★コハク
⚠後書きで、予告?報告?みたいなのがあります!
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前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!
『地球!』
『組織、新結成!』
『新たな勢力が……』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
「ねぇコハクちゃん。どうしたの?」
ある教室には何人もの少女達が共に談話をしたり、窓から見える景色を眺める者。黒板に落書きをしている者や中には居眠りをしている者もいる。
ここは『あちら』の世界に存在するとある国の学校だ。より厳密にいうのであれば、女子校である。他にも男子校だけでなく、共学も存在しているのだ。
その教室の窓際の後ろに一人の少女が心配そうに椅子に座っている幼馴染みであり、親友である白髪の少女へと声をかけていた。
心配そうにしている少女は『リナリア』。
銀色みかかった黒髪は肩まで伸ばしており、切り揃えられている。右目には泣きぼくろ。頭部からは二つの犬耳がひょっこり生えている。尻尾も心配そうにしているのだ。そう、犬の『獣人族』なのだ。制服は白色を基準とし、一年は翠、二年は蒼、三年は紅と別れているのだ。加えて女子でも、スカートだけでなくズボンも着用している者も存在している。
この教室の『リナリア』含めた女子生徒は紅の線が入っている制服。すなわち、3年生だ。『リナリア』はスカートを着用しているが、一方声を掛けられた白髪少女はズボンを着用していた。
声に反応した白髪少女は眺めていた景色からリナリアへと顔を移す。
「……あ、リナリアじゃん。どったの?」
「『どったの?』じゃないわよ。今日の『コハク』ちゃん、おかしいよ」
「ん~、そうかなぁ?」
『コハク』は腰まで伸びた白髪に頭にはひょっこり狐耳が。加えてお尻から狐の尾をコンパクトに納めている。動作が女性らしくないと思われるかもしれないが、片手で頭をかきながら特に変わった様子はないようにも見えるのだ。が、幼馴染みであり、親友であるリナリアにはわかるのだ。
……いや、意外とコハクの様子がおかしい事にクラス全員が薄々と勘づいていたのだ。
何故なら……。
「だって、コハクちゃん。授業中後半殆ど爆睡してるじゃない。それに実技でもサボったりしているのに……。最近は真面目に起きて授業を聴いてるし、それは実技も……。先生からは『コハクさん、何かあったの……?』とか『熱でもあるのかっ!』って何故か心配されてるじゃない!」
「先生等のあの反応、酷くない?」
「それはコハクちゃんの日頃の行いのせいよ……」
コハクは実はちょっとした問題児なのだ。
問題児といっても不良だとか暴れるとかそういうのではない。
授業中では大抵居眠りはしているが、課題は完璧に提出しているのだ。教師陣からしてみれば静かに寝ているので授業の邪魔はしていないが、話を聴かないのはいただけないだろう。だが、全ての授業で眠っている訳ではない。大抵誰もが眠たくなる時間。
例えば午前中の授業が1限目から4限目。午後が5限目から6限目だとしよう。
コハクは大抵朝早い1限目と昼食後の5限目に眠っている。時には延長しているのだが。
別に起こされても素直に起きるので教師陣にとっては起こす時のみめんどくさい。成績は中の上。意外と賢い。それに女子校なのか同性にモテている。因みに地球でなら中学校的な位置だ。加えてだが、地球でいうと年上である女子高校生からもモテている。
リナリアはコハクが惚けている表情をしているが、それは偽りだとわかっていた。コハクが何か隠し事や無理をしている時は隠そうとしてしまう癖がある。それが、今のコハクだ。
「コハクちゃん。最近思い詰めた顔をするから……心配なの。ねぇ、何がーーー」
「せ、センパイ!」
「あっ、『ラズリ』じゃん」
新たに現れたのは翠色の線が入った白の制服を着た『天人族』の小柄な少女。『天人族』の象徴である白い翼は広げずに折り畳んでいるので周りの邪魔にならない様にしている。
『ラズリ』と呼ばれた『天人族』の少女が着ている制服には蒼い線が入っている事から2年生だとわかるだろう。少しひ弱そうであり、オドオドとしながらもコハクがいる教室へと勇気を出して入ってきたのだ。
「センパイ、何があったんですか!?」
「……え?」
「『……え?』じゃありません!最近のセンパイ、様子がおかしいので心配で来てしまいました!」
どうやらコハクが様子がおかしい、というのは仲が良いリナリアだけでなく後輩のラズリにもわかっていた様だ。だが、様子がおかしい、というのはコハクが居眠りなしに真面目に授業を受けているという一般的に当たり前な事なのだが。
更に新たな人物が現れた。
「コハクさん!ようやく私と張り合う気になっていただけたのですわねっ!今年は『全学生総合戦』に参加しますわよね!」
ラズリの後ろから声をかけてきたのはいかにもお嬢様という雰囲気を出している金髪紅眼の美少女であった。コハクが真面目に授業を受ける事を彼女は歓喜に満ちている様子だ。
「へぇー、コハクも出んのか?そりやぁー面白そうな!」
次に現れたのは屈強で、凛々しい少女。同年であるコハクやリナリアと比べて大人びている様にも見えるだろう。
この二人の少女は、共に魅力的であり豊満な身体の持ち主でもあるのだ。彼女二人はこの女子校だけでなく他の学園からも人気のある存在である。
「あら、『ザクロ』さん。貴女も出るのですの?」
「『リーゼロッテ』か。へっ!先にてめーからつぶしてやろーか?」
「それはこちらのセリフですわ!」
リーゼロッテとザクロ。
リーゼロッテは『魔人族』の『吸血族』。ザクロは『森族』の中でも森の忍者とも呼ばれる『深森族』、又の名を『深森族』とも呼ばれている。加えて『鬼人族』でもあるのだ。
この二人はこの学園で一位二位を争う実力者とされているのだ。学内での模擬戦では全て引分け。決着が中々つかない事でも有名でもある。互いに喧嘩を売り買いしているが実際はライバルとして認めてはいるのだ。
二人は視線を火花で散らしながら今にも一戦始まりそうな雰囲気になっている。
そんな様子をコハクは苦笑いしているが、そんな二人を置いてラズリがずいっと迫った。
「センパイ、本当に大丈夫ですか?まさか、どこか具合が……」
「いや大丈夫ーーー」
「あっ!口元に米粒が……」
ラズリはコハクへと手を伸ばし、口元についた米粒を取ろうとする。先程まで昼食だったのであってもおかしくはないだろう。
……いや、何であるんだろうか。
流石に誰か気付くだろう。特にリナリアが。
実はリナリアがわざと気付かぬふりをしていたのだ。その理由は何処かのドラマチックな場面を再現してコハクの口元についた米粒を取り、それを自分が食べるという事をしたかったのだが、いざやるとなると中々恥ずかしくて出来なかった。
しかし、それを後輩であるラズリがやろうとしている。
「だっ、だめーーー!!!」
「ぐふっ!?」
「センパイ!?」
リナリアはコハクとラズリを引き離そうとするのだが、何故かコハクを突き飛ばしてしまうのであった。災難である。
そして突き飛ばされたコハクはというと、未だに顔を近付けて火花を散らしていたリーゼロッテとザクロの方へと……。
「あら!?」
「お?」
リーゼロッテとザクロがに身体を密着させる程、睨み合っていたせいか互いの胸が合わさっていたのだがそこへコハクは顔面から突っ込んでしまった。もしコハクが男だったらラッキースケベになってていただろう。
ここでコハクは素直な感想を述べる。
「すっごい柔か……このまま寝てもいい?」
「えっ!?まぁっ、わ、わたくしと一緒にですか!?そ、そんな……心の準備が……」
「あ?何言ってんだよ。コハクはあたしと寝るんだよ」
「何言ってまして!?コハクさんと一緒に寝るのはわたくしです!」
「やんのか、ゴラァ!」
「やってやりますわよ!」
何故かコハクと一緒に寝る権利を巡って戦いが勃発しそうになっている。コハクはというと二人の胸に埋めながら祝福の時を味わっていた。
「なっ!せ、センパイ!な、なら、私も!」
「ラズリちゃん!?」
ラズリは制服の胸元のボタンを開けると下着が丸見えになってしまうが、それを気にせずにコハクの顔へと押し付ける。コハクの顔には美少女三名の胸に挟まれてしまう。リナリアも『自分も!』と胸元のボタンを開けるのだが、よく考えてみればあの三人の中でコハク同様に貧しいものなのだ。いや、コハクよりかはあるだろう。『うぅっ……』とこの世の現実に悲しみながらも、直ぐに切り替えて三人からコハクを引き剥がした。そしてそのまま『むにゃむにゃ』と暢気に眠るコハクを抱き寄せるとリーゼロッテにザクロ、ラズリににっこり微笑んだ。
「もうすぐ授業が始まりますから……ね?」
「「「くっ!」」」
リナリアの完全勝利である。
こうして平和に?彼女達の学園生活は過ぎていくのであった。
授業が始まるまでリナリアへと身体を預けながら眠っていたコハクは少し寂しそうな表情を見せていた。
(姫にぃ……)
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母である柊白奈の姉である柚希の息子であり、コハクからしてみれば従兄、不知火姫希。
前にコハクは母である白奈から聞かされたのだ。姫希が行方不明だということを。
コハクにとって姫希は実の兄の様な存在であり、小さい頃から共に遊び、お風呂に入り、一緒に布団で寝た事もあった。父親は物心つく前に亡くなっている。元々父親はかなりの実力者であったが、病弱だったらしい。母の白奈が忙しい時には必ず姫希が一緒に居てくれたのだ。コハクも学園の寮で暮らす前は祖父である柊ハクが住む屋敷で母共に暮らしていたので接するのは必然であった。
コハクは姫希の背中を見て育ったといっても言いかもしれない。姫希だけでない。祖父のハクや姫希の父である雅章もだ。だからなのか少し男っぽいところが似てしまっている。そこが、同じ同性から惹かれている要因なのだろうか。
だからこそ、姫希が行方不明になった事に酷くショックを受けてしまった。母からその話を聞いた後、実家へと一時的に戻ったのだがどうやらこの世界や地球ではなく、他の異世界へ飛ばされたと祖父達の会話から聞いていた。
祖母であるソフィアからはその異世界で恋人が見つかるかも的な事を言っていたが……。
(恋人……か……)
コハクがまず思ったのが、兄である姫希を裏切ったあの女の事だ。今は姫希と同じ軍へ入隊した事を数年前に風の噂で耳にした事がある。そんな事はもうどうでも良いが、姫希に恋人が出来たとしてもあまりいい気にはならない。姫希は親しい相手でも自分の弱さというのを見せないのだ。それはコハクに対しても。本人はあの出来事をどう思っているかはわからないが、あまりいい思いでではないのは間違いない。
それよりも、コハクは姫希が無事にこの世界へ帰った後について考えていた。
(私の気が済むまで、一緒に遊んでもらおう!)
柊コハク、今年で15歳。
彼女は彼女の物語があるのだが、それはまた別のお話……。
どーも、Tkayuki 冬至です。
読者の皆様、本作品である『~他の異世界に召喚されたけど自由気ままに旅しよう~』を読んでいただきありがとうございます!
誠に申し訳ないのですが、現在は週2(火曜日・木曜日)に投稿させていただいているのですが、諸事情により『今年2月から週1』の投稿になります。
諸事情といっても、今年の4月から学生から社会人になってしまうので……(^。^;)
仕事が始まると週2は厳しいと判断したのですが……4月からどうなるのでしょうか……。
読者の皆様には迷惑をかけてしまうかもしれませんが、これからの『~他の異世界に召喚されたけど自由気ままに旅しよう~』をよろしくおねがいします!m(_ _)m
【じかいよこく~】
じかいは~……ヤンデレ、ですね~ヽ(・∀・)ノ
……暗い話になります……多分。
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