇や隙を一切出さす事なく、怒涛に攻めてくるのだ。
シキの魔法の発動、武器の抜刀は神速ではあるが、それを何とか食い付くディー。
だからこそ、この戦いは肉弾戦のみとなっているのだ。
しかし、魔法や武器が無くともシキは強い。
だが、それと同様にディーもだ。
レイティアからの話から察するに武器を使っていたかは不明だが、魔法なしで身体で1つ英雄となった男。
戦いから見ても武器を使っていなかったのだろうか。
距離を取ろうと離れる事を許さず。
魔法を放とうとすれば、懐に一瞬にして潜り込まれる。
ある意味、遠距離のみを得意とする者であれば一瞬にして片が付いてしまう。
それほど、脅威となる存在こそがディーだ。
流石は英雄と呼ばれる存在。
シキは『悲劇の英雄』に関してはどの様な人物だったのかを前に『キョウラク』にある図書館で調べたことがあった。
『悲劇の英雄』は狼の獣人であり、周りを明るくする優しくも強き者であったらしい。歳が13の時には故郷を離れ、幼馴染みと共に旅に出たとされている。幼馴染みは鬼の少女だったらしい。そんな幼馴染みの鬼の少女は元気が良く、ディーに片想いをしていた様だ。
15の時には、冒険者として名の知れた若くしてSSSランクになる。幼馴染みは女性初のSSランクとなった。そして新たな仲間として奴隷であった犬の獣人である幼い少女を買ったのだ。その奴隷の幼い少女はどうやら盗賊に家族を殺されてしまい、生きるために自ら奴隷となったようだ。毎日夜な夜な泣いており、誰が見ても見るに耐えない程の様子に奴隷商人も困っていた。奴隷商人も自分が抱える奴隷達の管理をしなければならないので、その少女だけ特別扱いもできなかった。そんな時に、たまたま出会ったディーに全く買い手のつかないその少女を託したのだ。勿論、奴隷商人は金を求めることはせず、逆にその少女の為に使ってほしいと一緒に差し出したらしい。
SSSランクにもなれば、依頼範囲はより広がる。その依頼の中でエルフの少女やダークエルフの少女とも出会い、共に旅をした。
そのエルフの少女こそがレイティアである。
更には『カグヤ』の首都、『キョウラク』では、その王女と出会うこととなった。
そして何時しか、彼女達は彼と結婚し、幸せな時を過ごすーーー筈であった。
この後に何処からともなく、『勇者』と名乗る黒髪黒目の男が現れると、ディーの幸せな時は崩れ去った。
気が付いた時には、王女と奴隷だった少女、エルフとダークエルフの少女、そして、幼馴染みまでもが自分の存在を忘れ、その代わりに良く分からない黒髪黒目の男をかつての自分の様に愛し、結婚し、まぐわっていた。
彼女達にどういうことか問いただしても、まるで汚物を見るような目で、最初から存在していないように関係ないと言い張った。そして彼等はディーに見せつける様に口付けをしたり、抱き合ったり……。
周りに言っても、誰も信じては貰えなかった。
ただ、ディーを汚ならしい存在を見る様に、拒絶されてしまう。
明らかにあの『勇者』と名乗る黒髪黒目の男が何かしたのだと理解したディーであったが、そんな存在を命を掛けて守ろうとするかつての恋人達に阻まれた。
その黒髪黒目の『勇者』だけを殺すことなど、何時でもできた。
しかし、できなかった。
何故なら、『勇者』が死ぬときは自分達も死ぬときだと、言い切ったからだ、彼女達全員が。
その時、初めてディーは絶望し、諦めた。
旅の途中で強大な敵等に出会い、絶望する場面は幾らでもあった。
どれだけ頑張っても無理だとわかっていても諦めるしかない場面等、幾らでもあった。
しかし、今までのディーは絶望することなく、諦めることなどなかった。
絶望する、諦める最大の要因は、あの黒髪黒目の『勇者』がディーを最強最悪の『魔王』だと宣言されたのだ。それに『カグヤ』の王やエルフとダークエルフの長までも異議を唱えることなく、ディーを『魔王』として認めたのだ。
最も彼を傷付けたのは、逃げる前に一度でも故郷にいる家族と仲間達に会いに行った時だ。
故郷にいた家族、仲間達に、『魔王』だと恐れられ、攻撃されだ。
嗚呼、誰も。
誰も、ボクを……忘れてしまった。
恋人も、家族も、仲間……いや、全ての人がボクの敵となってしまった。
ディーは自分の身を隠す様に人やモンスターが居ない場所でひっそりと暮らすのだが、『魔王』を倒す為にあの黒髪黒目の『勇者』と共にかつての恋人達が現れた。
何を言っても無意味。
そう、悟ったディーは、その現実を受け入れる様に彼女達の武器や魔法を受ける。
そして、最後に仕留める為に鬼の少女はディーの心臓に剣を突き刺した。
彼女達は彼がディーだと気付くこともなく、最強最悪の『魔王』として息の根を止めたのだった。
この時、黒髪黒目の『勇者』はただ何をすることもなく、ディーを殺す・自分の身を守らせる命令しかしなかった。
ディーはただ、何もせずに、この世から消える筈であったが、彼女達の攻撃を受ける時には静かに涙を流し、そしてこの世から去るのであった。
これほどバットエンドな事があるだろうか。
シキは目の前にいるディーへと拳を交えながら静かに問う。
「……貴方は恨んでいる、のか?」
相手は魂もない単なる人形。
しかし、問わずにはいられなかった。
あれほどの悲劇の中、絶望し、諦め、更には最後まで絶望しながら悲しみ死んでいったのだ。
返答などはあるはずがない。
そんな時だ。
シキは目の前のディーの瞳に生気が宿ったのだ。
そして魂もない……心もなく、話すことも有り得ないディーはシキに向けて微かに消えそうではあるが意志の籠った声で言う。
「ボクを、殺して……そして、レイティアを、止めて……
ひめちゃん」
さぁ~て?
何故『ひめちゃん』なのでしょーか?
もうすでにわかっている人がいるかも?
さて、ーーーどうなることやら?
次回もお楽しみ!
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