神との契約(テスタメント)
前回のあらすじぃぃぃぃぃぃいん!!!
『昔!』
『土地神の!』
『玉藻の前がっ!』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
「ふふふっ」
「どうしたのじゃ、天照よ」
「いえいえ。少し思い出しまして……」
天照大御神は三体の精霊?と戯れている不知火姫希を見ながら口元を隠して思わず微笑んでしまう。それに珍しく思ったオーディンだったが、天照大御神は何処か懐かしそうな表情を見てあぁと察する。
あの戯れている不知火姫希はかつての京都の元土地神、玉藻の前と重なっていたのだ。
似ているのは玉藻の前の遺伝子を強く引き継いでいるその狐の耳と尻尾。今の姫希は一本尾の狐の獣人ではあるが、恐らく九つの尾を持っているのだろう。
「おいおい不知火。で、どうするよ?眷属になるのか?」
アテナは戯れている姫希に問われると暫く考え込む。それは仕方がないだろう。神の眷属になるには何かしらのデメリットがあると誰もが思ってしまう。それには裏があるのではないか、と。
するとエンカ達を抱えてたヘスティアは何となく姫希が考えている事を察して言う。
「私……姫希、の……[箱庭]、に、住めるなら……他は、いい、よ」
「えっ?」
ヘスティアは姫希に求めたのは単に[箱庭]で住むことだけらしい。それ以外は要求する気は無いようだ。
その言葉には嘘偽りは無く、そもそもヘスティアには欲が無かった。強いて言うならば、新たな住みかを欲する事。それこそ、不知火姫希が保有する絶対的な安息の大世界[箱庭]。
[箱庭]には不知火姫希以外に保有する者が存在する。
その存在は姫希の祖父『白炎帝』こと、柊ハク。
そして、不知火姫希の曾祖母『天空之覇帝』こと、アジュリカ・スカーレット。
不知火姫希を含めてこの三名のみが現代が保有しているのだ。
だが、その三名共[箱庭]でも普通の[箱庭]ではなく神々から羨む程の[箱庭]だ。
しかし、『白炎帝』・『天空之覇帝』の二名の[箱庭]は既にある神に先約がある。詳しく言うのであれば、その二名はある神の眷属になったのだ。
『白炎帝』柊ハクは『天照大御神』の眷属へ。
『天空之覇帝』アジュリカ・スカーレットは『ティアマト』の眷属へ。
三名以外にも[箱庭]は存在しているが、中でも地球でも有名なのが名を『キャメロットの城』や『バビロンの庭園』が挙げられる。
これらの[箱庭]の保有者は神々の眷属となり、その主となる神が支配下となっているのだ。
「……わかりました。ヘスティア様、この不知火姫希、貴女様の眷属になりましょう」
「ん……なら、神契約……しよ?」
「わかりました」
姫希はヘスティアの眷属になる事を決意する。
だが、眷属になったからといって奴隷の様な事はまず無い。正式に眷属の役目をするのは死後の話である。それまでは加護がついたりして殆どの神々は野放しにするのだが、ヘスティアの場合、初めての眷属でもあるので姫希の[箱庭]を根城にするらしい。決定事項の様だ。
「……手、貸して……」
ヘスティアの指示通りに姫希は右手を差し出すと、その手を両手で触れる。そしてその手、人差指を躊躇無く口に含むヘスティア。だが、只口に含むのではなく歯を立ててしまう。
「……っ!」
思わず姫希も痛みも感じたのか少し顔をしかめてしまう。恐らくその歯を立てられた時に血は出ているのは姫希自身理解する。
だが、これは神契約するには必要な事なのだ。
ヘスティアは非常に惜しみながらも口から指を離すと神契約が開始される。
その証拠にヘスティアと姫希を囲むような神聖なる結界に、足元には魔方陣も発動していた。
「我が、永久の……契約……。我を、守り……我に、忠誠を、誓うと、示した……守護者よ。……汝、不知火姫希……異論は、無い、か?」
「はい」
「……汝、不知火姫希……かの者、を……我、ヘスティア。『絶対不敗』の、ヘスティア……の、名の下……第一、の、眷属、とす……『神契約』っ」
ヘスティアの詠唱を唱えるとヘスティアと姫希の間に決して切れない絶対的な繋がりが現れる。それは見えない物ではあるが、ヘスティアと姫希のみがこの感覚を感じれるのだ。
「眷属、できた」
ヘスティアは満足そうな表情をする。初めての眷属が不知火姫希ということが非常に嬉しいのだろう。だが、神契約を終えた為か眠たそうにウトウトとしてしまう。
別段、神契約の影響ではない。これが平常運転なのだ。
ヘスティアはウトウトしながら姫希に言う。
「眠たい……姫希の、[箱庭]……寝て、いい?」
「大丈夫ですよ」
姫希はヘスティア……ではなく、後で待機していた三人の女神の代表である『ヒュギエイア』に[箱庭]についてを説明する。そして寝るのなら[箱庭]にある姫希達の家に空いている部屋が何個かあるのでそこを使ってほしい事を伝える。その他にも色々と説明するが、流石真面目といったところか『ヒュギエイア』はメモを取りながらしっかりと聞いていた。
「それくらいですかね」
「わかりました。もし、不明な点があれば念話で伝えます」
ヒュギエイアは眼鏡をチャキッ!と片手で動かす。本当に社長の秘書の様だ。因みに後ろでは完全に眠ってしまっているヘスティアを『エイレイテュイア』が抱え、『矢乃波波木』が介抱していた。その周りには不思議そうに可愛らしい妖精姿のエンカ達が見守っている。
「じゃあ、[箱庭]の扉を開けます……あ、どちらでもいいので片手を貸してください」
そういうと姫希達の後ろに扉が現れる。その扉が開かれると姫希は寝ているヘスティアとヒュギエイアとエイレイテュイア、矢乃波波木の手に触れていく。
これは[箱庭]へ入る為に必要なものなのだ。
姫希と一緒に行くのであれば必要ない。しかし、姫希ではない存在が入る為には先程姫希が触れた時に姫希自身の魔力で生み出された目に見えない刻印が必要なのだ。
「エンカ・スイジン・ライデン。ヘスティア様の案内を頼むよ」
「主よ、お任せをっ!」
「かしこまりました」
「了解」
そうしてヘスティアと三人の女神達はエンカ達に案内されて[箱庭]の扉の中へと入っていくのであった。
姫希はヘスティア達を[箱庭]へ見送り、その扉を閉め消した後に後ろに待たせていたアテナ達へと向く。
「お待たせしました」
「おー、やっと終わったかっ。……てかよ、姫希、何で人族のままなんだ?何時もは狐の獣人だろ?」
「そうですよねぇ~。あっ、久々に姫希さんの『九尾』の姿を見たいですね」
「それなっ!あれすっげぇ、もふもふしてて気持ちいいんだよなぁ。それにいい匂いだしな。おい、やれよ不知火」
「……はい」
もう既に姫希は文句を言う事無く、獣人へと変身すると本人自身も久しぶりの姿『九尾』へとなる。いや、前にリゼット達と日向ごっこで昼寝をする際に変身した事があった。アテナが言う通り、リゼット達は姫希の九つの尾に身体を預けて眠るのは至高の安らぎと癒しだった様だ。
「(ふふふっ。やはりその姿は玉藻の前を思い出させますね……。今度『白炎帝』さんに頼んでもふらせていただきましょうか)」
「(くっ!羨ましいなぁ、ヘスティアさんよぉ~……。あのもふもふぉ~……本当は、俺の眷属にしたかったんだけどなぁ……。)」
「(キャーッ!!!姫ちゃん、かわいいーっ!今度、『天空之覇帝』ちゃんにも……はっ、怒られるよね~。なら、頭ナデナデしてもらおーっと!っ、イヤイヤイヤ!ここは最近流行りの壁ドン、顎クイ……そっ、それか……き、キス……とか?キャーーー!!!アジュリカちゃんかっこよすぎるからだめだよぉ~!!!)」
「(ふむぅ……。美少女騎士姿×九尾の狐っ娘……やはり、是非ともワルキューレに……)」
「(天照にアテナ、そして我がオーディン……流石にヘスティアの眷属になった事、そして姫希が結婚した事で完全に手を出せなくなっているな。)」
それぞれが九尾姿の不知火姫希を見て思っている中、姫希はやはり女装は恥ずかしいらしく少し涙目になりながらボソッと呟くのであった。
「……帰らさせてください」
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……バトルシーン書きたいなぁ(下手だがっ)
あと、ちょいとヤバめなシーンがそろそろ出るかもしれないです。
具体的にはエロ要素があると思います……。
ちょいと姫希が可哀想?になるかも……ね( ̄▽ ̄;)




