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新たな契約獣……☆動き出す復讐者

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

前回のあらすじぃぃぃぃぃぃい!!!


『主人公について+雑談!』


のどんっ!ι(`ロ´)ノ



そのかつての乱入者は目の前にいる存在に脅威を感じていた。


先程まで『戒めの間』と呼ばれる辺りが真っ暗で何も無い空間。加えてかつて悠々と暮らしていた宇宙よりも静かで何も音が無い。何にもない。今まであんな風に圧倒的に敗北し、相手にもされなかった。最後の決めてはこの空間。


何も感じない。


何も聞こえない。


辺りは全て闇黒だ。


嗚呼、これほどの地獄はあるだろうか。


身体を動かしても何も感じないので、今自分がどうなっているのかもわからない。あの者が生み出した空間とはいえ、恐ろしいと感じていた。


どれだけ時が経ったか。


それすらも解らない時、突如乱入者をこの『戒めの間』へ封印したシキが現れたのだ。この闇黒が広がる空間にただ、一つの光の様に現れた。それは乱入者にとって救われる様な光でもあったのだ。髪の色や服装等は違うがこの場に来るのはあの者しかいない。


しかし、シキは仏頂面な面持ちで乱入者をその瞳に捉えていた。


その姿を見た乱入者は、これから自分の未来を察してしまう。


ここで、あの者に消されるのだと。



『……まだ、やる気か?』



頭の中に直接呼び掛けられる。これは『念話』なのだろう。しかし、彼が言う『まだ、やる気』とはどういう事なのだろうかと思ったが今気付く。


本能的に乱入者は、シキに対して威嚇をしていたのだ。



『無理も無いと思うけど……。本当ならここで敵対する気が無ければ直ぐにでもここから出して帰って貰おうと思ってたんだ。けど、まだ敵対するなら……』



その瞬間、身体中に何処から現れたのか幾つもの鎖によって完全に捕らえられてしまう。やっと身体の感覚が戻ったのだがこうも身動きが取れないのは逃げるのも不可能だ。いや、もうこの空間に閉じ込められた時から自身の命はシキに握られている。どうあがこうと無意味だ。



『覚悟しろよ?』



乱入者は思った。


ここで死ぬ、と。


ただ死ぬのではない。どんな手段かは解らないが簡単に殺す事はまず無いだろう。嗚呼、恐ろしい。


シキの足音が近付く中、乱入者は恐怖によって絶望しながら殺されてしまうのだと……。


















そう思っていた時期もありました。



「うんしょ、うんしょ、っと……」



現在、シキは鎖で固定した乱入者の身体をゴシゴシと拭いていた。今いる場所は『戒めの間』ではなく、シキが住まう楽園の[箱庭]である。川辺の草原にいるのだが、辺りには乱入者がいるにも関わらず草食動物達が川の水を飲んでたり、日向ごっこをしたり等ほのぼのとしていたのだ。


これに困惑したのはやはり乱入者である。


何せ身体を洗われ、綺麗に拭かれている中、目の前には鶩の親子が列を作って横切っている。ここで威嚇やら吠えたりしたらいいのかもしれないが、それをシキが許さないだろう。だが、乱入者はその鶩の親子、特に親の方は何故か身構えてしまうのだ。何処からどう見ても普通の鶩なのに。


何故こうなってしまったのかと、乱入者は先程のやり取りを思い返していた。



『……ん?お前、身体汚れてるな。よし、洗うか』



というシキが言い出したのが切っ掛けであった。


『水は大丈夫か?』や『暴れても困るから鎖で拘束するのは許して』等々色々心配をしながらこの川辺まで運ばれたのだ。運ばれたといっても一瞬ではあったが。


シキは先程心配していた様に身体を水で濡らしても大丈夫かと聞かれたので問題ないと反応をしめしたのだが、本当に身体を洗われるとは思わなかった。しかもシキとの戦いで傷付いた片翼を治療してくれた。



ーーー■■■■……。



乱入者はこのほのぼのとした[箱庭]の景色を見ながら思う。


何とものどかな場所だと。



『これ、食べれるか?』



洗い終わって、いつの間にかシキは紅い果実を幾つか持ってきていた。その赤い果実は地肉の様な紅々としており、ふっくらと膨らんだ物だ。表面からは果汁なのかルビーの様なキラキラと、そして透明感のある液体が少し流れている。恐らくこの[箱庭]に生息する果実なのだろうか。甘い香りが乱入者の嗅覚を刺激し、口から唾液が溢れる様な感覚がある。


嗚呼、それは実に美味そうだ。



『そうか。なら、ゆっくり食えよ』



そう口元まで差し出された果実を乱入者は恐る恐るそれを一つくわえて口へと含んだ。



ーーー■■!



本来なら食事など不要ではあるのだが、久々に食した事、そしてその紅い果実の美味しさに驚いてしまう。濃厚な甘さに後からピリッとした微かに刺激のある辛さが癖になってしまいそうだ。美味しそうに頬張る乱入者を見ていたシキは微笑ましそうにその様子を眺めていた。



『ふふっ。美味しそうで何よりだ。……うん、いいかな』



そうシキは考えると、乱入者を拘束していた幾つもの鎖が解除されるのだ。何故鎖を解かれたのかは解らないが身体を起き上がらせると特に何をする訳でもなくシキを見ていた。



ーーー■■■?


『何故拘束を解いたかって?まあ、今のお前なら大丈夫かなって思ったんだよ。その翼の傷が癒えるまで[箱庭(ここ)]にいといてもいいよ』



そう思念で乱入者へと飛ばすとそのまま何処かへ行こうとする。乱入者は困惑していたのだが、その後ろ姿を見て思う。


乱入者()は何時も一人だった。


宇宙でも、降り立った惑星でも。


自分と同じ様な存在と出会っても殺し合うだけ。


寂しいという感情は無かった。無かった筈だ。


しかし、何故自分はこう、シキという存在に心惹かれているのだろうか。いや、シキという存在が何とも面白そうだとも思ったのだ。それにこの[箱庭(世界)]は心地好い。嗚呼、大好きだ。今まで戦いにしかしなかった自分が言うのもなんだが、このほのぼのとした空間で静かに暮らすのもいいのかもしれない。



ーーー■■■……。


『……?どうした』



そう思っていたらいつの間にかシキの服を引き留める様に甘噛みをしていた。いきなりの行動にシキは不思議そうな表情をしてしまう。身体を向けると乱入者は頭をシキのお腹に擦り寄せる様に、まるでなついたかの様にしていると流石にシキも察する。



『まさか、仲間に……なりたい、とか?』


ーーー■■■!



仲間になる事に同意する様に頷く乱入者。


こんな風になるとは思っていなかったシキであったが、まさか自分が善意をした事にこうも簡単に仲間になると言うのはどうかと思っていたりする。



ーーー■■■?


『あ、いや。何でもない。仲間になるのは問題ないが……うん、俺と『契約』するか?』


ーーー■?……■■■!



どうやら契約する事に同意した様だ。まあ、契約する理由としてはこの乱入者は[箱庭]にとってまだ新参者、そして下手すれば敵だと勘違いした他の動物やモンスター達に襲われる心配があった為だ。契約すれば乱入者はシキの仲間である事は証明される。



『……本当にいいのか?』


ーーー■■■!■■■!


『あぁ、わかった。じゃ、契約を始めよう』



そう言うとシキと乱入者を取り囲む様に虹色の魔方陣が出現する。その魔方陣が描かれた線から様々な色の糸が両者を包み込んだ。そんな中、シキは乱入者へと問う。



『お前、名前は?』


ーーー■?■■■……。


『そうか。なら……お前の名は『ドラトス』だ。どうだ?』


ーーー■■■!!!


『気に入ってくれたか。これから宜しく頼むぞ、『ドラトス』』



こうして、シキに新たな『契約モンスター』が追加される。


謎の生命体(アンノウン)』、名を『ドラトス』。


この存在はシキ達にとっても大きな力となるだろう。




~~~~~




ビルの一つ一つに夜にも関わらず眩い光を放つ地球、日本の大都市。


一番見晴らしの良い最も高い場所に一人の人物が見下ろしていた。


その人物とは、コスプレの様な軍服を身に纏い腰には日本刀を携え、背中には長く大きな銃を担いでいた。本来なら銃刀法違反ではあるが、彼女はそんな事を気にしない。



「ここが……東京……」



物騒な武器を二つ保有する女子高校生。何故女子高校生かとわかるのかというと、軍服の下から見えるのは黒のセーラー服から学生であるのは間違いない。加えて彼女自身の容姿からも大人びてはいるが高校生位には見えるだろう。


彼女の名は高頭夕佳里。


アニメ(架空)のキャラクター』でありながら、この世に顕現した不思議な存在だ。


見下ろす先には建造物や信号に街灯等々。そしてその場を通る通行人達。その数は数えきれない程だ。流石は日本の首都といったところだろうか。


しかし、彼女はそんなものを見る為にこの場に来たのではない。



「有象無象が……」



夕佳里は『架空を現実にアエリアルリアリティー』を発動する。


架空から生み出すのは、大規模な威力を持つであろう武器。所謂大量殺戮兵器だ。彼女にとって、誰も自分達を救おうとしない世界に復讐をしようとしていたのだ。いや、もう既に正常な判断は出来ていない。愛する者が傷つけられたら誰もが正常な判断が出来ないだろう。傷つけた相手を恨むも復讐しようと考えるのも無理はない。



「[リンク大戦]、軍が使用する『爆裂弾』。これ一つでこの都市はどうなるかな?」



手に手榴弾より大きめで丸々としたシルエットの『爆裂弾』を実現させて掴むと人が多く蔓延る場所に向けて大きく振りかぶり投げようとする。


が、それと同時に後方に何かの気配を察知したのだ。振り向くと丁度、夕佳里がいる場所に何者かが着地した。


その人物とは、黒スーツ姿の長身の女性だ。年齢は10代後半から20代前半位だろうか。整った顔立ちに白い肌に身長は180㎝を越え、黒髪はポニーテールにしている。



「何者だ」


「そうですね。『風刄(ふうじん)』、とでも言っておきましょうか」


「ほう。で、その『風刄(ふうじん)』さんが何か御用で?」


「えぇ。ここら辺に不思議な魔力の流れを感知しましてね。いざ着てみれば……」


「……まりょく?」


「それはいいでしょう。で、貴女、今何をしようとしていましたか?」



『風刄』の目線は夕佳里の手に持つ『爆裂弾』へと向ける。その『爆裂弾』を見て『風刄』は危険な物だと理解した。



「貴様には関係だろう。そこで黙って見ておけば……」


「そうはいきません」


「!?」



風刄(ふうじん)』の右手にはいつの間にか一振りの日本刀が握られていた。その日本刀は毒々しい紫色の柄から伸びる薄紫の刀身には恐ろしいと感じるのと同時に美しいと見惚れる芸術性にも高い。それを見た夕佳里は瞬時にヤバいものだと感じ取ると、背負っていた大型長銃『ディテカル・テ・モルテ』を片手で持ち、そして『風刄』に向けて発砲する。


しかしーーー。



「ふっーーー!」


「なっ!?」



弾丸を斬ったのだ。


その一閃は、同じ剣術を知る夕佳里も驚きを隠せない程の実力だったのだ。だが、それくらいなら夕佳里でも出来るだろう。しかし、夕佳里が最も驚いたのは『風刄』が持つ太刀だ。ただの日本刀ではない。あれは。あれはーーー。



「妖刀、か!」



名前だけならわかる。そして自然とそれが妖刀なのもわかったのだ。あれに斬られれば不味い。しかし、『風刄』の剣戟は夕佳里へと迫ろうとしていた。腰に携えた自らの日本刀を抜刀すると迫る妖刀の軌道をズラしてそのまま後ろへと回避する。



「っ!」


「シッ!」



夕佳里はズラした瞬間に腹部に向けて横へ斬ろうとする。『風刄』は驚いた表情を見せる。だが、焦った表情を見せずにそのまま迫る日本刀を受け入れる様に防御の姿勢はない。しかし、何にもしていない訳ではない。



ーーーブゥゥウン!!!


「なにっ!?」



斬りつけようとした日本刀が、何か見えない壁によって阻まれてしまう。直ぐ様、手に持つ『爆裂弾』を『風刄』に向けて投擲したのだが、当たる直前に独りでに止まってしまう。そして独りでに止まった『爆裂弾』は見えない何かに包まれると圧縮されてて爆発する。しかし、爆発は最小限に抑えられており被害は全く出ていない。



「(どんな手を使って……)」


「覚悟!」


「くっ!?」



流石にこの状況は不味いと思った夕佳里は『架空を現実にアエリアルリアリティー』で生み出した数本の短剣を投擲する。しかしそれを『風刄』は妖刀『村正』で弾き飛ばしていく。



「ーーーっ!(離脱するか!)」


「逃がしません!」



逃げようとする夕佳里を『風刄』は逃がすまいと追撃しようとするが、幾つもの短剣が投擲されてしまう。それを斬り落とすのだが、その一瞬の隙を突いてまんまと逃げられてしまった。



「……く、油断していた訳では無いのてすけどね」



標的を見失った『風刄』だったが、後から左腕の痛みに眉をひそめてしまう。その左腕には夕佳里が投擲した短剣が一本、深々と刺さっていたのだ。それを引抜き、一人で止血したのたが抜いた短剣は形状を保てなくなったのか。それとも役目を終えたのか消滅してしまうのであった。



「あの少女。どんな能力かは不明ですが……。かなりの脅威ですね。今から本部に報告しましょうか」



そう言いながら『風刄』鈴宮(すずみや)(かえで)は夜の都市へと消えていくのであった。













ミアン「やっほ~!毎度お馴染みっ、影の女王スカアハの息子ミアンだよぉ~!」


ミアン「いきなりだけど、日本刀ってかっこいいよね!あの美しいシルエットがなんとも……いいよねぇ~。」


ミアン「ま、ボクは基本槍しか使わないけど、今度日本神の誰かに頼んで教えてもらおうかな?」


ミアン「あ、お母様も知ってるか聞いてみるね!」


ミアン「さて、次回予告だよ!」


ミアン「次回、『倭国カグヤ』だよ!やっと到着したんだ!よかったね!」


ミアン「じゃあ、次回もお楽しみねっ、あでゅー☆」



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