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『ディーレ・オンラート』

大変お待たせしました!!!


仕事が忙しくてら執筆している暇がなかった!!!という言い訳です!


気分転換で何故か新たな物語を執筆しているのですが……次々に出てくるんですよねアイディアが。


先にこっちを執筆してから新しいのをやればいいのに……( ;∀;)


でも、物語はまだまだ続きますよぉ!!!


ワタシ、ガンバルゥ!!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!


『レイティア!』


『ディーと再会!?』


『いやいや、違うってヾ(・д・`;)』


のどんっ!ι(`ロ´)ノ



シキとレティア。


両者の魔法の剣達がぶつかり合い、相殺して壊れ散っていく。


どちらも競り合う様に終わりなき剣戟が響き渡る。


そんな中、レティアは酷く驚いた表情をしていた。



「……ディー、貴方、魔法が使えるようになったのね!」


「だからディーじゃねえって!」



どうやらレティアがいう今は亡き最愛の人物ディーは魔法が使えなかった様である。しかし、シキはディーではないので自分はその人物ではないと何度でもいうがレティアは聞く耳持たずである。


本来ならばシキとレティアの魔力量はシキの方が桁違いに多いので、尽きるのはレティアであるのだが……長年溜め続けていた量が尋常ではなかったらしく魔力が尽きる様子はない。


両者の魔力で生み出した剣達は収まるばかりではなく、むしろ苛烈を極める一方である。


しかし、そんな互いの爆発的な力がぶつかり合うのにその空間では耐えきれなかった。



ーーードゴーーーン!!!



レティアの剣を防ぐ様にシキは同じく魔力の剣で相殺していたが、流石にこの広間では数が多すぎた。


もくもくと煙が晴れる中、アルトレアはアルフィを護る様に結界を発動して難を逃れていた。アルフィだけでなく、外にまで被害が出ないようにも結界を展開していたので外にいるエルフ達に被害は出ることはなかったのだが、その爆発音に異変に気付いてしまう。



「な、なんだ!?」


「あそこは……レティア様のーーー!?!?」


「何が起こった!?」



エルフ達が見る方向には、シキとレティアが対峙していた。


互いに濃密で膨大な魔力が身体から放出されており、全てのエルフ達はただ事ではないと理解する。



「ふふっ、昔はこんな感じで互いを高め合っていたわよね、ディー」


「何度でも言うが、俺はディーじゃない!」


「……そう……ディー、貴方は忘れてしまったのね。でも、大丈夫よ。貴方の為に……貴方の身体を、生み出したの。貴方自身の姿を見れば思い出すわ。私の……私達の、思い出をーーー」



そう、いつの間にかレティア腕の中に人形があった。


それは、白と金色の髪に頭には狼の耳が生えた少年の人形。


レティアが作った人形である。


だが、それは単なる人形ではなかった。



「さあ、思い出して?」


「貴方の姿を」


「私達の、思い出を」


「思い出してーーーディーーーー」



その人形はレティアから離れると、光輝く。


輝きは儚く、そして空っぽの様な虚無感を与える光であった。


光が収まると、人がいた。


年齢はシキと同じくらいだろうか。


白と金色の髪に頭には狼の耳、尻尾が生えた少年。


そう、先程までレティアが持っていたあの人形である。



「ディー、思い出せた?」


「ーーーこれは……」


「……」



シキは驚きで、レティアの声が耳に入らずその狼少年を見ていた。


恐らく目の前にいる、何も写さない空っぽな瞳と無表情のこの者がレティアがいうディー、『悲劇の英雄』なのだろう。


しかし、シキはそのディーを見て、魂がない(・・・・)事に驚いていた。


例え、人工的に人間を生み出したとしても魂はある筈。


何故なら、生きている、のだから。


生きているならば、魂はあるはず。


だが、目の前にいるディーは、魂がない、肉体のみの存在。


本当に、人形、の様なものである。



「あとは、貴方の魂を元の身体に入れるだけ……さあ、ディー!元の姿に戻ろう?そしてーーー、地球を、滅ぼそうよ」


「……どんな手を使って、かは知らない。だが、俺はディーではない。それに、地球は、滅ぼさせるわけにはいかない!!!」


「……そう、そんなこと、イッチャウンダ……」



シキの拒否する言葉にレティアは更に苛つきを露にする。


レティアは狂っている。


だからこそ、彼女は正常な判断も、どんな手段も選ばない。


ディーを、取り戻すまではーーー。



「ならーーーナラ、ね?無理矢理でもーーーディーを取り戻す、しか、ナイヨネ?」



その瞬間、シキの目の前に魂亡き空っぽな存在、ディーが現れ……シキの鳩尾に向けて拳を放った。



「ーーーっ、ぐッ!?」


「……」


「シキさん!?」



ディーが放った拳にシキは吹き飛ばされ、近くの壁にぶつかってしまう。


シキをよく知るアルトレアからすれば、シキがあれほどにも簡単に接近を許し、攻撃を受けてしまった事に驚いてしまう。


だが、シキも壁にぶつかってしまったものの、その場で踏み留まり防いでいた。



「ふふふ、ディーの身体は私が知る全盛期なのよ。ね?だから安心して、思い出して」


「……っ!」



この時、シキは若干焦っていた。


あのディーという存在は、あの『七天魔皇』の『覇王』、『金剛』や元『ギルドマスター』ゼンとは違う強者の風格、そして実力を感じたのだ。


それ故に、シキは本気で、ディーとの戦いを臨む。


しかし、横槍が入るかの様にレティアの拘束系魔法が放たれるが、その邪魔を阻止する様にアルトレアが放った矢によって防がれてしまう。



「貴女の相手は、ボクですッ!!!」


「小癪な、忌々しき『勇者』の子供が!!!」



拘束魔法は触手の様にシキへと魔の手が伸びていたが、それをアルトレアによって放たれた矢によって阻止したのだ。それをレイティアは激怒し、矢を射る暇を与える隙もないほどの様々な属性の剣達を射出される。


これではアルトレアは成す術もなく、串刺しにされてしまうと思ったアルファは魔法の障壁を展開するのだが虚しくも一瞬も止める事も出来ずに破壊されてしまった。


レイティアは魔術師とし一流だ。


であれば、先程のアルトレアが展開した結界の対処もその剣に施されているのだろう。


だからこそ、アルトレアは結界を発動しなかったのだ。


しかし、何も手段のないアルトレアではない。


腰に携えていた、白き短剣『白椿』を抜き取り、迫り来る剣の雨を全て斬り、破壊した。


それは一閃。


『白椿』を抜いた瞬間、刀身の長さが伸びたのだ。


短剣の状態では全ては不可能に近いが、刀身が太刀の様に伸びていれば振るう範囲も広がる。それにアルトレア自身の技術もあってこそ、この様な芸当ができたのだろう。


レイティアは、まさか矢を射るだけでなく、接近戦……しかも剣が使える事に驚いていた。別段、珍しくはないのかもしれないが剣も弓と同様な技術と早さがあるのだ。


どちらか偏ってしまうのが大体なのではあるが、アルトレアはどちらも長い時を生きるレイティアからしても目を見張る実力がある。


アルトレアは剣を破壊した後直ぐに、入れ替えるように『白椿』を地に突き刺し、弓を持つと無駄のないスムーズな動きで魔力で矢を生みだし、そしてレイティアに向けて射た。


レイティアはその矢を防ごうと、魔方陣が描かれた魔力の盾を生み出すのだが、その矢が魔力の盾が当たった瞬間に魔力の盾が崩れる様に矢と共に消えてしまったのだ。



「なっ!?」



たった一発の矢で、意図も容易くレイティアが念のために聖剣や魔剣でも傷付けるのも困難な盾が突破されたことに酷く困惑するしかない。


アルトレアが放ったのは、単なる魔力で生み出した矢ではない。


『崩弾』というアルトレアの能力による効果で魔方陣の盾を消滅させたのだ。



「(あの矢は、殺傷能力は一切ない。けど、発動した私の魔法を砂のように消されてしまった……もし、私の身体に当たっていれーーーーっ!まさか、狙いはーーー)」



何故、アルトレアは殺傷能力がない『崩弾』を放ったのか。


レイティアはその『崩弾』の能力を大体は理解し、狙いを察してしまう。


それは、レイティアが操るディーを止める事だ。


レイティアに『崩弾』を当てれば、ディーを止められるだろう。だからこそ、アルトレアはディーを止める為に『崩弾』を使用している。まだアルトレアは甘いがレイティアを傷付けずにそれを実行しようとしているのだ。


あの『勇者』の子供は、危険だ。


やっとの思いでディーを元に戻せるというのに邪魔をする。


レイティアは憎悪を増して、アルトレアをやはり先に始末しようと決意する。



「忌々しいっ、『勇者』の子供がっ!!!」








シキ VS ディー

アルトレア VS レイティア


いやー、どうなるかな?


アルトレアも強くはなっていますが……。


次回はシキ VS ディー ですよ!!


あ、ディーって……実は……『ネタバレ』(笑)


ーーーーーーーーーーーーーー


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