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『七大クラン』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!


『現・元『グランドマスター』!』


『お話!』


『ジュラク……?』


のどんっ!ι(`ロ´)ノ


『ジュラク』を食べ終えたレッド達一同は、食後のデザートを堪能していた。そのデザートとは、レッド……シキ特製の『ラコロン』である。念の為にあらかじめ用意していたのですぐに用意ができた。食後には丁度いいだろう。



「うまーーー!!!これおいしいよ!!!」


「うむ。これは……カラッと乾いた暑い日に、縁側で水の音を聞きながら『ラコロン(これ)』を食べると更に格別だろう」



残念ながら今は寒い時期なのだが、熱い『ジュラク』を食べ終えた後でも丁度良いみたいだ。ネメシアはほっぺが落ちそうな程の美味しそうな表情をしている。ゼンは『ラコロン』を一つ食べながら瞼を閉じて、理想とする景色を想像しながら味わっていた。これだけ好評に先程まで仏頂面であったレッドの表情も少し嬉しそうであった。やはり作った食べ物を美味しいと言ってもらえるのは素直に嬉しい。


レッドの座る膝上にはドラトスが一つ『ラコロン』を器用に手で持ってもぐもぐと食べている。一個食べ終えると「ぎゃーす♪」と喜んで一声鳴いていたのをレッドはよしよしと頭を撫でていく。ドラトスも初期に出会った頃より大分和んでいる様子だ。


シリルや葵も共に『ラコロン』を食べている中、ネメシアとゼンから軽くだが『七大クラン』について教えてもらった。


【グレートネス】・【ツーカンド】・【月光(ムーンライト)】・【アスセーナ】・【カレイジャス】・【アトラシュ】・【ユーベル】。これらが『七大クラン』の名である。上から人気順だ。


【グレートネス】は『七大クラン』のトップを誇るクランで『カグヤ』では最も所属したいクランと有名。【ツーカンド】は『七大クラン』の中で二番目に有名であり、【グレートネス】とはライバル視をしているらしい。【月光(ムーンライト)】は闇ギルドの依頼を中心としたクランで、所属するメンバーは顔を隠しているらしい。【アスセーナ】は女性のみで構成されたクランで、逆に【カレイジャス】は男性のみで構成されたクランである。【アトラシュ】は聖職者等が多く所属しているクランだ。頻繁ではないものの、他のクランから依頼され共に行動し回復や結界を張ったりして仲間を守っている役目が多い。【ユーベル】は『七大クラン』の中で最も所属人数が多いクランだ。


逆にこちらからの質問が多かったのでネメシア達からの質問も答えた。内容は殆ど前に『魔王』と戦闘した事やディーサルヌ王国であった事件について等だ。まあ、大体の事しか話していないが。勿論、エルディンテ王国、エリルレの森で遭遇し倒した『魔王』ガルディアスについての話もしている。別に隠すつもりはないからだ。そのガルディアスを目覚めさしたのは『魔王』キースなのだが、その『魔王』キースはどうやら『七天魔皇』の『ラバラス』の配下だったらしい。そして『海之神(リヴァイアサン)』の件の事を考えると、レッドだけでなくネメシアとゼンも『ラバラス』の目的について想像ができた。


それは、『七天魔皇』最強、『覇王』と打倒する事である。


『七天魔皇』最強、『覇王』を対抗する、打倒する為に太古の『魔王』ガルディアスに『海之神リヴァイアサン』を我が手中に収めようとしたのだろう。確かそんな強大な戦力があれば『覇王』に対抗できるかもしれない。


が、レッドからすればそれは『覇王』……『金剛』のみの話であって『金剛』の配下達も加われば対抗するのは難しいと思っていたりする。『覇王』である『金剛』をよく思っていない他の『七天魔皇』はいるだろう。それこそラバラスと同様、どんな手を使ってでも『覇王』を討とうと考えている者がいるのも可能性としてはある。


他の『七天魔皇』については全くといってよいほど、情報は無いのでその事についても聞こうと思っていると、どうやら外が騒がしい。


何か起こったのか?とレッド達が思っているとネメシアが言う。



「あー、多分帰ってきたんじゃないかな?彼等ー」


「あやつらか。目立つからなぁ……」


「?」


「あっちの窓から見えると思うよー」



そうネメシアと共にレッドは窓の元へ向い、見てみると冒険者ギルド総本部の開けた草原に一体のドラゴンが着地しようとしていた。そのドラゴンの後に計10匹程の戦闘のドラゴンとはまた種の異なったドラゴンが着地していく。そのモンスター達の背には誰かが乗っている。



「あの『古代龍エンシェント・ドラゴン』は【グレートネス】のリーダーのティムモンスターだよ。そしてあの『グリフォン』や『鎧鳥アーマーバード』とかはその【グレートネス】の幹部達だろうねー」


「何処かに行っていたのか?」


「探索調査さ。『雲の柱』のね」


「『雲の柱』?」



『雲の柱』とは、『テックウ』という国の領空には渓谷があるのだ。その渓谷から見上げると、まるで島の様な規模の雲の塊、濃い積乱雲が大空に存在しているのだ。何時から存在しているか不明だが形は殆ど変わらずそこで留まっているという。近くに行けば乱気流が常に発生しており、迂闊に近付くのも難しい。といっても特にそこにあるだけで被害等はなかった。よく言われるのがその『雲の柱』から『飛大竜(ワイバーン)』を見かける事から、『雲の柱』は『飛大竜(ワイバーン)』の巣ではないかと言う専門科もいるのだ。


ところでだが、何故【グレートネス】が『雲の柱』を探索調査をしていたのだろうか。


それは『雲の柱』で異常気象が起こったからである。


いつの間にかその『雲の柱』が辺りの大空を覆ってしまったのだ。しかも『雲の柱』は真っ白な雲なのだが、その時は真っ黒な雲で覆われていたらしい。目撃者の中にはその覆われた黒雲から大きな2つの影がぶつかり合い、渓谷を嵐を起こしたと証言したのだ。確かにその黒雲が覆った時には酷い嵐が渓谷を襲ったらしい。大地が抉れる程のだ。今は前の落ち着いた『雲の柱』だが、念の為に『テックウ』国から依頼されたということであったのだ。


その『雲の柱』の異常気象が起こったのは、レッドが『海之神(リヴァイアサン)』と戦闘をしていた頃の話らしい。


古代龍エンシェント・ドラゴン』達からの背から次々に降りていく【グレートネス】のメンバー達。そのリーダー、『古代龍エンシェント・ドラゴン』から降りたのは黄金の様な煌めく長い髪を持った白いコートを着た長身の男だ。腰には一本の太刀の如く長い銀色の鞘に納められた細剣を携えている。


しかし、【グレートネス】達だけではないらしく他のクランもぞろぞろと集っていく。


同じく窓からその景色を眺めていたシリルは思わず呟く。



「これは……?」


「時間的に他のクランの者達も依頼を見に着たのだろうな。依頼の更新は丁度今頃だからのぅ」



殆どの冒険者ギルドの依頼は毎日昼に更新されるのだ。大体は新しい依頼が出されるか、期限無し採取の依頼の報酬が変動するかである。それ以外には緊急としての依頼を出される位。この冒険者ギルド総本部では最も多いのが探索調査である。大体は未開の迷宮だったり、未開層の探索。その次にモンスターの討伐である。だがこのモンスターの討伐依頼で稀にあるのが、討伐対象のモンスターを依頼を受けた冒険者がティムしたという事例である。勿論、依頼の内容は討伐なので失敗ではないが、報酬が半減してしまうという事もある。本人からしてみれば報酬が貰えるだけ有り難い話なのだが。


そんなこんなで巨大な冒険者ギルド総本部へと入っていく冒険者達を『グランドマスター』の部屋の窓から眺めていたレッドであったが、その冒険者達の中に見たことのある人物を目撃してしまう。


揺らめく長い黒灰色の髪に、前髪は右目が隠れキリッとした紫色の瞳の持ち主。着るには大きくブカブカなコートを上に着ており裾はボロボロだが、その中はしっかり上下の服は露出無しで、動きやすい様になのかズボンはベルトの様な物でぴっちりと閉められている女性。


そう、奴である。


その奴はレッドの視線を感じたのかは不明だが、不意に此方へと目を向けたのだ。



「どーしたの?レッド君。いきなり拙者の背に隠れて」


「何でもない」


「……だったら何故に身体を震わせてるのかなー?」


「何でもないったら、何でもないもんっ」



レッドは一瞬にして、ネメシアの背へ隠れてあのドMからの視線をギリギリ免れる事に成功する。だが、あのドMの事を思い出すと震えが止まらないらしくレッド本人は情けなく思いながらも強がっていた。そしてそんな強がっているレッドが恐怖に怯える子供の様に一瞬ではあったがキュンッとしてしまった。まあ見た目が男装の麗人でクールな彼がこんな姿を見せたらギャップに萌えてしまうのは無理もないのだから。




~~~~~




「……!?視線を感じる……それに、この匂いは……!?!?」



冒険者ギルド総本部の前にいたシャルロットは、その視線だけでなく、あの『金色の神九尾狐』の匂いをその嗅覚で感じ取っていた。もはやバケモンである。



「シャルロット御姉様、どうされたのですーーー」


「すまないが、先に行くぞ」


「え!?」



シャルロットは同じクラン【アスセーナ】に所属する後輩冒険者から離れて急いで冒険者ギルド総本部内へと入っていく。周りの冒険者達は、何時もはクールでゆっくりとした静かなシャルロットが急いでいる様子に物珍しそうに見ていた。同じクランに所属する同僚達からも戸惑いの声が聞こえるが無視である。これが戦闘など命に関わる状況ならこんなこと絶対にしないが。



「(匂いは……上!……そうか、わかったぞっ!匂いは『グランドマスター』の方からか!?)」



何故そこまでわかってしまうのか不明である。もう神も驚かせる変態だ。そして天才なのかもしれない。うん、何処がだろうか。


そしてシャルロットは『グランドマスター』の部屋へと向かうのであった。




~~~~~




レッドはある人物に知っているのかネメシアに訪ねていた。



「シャルロット?あぁ、『静寂の戦車』だねー。彼女にはまだSSランクなる前にちょっと技を教えた記憶があるねー」


「【アスセーナ】の『静寂の戦車』シャルロット。普段は口数が少なく物静かだが、戦闘では怒涛の攻めで相手を圧倒する。同じクランに所属する者達だけでなく、他の冒険者達からも尊敬されている存在だな」



どうやらゼンが述べた事が周りからの『静寂の戦車』シャルロット、あのドMのイメージらしい。しかもネメシアやゼンだけでなく他の冒険者ギルド職員からの信頼も厚い様だ。『七大クラン』の中でもシャルロットの知名度は上位に入るらしい。


そんなイメージを持っているらしいが、レッドからすれば「そんなバカな……」という素直な感想を抱いていた。


そんな信じられない表情をしているレッドだったが、一方ドラトスは『ラコロン』を食べ終えたらしく翼でレッドの肩へ移動して「ぎゃーす」と一声鳴くとそのまま休憩していた。



「……御主人(マスター)、大丈夫?」


「何か顔色が……ん?」



従者(サーヴァント)である変装に戻したシリルと葵は絶望的な表情でネメシアの背に隠れたままのレッドに心配そうに声を掛けるのだが、何かを感じ取ったらしく葵は扉の方へと目を向けた。それは他のメンバーも同様であった。


すると徐々に慌ただしい音と声が聴こえてくる。



『シャルロットさん!?ちょっ、今グランドマスターは他の方とお話をーーー』


『そこを退いてくれ』


『シャルロット御姉様!?!?何をーーー』


『私を止めるなら今の何倍もの人数を用意すべきだったな』


『いやなにいってーーー』


『ーーーっ、止まってーーーシャルロットさぁぁあーーーん!!!』



タダダダッ!と駆け込んだ様な足音が扉向こうから近付いてきたと思った瞬間、その扉をバンッ!と勢いよく開かれた。


その扉を開いた主は、あのドMシャルロットであった。


シャルロットは直ぐにレッドへと目線を向け定めると、そのまま弾丸の如く駆け出した。



「っ!?だれーーー!?!?」


「とまれーーー!?!?」



そのレッドへ迫るシャルロットをシリルと葵が止めようとするのだが、掴んだ瞬間まるで幻だったのか(・・・・・・)、それか二人が止めようとしたシャルロットの位置がズレた(・・・)かの様に停止させるのを失敗してしまう。


シャルロットはシリルと葵の制止を意図も容易く潜り抜け、そのまま両手を広げてレッドに抱き着こうと襲い掛かった。


が、何時までも怯えているレッドではない。



「ふぎゅっ!?」



両手を広げて抱き着こうとするシャルロットの顔面を片手で鷲掴みにしたのだ。その際にシャルロットの間抜けな声が聞こえたが無視する。


それよりも驚いたのは先程シリルと葵を欺いたあの技だ。


レッドは横で状況が読めていないが、至って冷静な様子のネメシアへ問った。



「さっきの彼女の技は……?」


「あーうん。さっき言ってたけど前に拙者の技を教えたんだー。その技は『鏡花水月』。まあ簡単に説明すると己の存在を消し(・・・・・・・)、相手を混乱させる技さ。まー『あれ、お前ここにいたっけ?』みたいな感じだねー。レッド君には効果無さそうだったけどー」



SSランク冒険者『静寂の戦車』シャルロット。


意外と彼女もそうだが、その彼女に『鏡花水月』という技を教えた『グランドマスター』ネメシアの実力も中々のものだろう。






【くえすちょんっ】


Q.『鏡花水月』ってどんな能力?


A. ミアン「一言で説明するなら『自身の存在をコントロールできる』と言った方がわかりやすいかも。基本的には自分の存在を消して、いつの間にかそこにいるってのが『鏡花水月』の使い方。でも、『鏡花水月』の使い方によっては……例えば断続的に使用すれば、相手に幻を見せたり、認識をずらす事も可能だねっ!でも、この『鏡花水月』には欠点があるんだー。それは相手が気の流れを読める、つまり[気術]をある程度極めていると効果が無いんだよ。確かに『自身の存在をコントロールできる』といっても『そこには確かに居る』から気の流れとかで正確な位置を見極める事ができるんだー!」


ミアン「……ちゃっかり、ボクの次回予告コーナー無くなっちゃってるんだけど、どゆこと?」




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