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『シキさん』と『アルさん』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!


『転生者!』


『二重人格?』


『ヤバい奴に襲われそうになって……?』


のどんっ!ι(`ロ´)ノ



どーも、リナです。


いや、リナ君じゃなくもう一人のリナ()だよー。


さて、危ない処を麗しい美少女エルフ様に助けられましたが……只今、お股が大惨事になってしまったので近くの川辺にいます。



『うぅっ……』



あー、泣かないのリナ君っ!


まあ、あんな美少女エルフにこんな失態を見せてしまったらこうなるか。男の子……いや、男の娘だもんねっ!



『もう、さいあくだよぉ……』



そうなるよねー。


そして、麗しい美少女エルフさんといえば、川辺に行って濡れた私達の服を洗ってくれている。最初、リナ君は何度も謝っていたが、その麗しき美少女エルフは「気にするな」と一言言うと嫌顔一切せずに服を洗っているのだ。そして今はその麗しき美少女エルフさんから借りてもらっているローブを来て座っていた。それにしてもこのローブ、地味っぽいけど中々の肌触り。


……実は結構高価な物では?



「君、大丈夫かな?」


「は、はいっ」



そう声をかけてきたのは、目の前にいるもう一人のエルフ。そのエルフさんは中性的で男か女かはわからないけど、美形な方だ。声や服も中性的なので本当にわからない。


え、何、試されているの私!


……どっち!?


リナ君はどっちだと思う?



『え!?えっと……わかんないよぉ~』



同じエルフであるリナ君でも分からないらしい。


ぶっちゃけ、リナ君と共に今を生きている私はエルフの性別なら大体一目見ればわかる、と思っていたけど……お手上げだぁ。


因みにだけど、目の前にいる中性的なエルフさんは『アル』、そして麗しき美少女エルフさんは『シキ』という名前らしい。


アルさんからローブ一枚じゃ寒いだろうと用意してくれた温かいスープを手渡ししてくれたけど……。シキさんから借りたローブ、羽織ってるだけでも十分暖かいです。いやっ、アルさんがくれたスープも美味しいよっ。



『ふぁぁ~……』



うん、そうなっちゃうよねリナ君。


このスープ、野菜スープだね。すっごく甘いの。じっくり煮込まれて、スープに野菜が溶けちゃってるし、すごく美味しい。


はぁぁぁ~……暖まるぅ。


あ、シキさん戻ってきた。



「ほら、終わったぞ」



そう差し出されたのは先程洗ってくれた私達の服である。しかも……魔法かなにかで既に乾かされていた。勿論、小さな汚れも全て落とされていて綺麗な仕上がりだ。


とりあえずリナ君はお礼を言うと、流石に目の前で着替えるのは恥ずかしかったらしく近くの岩影で着替えた。うん、まー……正直言うとあの麗しき美少女エルフ、シキさんには普通に見られちゃってるけどね。今更隠れても意味無いと思ってたり?腰を抜かしたリナ君の服を脱がされたし。あれは仕方がないと思うけどナー。



『う……うぇぇ……』



だから泣かないでよリナ(きゅん)っ!


麗しき超絶美少女に、大事な○○○○(ピンポンパポーンッ!)を見られたとしても!



『何の慰めにもならないよ……』



そんな会話をしながらも、リナ君は着替えを終え、シキさんとアルさんの元へ戻る。借りたものなので、私はリナ君にローブを簡単ではあるが、汚れない様に畳んでもらいそれをシキさんへと返した。


借りたら綺麗にして返した方がいいよねっ!一番のベストが洗濯して返すのが良いのだけど……シキさんは「構わない、気にするな」と言ってこの様な返し方になったのだ。


すると、シキさんは私達と会話をする前に何かを呼び出した。



「『コン』」


「コンコンッ!およびですかぁ~?」



シキさんの右肩辺りに現れたのは15センチ程の竹管。その竹管には、赤と白、それぞれの綱の様な紐が中央に括られている神社に祭られていそうな感じ。そしてその竹管からひょっこりとホッソリとした小さな狐が身体を半分出した状態でシキさんに話しかけたのだ。


え、ちょっ、ちょー可愛いんですけどっ!



「辺りはどうだ?」


「コンコンっ!他のモンスター達の気配はありませんね。ここ辺は結界が張られていますが……探知の様なものでしょう。アレ(・・)には気付かなかったらしいですけど」


「そうか。あとあのモンスターは?」


「コンコンッ!そちらは問題ありません。既に治療は終え、子供達がいる場所へ戻っていきました」


「そうか」



どうやらあのヤバい奴に反撃され、負傷を負ったあのゼッカルは無事だったらしい。というか、あの狐さんの「コンコンッ!」がめちゃ可愛い。


会話を終えたシキさんは、私達の方へと目を向けた。



「で、君が転生者か?」


「っ!?」



……やっぱり気付いていた。


最初にシキさんと出会った時、その宝石の様に綺麗な瞳にはリナ君だけでなく、リナ君の中にいるもう一人の私も写し出されていた様にも……いや、写し出されていたのだ。


ほんと、シキさんってなにもの?



『ど、どうしよ……もう一人のぼく』



……リナ君、代わってもいいかな?



『え?』



私が話すよ。その方がいいと思うんだ。



『……うん、わかった』



渋々ではあったが、リナ君と代わる事にする。



「ほぅ」



丁度リナ君と代わった瞬間、シキさんは少し驚いた様な声を出すのだけど、驚くのはこっちだよっ!リナ君代わったのわかっちゃってるんだもんっ!



「はじめまして、と言った方がいいですか?」


「いや、構わない。で、君が転生者か。」


「そうです。……その転生者である私に何か?」



さて、どんな返答が返ってくるか。


転生者は、ぶっちゃけヤバい存在とか言われても仕方がないだろう。


最悪、殺され……とかはないと思うけど……私は仕方がないとしてリナ君もいるしなぁ~。あー、死にたくないなぁ~。


あ、既に一回私は死んじゃってましたねっ。


そんなこんな考えてくると直ぐにシキさんからの返答があった。



「……いや、その様子なら構わないさ」


「へ?」



どゆこと?


え、何か転生者は邪魔とかなんかで封印とか、私だけをリナ君の中から消されるものと思ってたぉ。


え、ほんとにどーゆこと?



「えっと……ん?その様子って……?」


「あぁ。君は転生者でありながらも、本来の身体の持ち主の彼とよい関係そうだからな。それに……」


「?」



最後の方は聞こえなかったけど、私とリナ君は確かに仲がいい!


そうだねっ、リナ君!



『うんっ!』



ねっ?そこをシキさんに認められたんだ!……認められた?何にだろう……まっ、いっか!いいよねっ、リナ(きゅん)っ!



『へんたいさんじゃなきゃ、もっとよかったんだけどね』



あうあぅ~……。リナ君冷たいっ。そんな子に育てた覚えはありませんよっ!



『もー、だれなのさ』



こんな対話をリナ君としていると、シキさんはくすくすっと口を手に押さえていた。勿論、私達を見てだ。



「……どうしましたか?」


「ふふっ。あ、すまないな。君達二人はとても仲がよさそうで、ついな」



もー、シキさん私達のプライベート覗いちゃ、やーよっ!


まあ、実際には「何故わかるんですか?」って聞いてみたらどうやらシキさんから見てみれば、私達はバランスの良い二つの色で見えているらしい。なので、本当に私とリナ君の会話を聞いている訳ではないようだ。でも、会話をしている時はまるで二つの色が子猫がじゃれあっている様で、その様子がシキさんを思わず笑ってしまったのだろう。


リナ君は青緑で、私は白っぽい赤らしい。あれ、ピンクじゃないの?って思ったけど、ピンクよりかなり赤よりらしい。……色の名称までは私は知らないなー。



「本当にいるんだね……前世の記憶を持っている人って」


「俺も彼を含めて二人目の転生者を見たよ。」



アルは「ほへぇ~」と感心したかの様に私をマジマジと見てくる。まあ、そう思っちゃいますよね、はい。


にしてもシキの一人称は「俺」かぁ~……。


……うん。


俺っ娘、素晴らしいよねっ!


しかもエルフで、美少女だよっ!?


いやー、他のエルフの皆さんなら「私」か「僕」だから……シキさん、いいキャラしてるなぁっ!


……あれれぇ~?おっかしいなぁ~?


もし、前世の私なら何も思わなかったんだけど……うん、女の子が好きとかなかったんだけどね。


不覚にもっ、抱かれたいっと思いました!


……あ、当然、前世の私の話ですよ?


いや、今の私だけど今のこの身体全てはリナ君のだからね。



『……ポッ』



……「ポッ」?


……リナ君、まさか君。



『ふぇっ!?な、なにかな!?』



……シキさんに惚れたじゃろ?



『ふぇぇぇっ!?!?』



あ、図星だったね。


でもねー、リナ君。



「はい、シキさん」


「ありがとう、アル」



アルさんがシキさんにスープを手渡していた。これだけなら普通かもしれないけど、その雰囲気が入りがたい何かがあったんだ。


アルさんは家庭的な美少年な旦那さんで、シキさんは、仕事ができる奥さんみたいだよね。後から気付いたんだけど、シキさんとアルさんの左手の薬指には同じ指輪が……。


はい、どう見ても結婚指輪でした。ありがとーございましたー。


あ、この世界でもこういうのは同じだったんだ。


他の指はどうかわからないけども。



『……え?』



残念だね。シキさん人妻でした。


子供いるのかな?



『そう、なんだ……』



あ、リナ君。マジで落ち込んじゃってる。


でも、結婚しているから仕方がないよ。


まさかリナ君の初恋の相手が既婚者だったとは……。


それにしても、シキさんは私を含めて転生者は二人目って言ってたけど……他にもいるんだ。ま、聞かないけどねー。だって、他人の情報とか聞いても仕方がないと思うし。


さて、シキさんに『アレ』について聞いてみよう。ま、『アレ』は私達に襲い掛かってきたあのヤバい奴の事ね?


で、聞いてみると。



「悪いが、教える事は難しいな」



と返ってきた。


多分だけど別段『アレ』の正体を教えても問題はないんだろうと思う。けど、シキさんは無闇に話すことは控えている様だ。何故かは知らないけど。口止めでもされているのかな?


『アレ』について私なりに考えているとシキさんがスープを一口飲み、一息ついていた。その横でアルさんはその様子を微笑むようにしてシキさんを眺めている。


あ、そうだ。



「えっと、シキさんとアルさんは何故ここに?」


「ん?あぁ、それは……」


「『大樹の里』に向かっていたんだよ」



なるほど。


どうやら、この二人は私達が住むエルフの国、『大樹の里』に訪問に行く最中だった様だ。









【くえすちょんっ】


Q.『コン』ってモンスター?


A.はい、そうです。管狐の『コン』。基本的にサポート役としては優秀ではありますが、自ら戦うのは苦手らしいです。[箱庭]ではシキ達の家で竹管の状態で普段ほのぼのと寛いでいますね。





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