何故こうなった……?
誤字脱字の修正がまだ出来てない……。
やろうとしてるんですけど、その時に限って用事やらなんやら……。
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前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!
『変態のシャルロット』
『流石のシキも逃げちゃった……』
『また出会う可能性、も?』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
『キョウラク』の城下町、そこは人通りが多く、店なども他の国々の首都よりも大規模な場所である。恐らく規模だけなら地球の先進国にも劣らないだろう。
そんな城下町のある有名な店では辺りに老若男女問わず、その店の光景を取り巻く様に賑わっていた。
その店にはあるイベントが行われていたのだ。
店でイベントといえば、大食い大会。
「すごいわっ!?もう何杯目なのっ?」
「何てヤツだ……。あの女、とんでもねぇペースで食ってるぞ?」
「ホッホッホッ。いやはや、なんともいい食いっぷりじゃのぅ。なあばあさん」
「そうね、じいさん。それにとても美味しそうに食べてるわね……あの子。見ているだけでお腹一杯よ」
「ねーねー、おかーさんっ!あのこ、すごいよ!」
「あらっ!?ほんと。……まだ幼いのに……すごい食べるわね」
「あの二人、似てるけど……親子か?」
「え、姉弟じゃない?」
その大食い大会の中心となる人物、二人の存在が最も注目を集めていたのだ。因みに食べているのは焼かれた骨付き肉やステーキ、スープ等々のポリュームのある料理達。その二人の存在の前には開始10分程で10皿以上の大きな器が重ねられて置かれている。
そろそろ気付いているかもしれないが、その二人の存在、人物とはシキとアイリスである。二人とも母と子か、姉弟、姉妹等々と思われているが残念ながら父と娘。
だが、そんな事を気にせずに二人は美味しそうに前に置かれた料理の量を確実に減らしていく。そのスピードは非常に速いのだが、二人にとっては大食い大会なので速めに食べているだけである。他の出場者はシキとアイリスを含めて20名は越えていた。シキとアイリスがいるのは端の方で隣同士。二人は『美味しいね~』『うんっ!』といった会話を交えながら食べているのだ。出場者には二人と同じくらいのペースで食べる巨漢の男や冒険者、ギルド職員等々いるのだ。
その様子を近くにいたシリルと葵が。そしてその二人に守られる様にマシロは美味しそうに料理を食べているアイリスを見ながら見惚れる様に頬を染めていた。
シリルはその様子を見てポツリと呟く。
「……どうしてこうなったんだっけ?」
「……さあ?」
「はわぁぁ……アイリス、しあわせそうなの……」
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「えっ、御主人様に弟子がいるんですか?」
『キョウラク』の城下町の街並みを共に歩んできた葵は驚いた表情をしていた。少しシキが所属している組織について話していたのだが、ふと『真序列』1位である『深淵』、つまりシキが居なければ他の『真序列』や『序列』達は大丈夫なのかという事を聞いたのだ。何故大丈夫かと、質問したのかは組織の話の中で女神メデューサが話していた『シキに頼りすぎ』という発言からだ。
元々、『深淵』には部下が居ないという話は聞いていたがそこからシキ本人から自分に弟子がいる事を言う。
確かに部下はいないとは言ったが、弟子は居ないとは言っていない。
さて、何故『深淵』に弟子がいるのか。
「主戦力だったかつての『真序列』達を失ったからな。『真序列』1位『深淵』としてやらなきゃいけなかったし……。まっ、この世界に来てから弟子達を育てておいてよかったと思ってるよ」
「どれ程の弟子を取ったんですか?」
シリルは主であるシキと同じ従者である葵から地球については話に聞いているのだが、真っ先に思ったのがシキの弟子がどれだけいるかだった。
「うん?あぁ、えっと~……俺は基本日本にいたから男女2人かな。他にもいたんだけど、総本部長や他の国々の本部で本部長に鍛えられたり、側近だったりしてるんじゃない?因みに実力は……うん、葵とシリルなら互角……かな?」
何故二人だけなのかは、シキが言う通り基本は日本勤務だったからだ。その二人は日本人なのだが、他にも各国から何十名程弟子はいた。だが、日本だけということは出来ないので各国の本部長の元で訓練されている。時にはシキ自身がその各国の本部に赴いて指導したりする事もあるのだ。
シキ曰く、『真序列』1位の『深淵』と総本部長、本部長によって鍛えられた弟子達の中には『深淵』を除く今の『真序列』よりも凌いでいる。
ここで疑問に思うかもしれないが、何故今の『真序列』達を鍛えないのかと思うだろう。別に何もしていない訳ではないのだ。しかし、今の『真序列』達も職務があるというのもあり、時間が無いというのもある。それよりも『真序列』の中には未だ天狗になって『深淵』の指導など受ける気が無いという者もいるのだ。何度か説得しても無駄だったので仕方がないだろう。
話は戻るが、シキが担当した二人の弟子の実力は葵とシリルと互角レベルだろうと考えている。葵とシリルは今日までに毎日地獄の自習特訓等しているのでかなりの実力を有している。これはシキがほぼ一日中ついているのでこの様な結果になったのだ。弟子二人の特訓等は毎日ではないし、シキ自身も勉学があるので仕方がないのだが。
口には出さないのだが、葵とシリルはまだまだ成長していくので、遠からずその弟子達も越えるのではないかと思っている。何故ならシキだけでなく、ラヴィやクリムもいるからだ。シキだけでなく他の者からの指導もあるのだから様々な経験をしているのは間違いない。正直な話、純粋な力比べならの話である。手段によっては様々な経験を積んだ葵とシリルが圧倒的に有利である。
指導してもらっているのはシキやラヴィ、クリムだけではない。
[箱庭]に存在する、強者共。
例えば、雪が降る大地に君臨する大きな薙刀を扱う白兎。
例えば、森林に住まい自然を愛する優しき魔術を扱う大鹿。
例えば、荒れ地と砂漠の様な場所で瞑想している武道家の更格廬。
例えば、火山で熔岩と共に燃え盛る陰陽術を使う火の鳥。
例えば、湖の中を悠々と泳ぐ安らぎと静寂を与える鯱。
彼等はあくまで[箱庭]のそれぞれの大地の守護者であり、そこから離れる事はまず無い。他にも空の守護者である巨大な鶏ココも上げられる。
そんな話を聞いた葵とシリルは新たな決意を胸にする。
「もっと……強くならないとねっ、シリル!」
「そうだねっ、葵!」
「?」
「なの?」
どうやら負けてられないと感じた二人はやる気に満ちている。従者として心強い。実際に従者としてはほぼ完璧といって良い程こなしているのだ。
そんな新たな決意を胸にしていた二人をシキと一緒に仲良く手を繋いでいたアイリスとマシロは『どうしたの?』といった感じで顔を向けていた。
シキはその弟子二人を思い浮かべながら言う。
「まあ、あの二人なら組織は大丈夫だろうね。それに、俺が不在だから軍からも何人か派遣されると思うし」
一人は天然パーマな気怠けな、そして下品な発言をする女性。もう一人は影が薄く目立つのを嫌いながらも何だかんだいいつつしっかりしていて仲間を守る男性。癖が強かったりする二人ではあるが、それに軍からの派遣される者も居れば安心だ。
そんな中、葵は先程聞いていた変態の女性……ではなく、ある三人の子供達についてシキに言う。
「でも、いいんですか?その『原点』達を……」
「……『ティム』しちゃってるからね。ほんと、外に行きたいって言い出して何処かに行ったらと思ったら……はぁ……。まあ『原点』が選んだ道だから口出しとかする気はないよ。これは『原点』が進む新たな人生なんだから」
「御主人様がそういうならいいですけど……。でも、危険じゃないですか?ヒュギエイア様も仰ってましたけど、『原点』の存在は珍しい。そんな彼等を狙う者も……」
「確かにそうだね。確かに存在は珍しいけど、ただそれだけなんだよ。でも、自ら守る術は持っているさ。それに……」
「それに?」
「……もし、あの三人の子供達が強くなりたい、守りたいと強く願うなら『原点』は応えるだろうね」
この事は『原点』達もわかっているだろう。
何時何処でもシキが助けてくれる保証は無いと。
だが、『原点』には『超越者の加護』だけでなく、『女神ヘスティアの加護』、『女神ヒュギエイアの加護』、『女神エイレイテュイアの加護』、『女神矢乃波波木の加護』もある。これは、他の神々から狙われない様にする為の保険でもあるのだ。残念ながら特別な力を与える等は一切無い。簡単に説明するなら目印だ。
万が一、この世界の神々が何かすれば敵対行為と見なされてしまうのはわかるだろう。
正直、三体の『原点』をあの子供達に託す時は寂しくもあった。そう、まるで子供が独り立ちしたかの様な親の心境にも似ているかもしれない。だが、これはある意味いい経験となるかもしれないし、運命なのかもしれないとシキは思った。そもそも運命は本当にあるのかと問われれば難しいが、この世界中の数多くの人から三体の『原点』はあの三人の子供と出会えたのは運命ではないだろうか。
運命とは善悪の関係は無い。
出会えたというその偶然こそが、運命なのだと。
既に女神ヘスティア達にはその内容を全て報告している。最初は驚いていたが、この世界の神々が簡単に手を出させない様に『原点』だけでなく、その三人の子供にも『超越者の加護』を与えているのだ。本人達も気付かないだろうし、恐らく一生気付く事もないだろう。
もしの話だが『原点』達を連れ帰ろうとするならあの三体の『原点』との繋がりである主を消さなければならない。
それは即ち、あの三人の子供達を殺めなければならないのだ。
これにはかなりのリスクがある。それは、もし主が死ねば『ティムモンスター』の中には共に死ぬことを選ぶ場合もある。恐らくだが、もしあの時あの子供達を殺めようとすれば負けると解っていてもあの三体の『原点』は自らを犠牲にするだろう。あの三人の子供が死ねば共に死を選ぶかもしれない。
シキもこの様な選択は端から無いし、あの『原点』達が受け入れたのなら仕方がない。『原点』は純粋で、人の感情には敏感だ。よく自分の感情を押し込んで全く表に出さない相手にはなつくことはない。単なる正義感があっても、だ。結局は『原点』の個性や相性である。
すると、葵は自身の身体に眠る存在が寂しそうに、だが祝福する様な反応を示していた。それは本人でしかわからない。
「……寂しがっているかい?」
「そうですね。でも、御主人様。『この子』も同じく主を見つけられた事を祝福していますよ」
葵が言う『この子』はあの三体の『原点』と同じ『原点』。何故葵の身体に『原点』がいるのかは理由がある。
それは偶然であったが、前に葵になついていた鉛色の『原点』はある時に葵の『ある武器』と同化してしまったのだ。それは葵の力になろうとして、神話や伝説に描かれる古風の武器ではなく現代的な武器なのだが、それは聖剣やら魔剣等の力を宿していた。だからこそ感じるのだろう。かつて共に遊び、過ごした同胞が新たな道へ進んだ事に寂しさを覚えながらも応援しているのだ。
「そうか……」
葵の答えにシキはそう言った。
その他に会話をしながら歩いていくと、食事で賑わう広場へと到着する。人々は賑わっているが、それよりもこの広場が広い為に人同士が渋滞する事は無さそうである。しかし、辺りから漂う料理の香りは今この時間帯にとっては人々のお腹を掴むのに十分だ。
すると、シキは気持ちを切り替えるかの様にアイリスとマシロ、葵、シリルに向けて可愛らしい笑顔を向ける。
「さてっ!じゃぁ、もう御昼だしご飯食べようかっ」
その笑顔に誰もがどきっ、とときめいてしまうのだがそんなのお構い無しに近くにある看板に気が付いた。
「あっ、『大食い大会』だって!行ってみよっか?」
「うんっ!」
「いくの~!」
本当に三人姉妹なのかと思われても仕方がないその希に見せる子供の様にはしゃぐシキ。アイリスとマシロも一緒に行こうとするのだが、シキは葵とシリルの片手を持ち、少し強引ではあるがそれが頼もしく思える程引っ張っていく。空いた手にはアイリスとマシロが楽しそうに手を握っている。
「ほらっ、二人も行こ!」
「はいっ、御主人様っ!」
「わかったよ、御主人!」
「たのしみー!」
「なのー!」
ミアン「やっほ~!毎度お馴染みっ、影の女王スカアハの息子ミアンだよぉ~!」
ミアン「さてさてっ、シキさん達は『キョウラク』についたみたいだね!」
ミアン「大食い大会へ、といいたいところだけど……その前に地球の話があるみたいだね!」
ミアン「まあ、今回の話で大体はわかるかな?」
ミアン「次回もお楽しみねっ、あでゅー☆」
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