戦いの予兆?
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前回のあらすじぃぃぃぃぃぃい!!!
『高嶺美花』
『ステファニー・カフジエル』
『どんまいですっ!』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
空海艇が境界都市マージナルを出航して、十日目。
航空、航海は順調に進んでおり、特に問題も起こっていない。
まさかの『勇者』達も一緒に乗っているのは驚きはしたが、上手く鉢合わせしないように心掛けている。特にシキと葵だ。髪や目の色だけでなく、雰囲気や服装も変えているので万が一鉢合わせたとしても気付く事は無い。
シキ達は航海の中、ほぼ部屋に籠っていた。空海艇の各部屋はかなり良い造りになっており、家具も揃っている。外の景色も何重にも重ねられた頑丈な窓ガラスから眺められるので飛行機とはまた違った楽しみがあるかもしれない。
最初の一日から三日はこの空海艇の中を皆で探検したのだが、正直何度も行っていれば退屈になるだろう。その為に五階には大きな広場が幾つもあるので何かしらの暇潰しをすることができると思う。現に『勇者』達もそこで特訓をしていたりもする。
後二日程で到着するらしいのだが、それまでシキ達は[箱庭]で全員で修行や遊んだりもしているのだ。
そして現在……。
「すぅ……すぅ……」
「ん……くぅ……」
「すー……すー……」
「むにゃ……」
「……ふにゅ」
「くぅ……くぅ……」
朝早くの[箱庭]で散歩をした後にシキを始めに、リゼット、アルトレア、スミリア、アイリス、マシロは二度寝をしていたのだ。シキは狐の獣人、九尾になっており、リゼット達を守る様に九つの尾を五人を包み込む様にしてベッドの中央に座りながら熟睡している。リゼット、アルトレア、スミリア、アイリス、マシロの五人は気持ち良さそうに九つの尾を肌に触れている。それは幸せそうに、肩を寄り添いながらシキに身体を全身預けていたのだ。
シキの頭にひょっこり立っている狐耳の間にスライム姿のラヴィも混ざってぐぅぐぅ眠っていた。
シキ達が寝るベッドの近くにはクリムを抱き締めながら椅子に座って眠る葵に、『獣化』で猫の姿になったシリルは起きてはいるもののリラにモフられながら眠っていた。そのリラの肩にマリンが頭をのせて眠っている。
そしてその眠って休んでいるシキ達を見守る様に小さな愛らしい妖精姿のエンカ、スイジン、ライデンがふよふよと浮かんでいる。
因みにではあるが、[箱庭]に住まう女神ヘスティア達はどうしているのかというとシキ達の家でヘスティアは自室でニートの如くゴロゴロとグータラしており、エイレイテュイアはスミリアから貰った酒を飲んだりするが、[箱庭]に住まう動物達のお世話をしている。矢乃波波木は掃除が大好きなのか家の中や外回りの掃除をしたり『世界樹』の様子を観察したりしていた。ヒュギエイアはヘスティアの面倒を見たり、時にはエイレイテュイアや矢乃波波木のサポートをしたりしている。
最近、シキも知った事なのだが、シキ達の家にある妖精が住み着いていたらしい。
その妖精の名は『ブラウニー』。
家に人が居ない時に家事等を行う妖精という認識が多いだろう。『ブラウニー』の姿は髪や服装が茶色な2頭身の女の子であった。頭には白の三角巾にエプロン、そしてそれぞれ掃除用具を持っている。『ブラウニー』は五人いるらしい。生まれたのはシキ達がその家を建てた後の様だ。たまに泉の妖精達がやってくるのだが、暇な時には仲良く遊んでいるらしい。
まあ、[箱庭]でも『ブラウニー』達の事くらいの出来事くらいしか起こらなかったのでそれ以外は問題は無い。
話は戻すが、シキ達が二度寝をする前に朝食は何を作るかはあらかじめ考えていた。
白飯に油揚げの御味噌汁、[箱庭]で取れた鮭を塩焼きにしたもの。玉子焼きに[箱庭]で栽培していた野菜の御浸し、大根と肉の煮物といったものを作ろうと話し合った後に眠ったのだ。まだ朝食には時間が速いが、そろそろ起きる頃合いだろうか。
しかし、この時のシキは純粋な起床ではなく何かを感じ取ったかの様に狐耳をピクッ!と反応しながら起きたのだ。
何かしらの気配を感じ取ったのだとわかるだろう。
「……?」
気配を感じただけという抽象的なものだったので、具体的にどんな気配かはわからない。だが、何かこの大空の中で大きな存在と出会うような予感をしていたのだ。
同時にシキはその気配を何処かで誰かと似た様な感覚にも思えていた。その誰かは分からないが、シキは万が一の事を考えて警戒はしようと考える。
心の中でシキは思う。
今この幸せな瞬間を邪魔されたくない、と。
問題無く、『カグヤ』に到着したいと心の底から願うのであった。
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太陽が高らかと眩しく輝く大空の中、一隻の大きな飛空挺が進んでいる。その周りには幾つもの中型の飛空挺や、ワイバーン等の空を飛行できるモンスターに跨がっている者達も姿を多数見られる。恐らくそのモンスターはティムモンスターなのだろう。
そしてその大きな飛空挺の中心には船長らしき男が葉巻を吸いながら立っていた。まさしく海賊……いや、空賊の様な服装をしており、頭には船長の証である焦げ茶色の三角帽子を被っていた。
船長である男はある組織に所属する幹部の一人である。何故そんな彼がここにいるのかと言うと『七天魔皇』の一人である『覇王』が現れたという部下からの情報があったからだ。彼が所属する組織のボスにも確認した所、確かにそれは事実だったらしい。
だが、その男は『七天魔皇』の『覇王』という存在は名前くらいしか聞いたことがなかった。『七天魔皇』の中で最強とも呼ばれているらしいが、彼は数で押せば何とかなると思っている。実際に数で押して『七天魔皇』のある一人の部下達を殲滅させた事が実績があったのだ。
話を聞くに『七天魔皇』の『覇王』はどうやら一隻のみらしいのだ。
男は思った。
相手が一隻なら簡単に勝てる。落とせる、と。
こちらは大型の飛空艇が一隻に中型が20隻、モンスターライダーは50はいるだろう。
端から見てみればかなりの大艦隊でもあるのだ。
「おーい、船長~っ!前方に船が見せるぜー!」
そう言いながら副船長である男が船長である男に望遠鏡を渡される。それを見てみると確かに一隻の大型飛空艇が見えるのだ。恐らくあれが『七天魔皇』の『覇王』が乗る船。それを確認した船長である男はニヤリと笑う。
「うぉーーーしっ!『七天魔皇』の『覇王』の船を確認できたッ!砲撃用意をしろぉぉぉぉぉぉオ!」
「「「おうっ!」」」
それぞれの船員達は『七天魔皇』の『覇王』が乗る飛空艇に向けて大砲の標準を合わせ、大砲の弾を装填していく。それは大型だけではなく、中型の飛空艇も準備をしていく。モンスターライダー達もモンスター達に指示を出して全体的に横へ広がって攻撃の指示をしていくのだ。
船長だけでなく、副船長やその他の船員、モンスターライダー達も負けるという事を考えていなかった。そもそもここは自分達の縄張りである場所に侵入してくる相手を攻撃するのは間違ってはいないだろう。
「さて、ボスに『覇王』の首を土産にしてくるかッ!」
船長は今か今かと砲撃範囲内に入るのを待ち構えていた。もしかするとここで『覇王』の船は此方を警戒して停止するかもしれないと思ってはいた。恐らく此方を気付いている筈なのだが、『覇王』の船は止まる素振りを一切見せずに此方へと向かってくる。
馬鹿な奴等だ、と船長は愚かそうにその船を見ながら思う。
『七天魔皇』の中で最強、といっても所詮は人間だ。
殺すのは可能だろう。
そうこう考えていると砲撃範囲内に『覇王』の飛空艇が入る。
「船長ッ、範囲内に入りましたッ!」
「よしっ!放てぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!」
船長の掛け声と共に大型、中型の飛空艇から幾つもの大砲から一斉に火が吹く。それと同時にモンスターライダー達もモンスターの口から放たれた炎や、ライダー自身から放つ魔法もその『覇王』の飛空艇に襲い掛かった。
「グハハハッ!これで『覇王』も終わりだなぁッ!」
一斉攻撃は全て『覇王』の飛空艇に被弾し、爆煙が辺りに立ち込めていた。あれほどの砲撃を食らってあの『覇王』が乗る大型の飛空艇は木端微塵だろう。相手が『七天魔皇』の一人でもある為過剰なまでの攻撃をしている。
船長は勝った、と思っていた。
しかし、ここから彼等の悪夢が始まる。
「な、うそ……だろ?」
「お、おいおい……」
「まじ、か……」
「……っ!?」
勝利したと歓声を上げていた船員達であったが、爆煙から現れたのは傷一つ付いていない『覇王』が乗る飛空艇だったのだ。しかも何処も欠けた様子もなく、先程の一斉砲撃を全く気にせずに此方へと進んでくるのだ。
有り得ない。
誰かが言ったのだが、それは船員誰しもが思っていた事。今までにあれほどの砲撃で生き残った、船を破壊していたのだから。
「なん、だと……ッ!?」
船長も動揺を隠せなかった。
そして、彼等は知る。
『七天魔皇』、『覇王』は、本当の意味で最強だという事を。
ミアン「やっほ~!毎度お馴染みっ、影の女王スカアハの息子ミアンだよぉ~!」
ミアン「何か急に寒くなったよねぇ~!これだけ寒くなったら体調崩しちゃうよ~っ」
ミアン「あ、そうそう。いきなりだけど『あちら』の世界には海賊、山賊、空賊がいるらしいよ?」
ミアン「しかも、それぞれに海賊王、山賊王、空賊王っていう中々化け物染みた存在もいるみたい」
ミアン「余談だけども、『あちら』の世界って地球よりも遥かに大きくて、陸や海が広すぎらしいよ?」
ミアン「それだけ広かったら巨大なモンスター達も数多く生息しても可笑しくはないよねっ!えっ、そろそろ次回予告しろって?はーい、わかったよっ」
ミアン「次回、『轟く雷霆』、だよっ!何が起こるのかなっ?」
ミアン「お楽しみねっ!あでゅ~⭐」
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