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俺ではない

御待たせしました!


今回は少し話が跳んでる感はあると思います。


胸くそ、ありです。




それでは、どうぞ!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!


『決着?』


望先生(シキ)、登場ぅ』




『人になれんの!?』




のどんっ!ι(`ロ´)ノ



「あぁ、ディー!ディー!」



まるで最愛の恋人と再会をしたかの様にある人物の胸へと飛込み、そしてポロポロと大粒の涙を流しながらその名を呼ぶエルフ……『レティア・オンラート』。


彼女は長い年月、最愛な彼の再会を待ち望んでいた。


いや、待っていただけではない。


彼と再会する為に……蘇生させる為に様々な手を使った。


だが、唯一、人の命を使うような事を一切しなかったのはまだ、彼女の心に良心があったからだろう。


しかし、人の命を使うような蘇生方法以外でもピンからキリまであったのだ。


その方法が出鱈目であろうと、彼女は行った。


結果として、失敗。


最後の要であるある人物の力でも不可能であった。


その人物とは、『七天魔皇』の一人、『聖人』の異名を持つ『死霊之王』アレキザンダーという存在である。


見た目は聖人らしい服装を纏う、骸骨の者。


所謂『死霊アンデット』である。


しかし、このアレキサンダーという『死霊アンデット』は慈悲なる存在であるのだ。


加えて光魔法等、『死霊アンデット』に害でしかない魔法までも使用できるという何とも規格外な存在。


彼は死者の魂を救う、この『カグヤ』であれば聖人の中の聖人とも称される程に慈悲深く、優しい『死霊アンデット』。


死霊アンデット』でありながら一応人の味方であるので、他の『七天魔皇』からは異端児とも言われていたりする。


その彼にレティアが頼んだのだ。


最愛なる人を生き返らせてほしい、と。


だが、それをアレキサンダーは許否する。


それはできない、と。


だが、その者の魂を、霊を一時的に呼べる可能性がある。その時に今まで話せなかったこと、話したいことを話せばいいとアレキサンダーは話す。


レティアはただ会いたい一心で、一瞬でもいいからとアレキサンダーに頼んだのだ。


しかしーーー。



『……貴女が云うディー、『ディーレ・オンラート』の魂はこの世に存在しない(・・・・・・・・・)


『……ぇ』



この世に最愛なる彼の魂は存在しない。


その発言に、レティアはある過去をフラッシュバックしてしまう。


彼を、ディーを自分の手で殺めてしまったことを。


それはあの忌々しい男に洗脳され、他の仲間と共に聖剣や魔剣、魔法……しかもその魔法は神を殺すとも言われる禁忌の魔法を行使して残虐にも跡形もなく消滅してしまったのだ。


残ったのは、なにもない。


ただ、それはどれだけ願ってもその最愛なるディーが死んだ事実は変わらない。


レティアはワナワナと身体を震わせて、ある結論へと至ってしまった。


何故、この世に最愛なるディーの魂が存在しないのか。


それはーーー。



自分達が最愛なる彼(ディー)の魂ごと、消してしまったからだ、と。



そう、レティアは解釈してしまった(・・・・・・・・)


彼女は更なる絶望に落とされ、狂ってしまった。


もう、ディーとは会えない。


会いたい。


一度でも会いたい。


だだ、その思いだけで、今まで生きていた。


そして、彼女は独自でディーをこの世に呼び戻そうと長年の年月を費やしていた。


だが、もうその必要はない。


目の前に、最愛なる彼が現れたのだから……。



一方、レティアがディーと呼ぶ人物と言えば……。












「ディーって人物がどの様な人物かは知らないが、俺ではないぞ」



そう言う一人のエルフ。


そのエルフとは癖ッ毛のある長い金髪のエルフ、シキであった。


この状況はシキにとっても意味がわからない状況。


そもそも、シキはアルトレアと共にこの『大樹の里』のエルフ禁制である場所に招かれた。これはリナという少年エルフの祖父が連れてきたのだ。理由は今シキに抱き付いているエルフの女性、レティアに命じられて、である。


シキとしてはこの状態ははっきり言ってしまうと妻のアルトレアがいる場でこんなことをされると困る。例えいない状況でも十分困るが。



「とりあえず、離してくれ」


「……いやよ、やっと会えたのだもの。でも、よくやくわかったわ。貴方の魂はこの世には消えていなかった、生まれ変わったから……生き返らせる事ができなかったのね」


「あ、うん、そっか。……いい加減離して」


「………………何で?」



その瞬間、シキの胸に顔を埋めていたレティアはハイライトが消えた目で見上げる。先程嬉しそうな表現だったのも、ストンッと消え去ってしまい無表情。


レティアは言う。



「何で、……ナンでナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ?ナンデ、そんなこと、イウノ?やっと、ヤットアエタノニ……。あ、ソッか……」



勝手にレティアは何故、転生したディーが自分を拒絶するのか。そもそもシキからしたら拒絶するのは当たり前である。


だって、見ず知らずのエルフに抱き付かれてヤンデレ発言されれば恐いもん。



「か、母さん」


「……あの男、アノ男ノセイダ。アノ男サエ居ナケレバ、ディーヲ殺ス事モナカッタ!!!アノ男ガ、コノ世界ニ、呼バレナカッタラ!!!ディーニモ拒絶サレル事モナカッタ!!!ディーガ私ヲ!私達ヲ!忘レル事モナカッタ!!!」


「っ!?」



母親を止めようとするアルフィであったが、今のレティアはこれまでにない程に狂っていた。


狂わされた歯車はもう、止まらない。


レティアは。


レティアは、ある事を思い付いた。


それは……。



「アノ男ノ、アノ男ノ星、地球?ヲ、滅ボシテアゲルから……。ディー、みてて?」


「「「!?!?」」」



その発言にシキ・アルトレア・アルフィは驚愕する。


まさか、それほどに最愛なる人を陥れた、『勇者』を恨んでいるとは。その『勇者』は既にこの世にはいない。だが、レティアの怒り狂う様はそれだけでは収まるわけがない。


今まで抱えてきた負の感情が解き放たれたのだ。


やっと、ディーと会えたのに。


でも、ディーは拒絶する。


なら、どうすればいい?


何故、こうなってしまった?


全て、全てあの『勇者』が元凶。


しかし、その『勇者』はもう死んでいる。


自分の、共にディーと妻となり支えようと近いあった仲間(彼女)達の純潔を、全てを奪った存在を許すわけがない。


あんな、存在がいた世界ごと滅ぼせばいい。



この『大樹の里』にディーを蘇生させる為に長い年月をかけて集められた魔力がレティアに集中する。


それはシキからしても尋常ではない程の魔力の量。



「そんな……、そんな事、やめてください!!!」


「……『ルーシェ』?」


「っ、『ルーシェ』はボクの母です」


「……へぇ、『ルーシェ』の子供……いいえ、あの忌々しい『勇者』の子供ですか。ならーーー、ここで、死ネ!!!」



『ルーシェ』と『勇者』の子ということにアルフィは驚いた。いや、見たときに薄々とそうではないかと感じていたのだ。だが、アルトレアの発言からも『ルーシェ』と、『勇者』ジークの子供。


しかし、『ルーシェ』の子供であろうと『勇者』の子供であるならレティアは容赦なくアルトレアに向けて黒く歪な剣を出現させるとそれを放つ。


まさか攻撃してくるとは思ってはいなかったが、すぐにアルトレアは自身だけでなく全員を護る結界を発動してその黒く歪な剣を防ぐ。


レティアは防がれた事に舌打ちをすると、更に様々な属性の歪な剣を生み出してアルトレアに向けて射出しようとする。が、射出した瞬間、レティアからとは違う方向から様々な属性の種類が異なる剣達がそれを相殺した。


そしてレティアに声をかけられる。


怒りがこもった声で。



「おい、俺の妻に何してる?」



右手に『神刀"空"』、左手に"(ロッド)"に変形した『変形武器(トランス・ウエポン)』を持ち、背後には無数の剣を宙に構えたシキであった。


相手は妻であるアルトレアに危害を加えようとした。


明確な敵である。



「……ディー、何を、言ってるの?あの『勇者』の子供を、妻、って」


「アルトレアは俺の妻だ」


「……」



アルトレアに向けて剣を射出しようと手を上げていたレティアは力無く落としてしまう。そして信じられない様な目でシキを見ていた。


そして、その瞳から一筋の涙が零れると、レティアはアルトレアに向けて憎悪を込めた目で睨み付けて叫んだ。



「なんでっ!?!?なんで、あなた達『勇者』は奪うの!!!わたしの、わたしたちの、全てを奪っておいて、まだ足りないの!?!?……ぅ、……ゃ……ょ、ゃめてよ、もう、やめてよ……。やっと、会えたのに……。ディーまで、奪わないで……奪わないでよッ!!!」


「何度でも言うが、俺はディーではないし、そのディーの生まれ変わりではない。だが、これ以上俺の妻に何かするっていうのならーーーこっちも黙ってはいない」



その瞬間両者の剣達が放たれ、剣戟を放ちぶつかり合うのであった。





来週もがんまりまっす!



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