孤独
な、何とか間に合った……ε=( ̄。 ̄;)
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前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!
『ヘスティアと』
『神契約!』
『[箱庭]へ、ごあんなーい!』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
「おぉ、そうじゃった。不知火、御主に言っておかなければならんことが一つあったのじゃ」
姫希が心底帰りたそうにしている中、オーディンは何か思い出したかの様に引き留める。どうやら真剣な表情をしておるので重要な話だと理解する姫希。
「何でしょうか?」
「うむ、不知火。……あの4名についてなのじゃが……それを御主に頼みたくての」
「あの4名……」
オーディンがいう『あの4名』とは前に姫希達が迷宮最深部で出会った女神クーディアの眷属、『マーリン』・『酒天童子』・『アイアス』・『ブリュンヒルデ』の事だろう。それを知っているのは恐らくアテナの部下である女神メデューサからの報告で知った様だ。
その3名の事で何があるのだろうか、と思っていた姫希であったがオーディンはこの場にいるアテナ達を目配せする。そして事前に話していたのであろう事を姫希に言うのであった。
「『マーリン』、『酒天童子』、『アイアス』、『ブリュンヒルデ』の4名につては……御主に任せようと思う。処遇もの。最悪殺しても構わん。」
「それは……」
「別に強制はせぬよ。只、出来れば……の話じゃ。情けない話、あの4名をどうにかできるのは不知火、そして御主と共におるあのスライム達位じゃからな……。」
スライム達とはラヴィ達の事だろう。
しかし、オーディンもかつての部下『ブリュンヒルデ』をどうこうするのはやはり気が引いている様だ。それは天照大御神も同様。かつての土地神であった『酒天童子』を本当はどうにかしたいのだろうが、主神として土地神の主としてそれが出来ない。アテナに関しては『ぶっ潰せよ?』とは言っていないもののそれに似た様な無言の圧力があった。
「出来るだけは、しましょう」
「すまぬのぅ。」
今、女神クーディアはあちらの神によって改めて封印されているので再び遭遇する確率は低いだろう。だが、万が一……何らかの手段で女神クーディア本人、又はその眷属である『マーリン』達が姫希に襲いかかる可能性はゼロではないのだ。
だが、姫希は自ら会いに行く気は毛頭無い。相手からやってくれば、の話である。
『マーリン』達の話を終えるとどうやら、これ以上話す事は特に無いらしい。
姫希は、そろそろ帰って食事の準備をしているであろうリゼット達の手伝いをしなければならないな、と思っていたのでこの精神世界から帰る事にする。それにリゼット達には『ヘスティア』の眷属になった事等の説明をしなけらばならないのだ。
「では、失礼します」
「おぅ、じゃーなっ」
「また御会いしますね」
「姫希ちゃん、じゃーね~っ!」
「うむ」
「無茶はするなよ?」
主神達からの御言葉を貰いながら姫希はその精神世界から姿を消すのであった。
しかし、姫希は何故か再び同じ真っ白な空間へと現れてしまう。
そう、先程と同じ精神世界。
だが、若干異なっているのでアテナ達といた場所とは違うのは理解できた。
「久しいな」
そう声がする方へと顔を向けるとある女神がそこにいたのだ。
「貴女は……スカアハ、様?」
そこにいたのは影の国の女王であり、影の主神でもある最高神のスカアハであったのだった。
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女神スカアハは孤独だ。
影の国の女王であり、主神。
彼女を孤独と言ったが、影の国には多くの民もいたし数多くの弟子達もいた。
しかし、彼女は何処か恐れられていた。
彼女のオーラなのか、それとも強大な力を持つ最高神であるからなのか。
彼女の子供達からも恐れられていた。
だが、彼女は一人の母として愛情を注いできたのだ。
それは端から見てみれば良い母親だったのだが。
かつていた弟子達も時代の流れなのか全員スカアハの元を離れていった。
弟子達には自分の子の様にスカアハは指導し、教えていったのだが。
弟子相手に恋をした事があった。
しかし、それは叶わなかった。
彼女はその弟子を自分の伴侶にしようと思った事があった。
だからこそ、誰よりも強くなってほしい、死んでほしくないと願い、自らが知る知識や戦闘技術を教えた。
結果的には弟子達は全てスカアハの元から離れていった。
彼女は負の感情を表に出す事はない。
しかし、内心では自分は天涯孤独の身なのかと、嘆いた。
影の国の民達はいるが、スカアハは影の国の支配者として奥深くの深淵にいなければならなかった。
そこは誰も寄り付かない。
影の国の民達も。
影の国の民達もスカアハという主神の名は知るも姿を知るものは殆どいないだろう。
彼女にはとって影の国は牢獄でしかなかった。
ある時、だ。
ある少年とであった。
その少年は少女の様に愛らしく美しかったのだ。
しかし、その少年は『オリンポス』という迷宮を突破したという事に驚いた。
最高神として主神としてアテナ達と共に彼を見たのだが、信じられなかったのが事実。
何せ、その『オリンポス』にはスカアハ自身も手を入れていたのだから。その構造や理不尽だとスカアハでも思いそうな程の仕掛けに各フロアに存在するかつての神話や伝説に語られる全ての英雄達やモンスターのコピーを敷き詰められていたのだから。
それを少年は見事突破したのだ。
主神達はそれを証明するかの様にそれを録画したものをスカアハに見せた。
凄まじい……。
これは……新たな英雄か?
この少年は……私が見てきた弟子達よりも……強い。
これがスカアハが見て思った感想だった。
しかし、それは録画。彼女は自らの目で確かめようとかつて弟子達が受けた試練、難所を用意し、それをその少年……不知火姫希にやらせたのだ。
姫希には試練についてはやってみよ、と言うだけ。詳しくは言っていない。
本当に『オリンポス』の迷宮を突破したのならこの試練も問題ないだろうと。
結果は……これまでの弟子の最高記録を塗り替えたのだ。
だが、それだけではない。
試練の中に七つの門にそれぞれ守護するモンスター達と仲良くなってしまったのだ。
最初は戦いはあったものの姫希が勝利。だが、その負けたモンスター達を治療させたのだ。
これまで守護するモンスター達は戦闘不能にするだけか、殺されるかのどちらかだったのだが、姫希は癒しそして心を通わせたのだ。
彼女は改めて理解する。
この少年は強い、と。
この者を、私の弟子にしたいと。
女神スカアハは姫希に言う。
私の弟子にならないか、と。
しかし、不知火姫希はそれを丁重に断ったのだ。
スハアハにとってみれば、自分の弟子になる事に光栄に思う者が殆どだ。
「えっと……俺にはもう、師匠達がいますから」
これが不知火姫希が断った理由だった。
あぁ、確かに。
この少年をこれほど育てた師達を捨てるのは惜しいのだろうと。
だが、そう思っていたスカアハであったが、姫希は続けてこう言ったのだ。
「スカアハ様の弟子になるのは確かに魅力的かもしれません。でも、俺は師匠達がいいんですよ。確かに厳しいししんどいし、辛いです。でも、俺は師匠達が好きだから。」
それを聞いた瞬間、スカアハは不知火姫希の師達を羨ましいと思ってしまう。
彼は師を愛しているのか、と。
愛していると言っても恋愛的な意味ではなく、師匠として尊敬しているのだろう。
女神スカアハにとってはとても羨ましく思えた。
そして試練を終えた姫希は疲れた様子など一切無く、仏頂面な表情をしたまま影の国から元の世界へと帰っていったのだ。
その出来事があったからだろうか。
女神スカアハは不知火姫希を影の国の深淵から見ていた。
その中で彼は裏切りや悲しみにも負けずに戦場へと駆けていく。
時には傷付いた仲間や人々を癒し、時には敵でありながらも対話をしようと命を掛けながら望もうとした時もあった。
女神スカアハは孤独だ。
しかし、その孤独が、苦しくなっていく。
不知火姫希という存在が現れてから。
一度しか実際に出会った事はない。
しかし、影の国の深淵から彼を見ていると思わず欲しいと思ってしまう。
彼なら。
彼ならば、この孤独を、苦しみを、癒してくれる、と。
そう思いながら女神スカアハは不知火姫希という存在を無意識に恋というものを抱きながら、熱い視線を送りながら日々眺めるのであった。
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出ましたねー、スカアハ様。
さあさあ、この後の展開は……。
うん、色々と……ヤバイ、かも、ね?
次回は……他の女神達も……((( ;゜Д゜)))




