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ユキと金剛

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

前回のあらすじぃぃぃぃぃぃい!!!


『勇者!』


『大犯罪者!』


『死んでも迷惑をかけるって……(。´Д⊂)』


のどんっ!ι(`ロ´)ノ



話を終え、元奴隷の少女達はシルファに連れられて船内へと戻っている。八つ当たりにユキにこれまでの怒りをぶつけた少女は落ち着きを取り戻すと「ごめんなさい」と頭を下げて去っていった。彼女も正気では無かったのだ。


彼女達は『七天魔皇』の『覇王』、その幹部である『魔王』シルファ・・ニューレストの庇護の元で彼女の部下として生きている。本来なら元の生活をしてもいいのだが、賊でありながらも今の生活で満足しているらしい。実は『カグヤ』へ彼女達を送ろうかと考えていたらしいのだが、『勇者』達もそこへ行く事を察したらしく無理だと考えた様だ。


本当なら責任を持って故郷か、雇われる予定だった貴族の元へと送ればいいのだが彼女達は『勇者』だけでなく異世界人でもあるユキにも拒絶反応を出している。因みに『金剛』達に関しては色々とお世話になっているらしく話せる位は可能らしい。同じこの世界の住人であるシルファ位しか彼女達の面倒を見れないようだ。



「はぁ……」



ユキは唯唯溜め息をつくしかなかった。


まさか『勇者』の一人、ユウヘイ・ウラサキが大犯罪を犯しているのは思いもよらなかったのだ。正直、庇いきれる事は出来ない。『勇者』が大犯罪を犯したことを。


ユキは、この件を空海艇にいる『勇者』達に話そうと考えているが本人達が納得するか不安であった。朝比奈達でも信じられないと考えている。だが、



「本当に……どうする……」


「おぃ」



悩んでいると前にいる『金剛』が面倒臭そうな表情をしながらユキを見る。先程の話は『金剛』も知っていた様だ。しかし、賊でありながらも『勇者』ユウヘイ・ウラサキが行った事を許してはいないだろう。


『金剛』は海賊の頭だ。


しかし、他の海賊と比べて『金剛』達はかなり変わっている(・・・・・・・・・)


元奴隷の少女達を庇護している時点でわかるだろう。


簡単に説明するならば『金剛()』は虐げられる者の味方である。



「何ですか、『金剛』」


「なんで、てめぇが頭を下げるんだぁ?」


「罪を犯した者は既に死んでいます。だから……」


「だから代わりに自分が、ってかぁ?……まさかぁ、また『勇者』の誰ががぁ問題を起これば……」


「いいえ、今回だけですよ。同郷だからといって何でもかんでも尻拭いをする気はありません」


「……ふんっ。おれぁ、今すぐにでも空海艇(そこ)にいる『勇者』共を消した方がいいと思うんだがなぁ?」


「……それをさせるとお思いで?」



『金剛』の発言にユキは睨み付ける。それは殺気はより鋭く、押し潰されてしまいそうな程のもの。しかし『金剛』は顔色を変えずにユキを眺めていた。


ユキは何処からともなく片手に『変形武器トランス・ウェポン』を手に持っていた。凸凹のある長い棒状の『変形武器トランス・ウェポン』はグニャリと歪むとある武器へと変化していく。


"薙刀(グレイブ)"


ユキの身の丈よりも少し長い日本風の薙刀へと変形させると身体中から威嚇なのか若干の冷気と氷の結晶が出現する。しかし、それはユキにとってみれば単なる威嚇なので『金剛』はそれほど対した事ではないとわかっていた。だが、対抗する様に身体中からバチバチと電気を帯びていく。


ここで黙って見ていたラヴィは二人にここですべき事があるので止める。



「両者やめよっ、話し合いをするのだろう」



ユキは薙刀と冷気を、『金剛』も電気を納めた。


丁度納めた時にシルファも帰ってきており、その雰囲気から二人が衝突しそうだった事にゾッとしてしまう。まあ、ラヴィは念のために声をかけていただけで、別に二人とも戦う事は無かったのだが。



「『金剛』、何故貴方がこの世界に?」



先に発したのはユキだった。


ユキの質問に『金剛』は座りながら言う。



「『時空の歪み』だなぁ、あれは」


「やはり、ですか」



『金剛』の答えにユキとラヴィは別段驚きはしなかった。いや、大体はそうだろうと予想はしていたのだ。



「おれのこたぁ、てめぇもしってんだろぉ?」


「えぇ。『あちら』の世界から地球へと侵略したが、軍と≪WAO≫によって船ごと海の藻屑へと消え去った、と」


「まぁ、ありゃぁ軍だけだったんだがなぁ。あの時ぁ、死んだと思っていたが……いつの間にかこの世界にいたんだよなぁ」


「なるほど……。因みにですが、元の世界への帰り方……ご存じですか?」


「わかぁってたらなぁ、既にかえってるだろぉがぁ」


「まあ、そうですよね……」



元の世界への帰還の情報は得られそうに無いだろう。


ここでユキはまたある質問をする。



「さっきのあの船は何ですか。それに、貴方達は……」


「あぁ、ありやぁ……『七天魔皇』ってわかるかぁ?」


「えぇ、まあ」


「ならぁ、話ははえぇ。その『七天魔皇』って奴の傘下だぁ。まあ、あいつらはぁ中々の悪党でなぁ。そいつらぁ『カグヤ』の何処かにいる筈だぁ。他にも同じ『七天魔皇』の奴ももう一人いるのさぁ。そいつらぁ二人がなぁ、前々から組織を作って何か企んでやがるぅ。近々、戦争が起こるかもしんねぇんだぁ、『カグヤ』でなぁ」


「ッ!」



それは初耳であったユキは一瞬目を細めてしまう。


『七天魔皇』といえば、名前を忘れたがリヴァイアサンを襲った相手だ。まあ、話にならなかったのだが。


正直、あまりいい者では無いとユキの考えていた。



「……『金剛』、何故貴方がその事を?それに何故貴方が止めようとしている」


「あぁ?そりやぁ……おれがぁ『七天魔皇』の一人だからさぁ」



その事にユキは手に持つ『変形武器(トランス・ウエポン)』である薙刀(グレイブ)に力が入る。まさか『金剛』が『七天魔皇』だとは予想はしなかった。


そんな様子を見たシルファは『金剛』が何故、『七天魔皇』になったのかを話す。



「頭はのぅ、他の『七天魔皇(やつ)』等を押さえる為に『七天魔皇』の中で最強の『覇王』として君臨しておるのじゃっ!もし、頭がいなければ他の『七天魔皇』達は好き勝手に暴れておったのじゃぞ」


「……なるほど。『七天魔皇()』等に対する抑止力、ということですか。だからこそ、その『七天魔皇』の二人が起こす可能性のある争いを止めよう、と」



シルファの説明によりユキは握る手に力を弱め、納得する。シルファからの更なる説明では、『金剛』が現れる……『七天魔皇』の『覇王』が現れる前まではそれぞれが配下である『魔王』達を各地に土地の派遣争いをしていたらしい。時には『七天魔皇』同士が衝突する事もあったようだ。


人間達からしてみれば『七天魔皇』も『魔王』も同じ『魔王』として分類されている。かなり大きな争いだった様だ。人間側も現地の『勇者』やその他の実力者によって対抗していたらしい。


だが、『七天魔皇』の『覇王』である『金剛』が現れた事により他の『七天魔皇』達の勢いが収まったのだ。当時の『七天魔皇』の中には『覇王』、『金剛』の事を良いようには思わない者達がいたらしい。『七天魔皇』である者四名が手を組んで『覇王』に挑んだ事があったのだ。結果は、『覇王』の圧勝であった。


その結果に他の『七天魔皇』達は『覇王』を恐れて好き勝手出来なくなった、ということだ。


悪名高い『魔王』や人間だけでなく他の種族に害する『魔王』も昔は多く存在したが『覇王』によって殲滅、消滅されている。この話を聞いてぶっちゃけ『金剛(かれ)』が『勇者』じゃないかと思ってしまう。それほど影ながら貢献しているのだ。シルファはこの世界の住人だが、昔、異世界から召喚された『勇者』達にあらぬ噂を流され、吸血鬼は殺さなければならない対象にされてしまった。確かに吸血鬼は血は必要ではあるがほんの少しでいいのだ。たまに蚊が吸う程度。だが、異世界から召喚された『勇者』達に血を全て吸われ干からびてしまう、噛まれればゾンビになる、と。その為にシルファは訳のわからない『勇者』達を恐れて逃走するのだが、『勇者』達に襲われ、犯されそうになったらしい。そんな時に『金剛』に助けられた、ということだ。その時の『勇者』達は召喚された国で好き勝手やっていたらしくその国は『勇者』のお陰で滅んだらしい。『金剛』はシルファを助け、その『勇者』達を相手にする事はしなかった様だ。



「……本当に申し訳ありません……」


「いや、お主等が謝らんでもよい。……じゃが……『勇者』達は本当にろくな奴はおらんな。国や種族によってはいせかいの『勇者』を災厄の象徴と認識されておるからのぅ。まあ、実際はそうなんじゃが……」



前回の『勇者』達がユウヘイ・ウラサキに劣らず愚かな事をしていた事を聞かされて怒りを通り越して呆れてしまうユキ。だがシルファも大変辛い思いをしたのでもう謝ることしかなかった。


その当時の『勇者』達がどうなったかは知らないらしい。



「……お主、『勇者』達がどうこうしても知らんぷりすればよいと思うのじゃが」


「そうしたいですよ……あはは……本当もぅ……」



ユキはもう限界であった。『勇者』達の事で。



「(流石は頭が認める者じゃ。しっかりしておる)」



シルファは内心ユキに対して好評価をしていた。頭である『金剛』が認める実力者であり、責任感のある者なのだ。『勇者』達とは明らかに違う存在。まあ、シルファも全ての『勇者』が悪い存在ではないのはわかってはいるが好かない。だが、ユキはまだ大丈夫だ。だからといって気を許す気は更々ないが。


するとユキは顔を横に振って『金剛』へと目を向く。



「話は変わりますが……何故、空海艇(こちら)に攻撃したのでしょう?」


「あー、そりゃぁ、悪かった。あの『七天魔皇(やろう)』の仲間の船かと思ってな」


「……はぁ、そうですか」



ユキは何となくそうなんだろうとは思っていた。


このまま話し合いは終わりに向かうだろうと思っていたのだが、ある存在によってまだ終わりは先になってしまうのであった。


ミアン「やっほ~!毎度お馴染みっ、影の女王スカアハの息子ミアンだよぉ~!」


ミアン「前は休んじゃってごめんねぇ~。まあ、色々あったのサ!」


ミアン「最近ちょっとハマってるのが都市伝説なんだっ。皆はどんな都市伝説が好きなぁ?」


ミアン「でも、都市伝説と言ってもその元になった話は確かにあると思うんだ。それが誤解や勘違いで変化していったのが大体の都市伝説なんだろうけど……。え、次回予告?わかったっ」


ミアン「次回は『Unknown』、だよ!『Unknown』かぁ……。どうなるんだろうねッ」


ミアン「次回もお楽しみねっ!あでゅ~⭐」


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