あぁ、勇者……え゛っ!?勇者ぁ!?
前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!
『リラとマリン!』
『仲間になった!』
『昼食へ……』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
シキ達は新たな仲間としてリラとマリンを迎え入れ、広い公園で穏やかな遅めの昼食をしていた。
今日の昼食はサンドウィチとスープである。
サンドウィチは肉だけではなく野菜や卵といっま具沢山なものだ。それだけではなく、果物のみのサンドウィチもある。だが、甘辛いソースがついているので野菜だけでも中々美味なるものだろう。スープは野菜をコトコトとじっくり煮込んで優しくもあっさりとしたものとなっていた。
これらはリゼットとアルトレア、スミリアが作った料理だ。アイリスとマシロも精一杯手伝ってもらっている。シリルと葵は馬車に積んでいたテーブルと椅子を用意等をしていた。シキは別に何やら調理をしている。何を作ったのかは後のお楽しみである。
「うん、美味いなっ」
「このサンドウィチといい、スープといい……絶品ですっ!」
どうやら、リラとマリンの口に合った様だ。
すると馬車で調理を終えたシキがある料理を持ってテーブルへと戻ってきた。シキが持つ皿にはコロコロと綺麗な球体のある透明な物だ。しかし、その透明な球体の中にはそれぞれに赤・黄色・緑等といった色鮮やかなものでもあったのだ。
「?シキ、それはなんだ?」
「これはよく母さんが作ってくれたデザートだよ」
その色鮮やかで透明な球体のデザートの名は『ラコロン』。まあ、見た目がコロコロとしているからという何とも簡単な名前である。しかし、この『ラコロン』というデザートは『あちら』の世界の一部で食べられており、家庭料理でもあるのだ。各家庭によっては見た目や味も異なってくる。
その『ラコロン』をシキに進められてリゼット達が食べる事となった。
「何か……小さな真珠だな」
「そうですね。この色、紋様みたいにもなってますね」
「……小さくて、可愛い。食べるのが……勿体無いと思ってしまうぞ」
「ほうせきみたいー」
「なのなのー」
まず最初にリゼットとアルトレア、スミリア、アイリス、マシロの五人が最初に口にすると、続いてその他の者達も食べていく。
すると、食べた瞬間、歯にくっつかず少し弾力のある餅の様な食感。そして一口一口噛んでいくとじわじわと果物の味が優しくも滲み出てきたのだ。加えてこの『ラコロン』自体、ひんやりとしているので夏バテしたときでも食べらるだろう。
そんな食感と味を噛み締めていくと、いつの間にか氷が溶けた様に無くなってしまった。
「すげー……うめぇぞ、これ。あの赤いのは……林檎か?」
「ボクのは黄色……オレンジ、ですね」
「私のはメロンだったぞっ」
「もものあじがしたよーっ!」
「いちごなのー」
「それに、このもちもちもとしたものはほのかに優しい甘さもあるねー」
「これは、病み付きになりそう」
「ひんやりとしていて、疲れた時にはもってこいだなっ」
「この『ラコロン』とは、素晴らしいものですねっ」
「(もきゅもきゅっ)」
「(もぐもぐ)」
どうやら、皆の反応は好評かだった様だ。女性にとってもオシャレでいいのかもしれない。ラヴィはリゼの膝上でもきゅもきゅと可愛らしく『コロン』を食べていた。クリムも葵の服から顔をだして葵に食べさせてもらっている。まあ、二人共よく食べていたのでお馴染みの味なのだろう。そして久々の『らしい。コロン』を食べて御満悦の様だ。
すると、食事とデザートの『ラコロン』を楽しんで食べていたリラがこんな事を言い出した。
「シキ君。君の両親はどんな人なのだ?」
「え、リラさん?いきなりどうしたんですか」
「いや、気になってしまってね」
「そうですか……。そうですね……俺の両親は、優しくも厳しいですよ。あ、写真見てみます?」
「しゃしん……?」
そういうとシキは懐に手を入れるとその懐の中で[空間庫]から大切にしているアルバムを取り出したのだ。そのアルバムはそれほど目立ったものではなく何処にでもありそうなものである。
それを空いたテーブルの上に置くとそのアルバムを広げたのだ。
初めて見たシキのアルバムを見たリラは写真を見てこう言う。
「この写真……君に姉か妹がいるのかい?」
そうリラが見ていた写真には、幼いシキと一緒に仲良く写るシキと瓜二つの絶世の美女が写っていたのだ。唯一違うところといえば癖っ毛が無くさらさらでストレートな髪だということだろうか。反対側の右に写るのもシキと似ており、絶世の美女。しかし、何処か落ち着きのある女性であったのだ。
「ああ。横に写っているのは母と祖母ですよ」
「「「……はぁっ!?」」」
そういう反応になってしまっても仕方がないだろう。
まあ、驚いているのはシリルと葵、リラ、マリンの四人だけなのだが。その他のメンバー、リゼット達は前に見た事があるので知っている。
シキの母はシキと瓜二つで姉妹と言われても全く違和感の無い女性だ。
名前は不知火柚希。
写真ではコートを着ており、容姿だけではなく雰囲気から同性からモテるだろうと大体は予想出来るだろう。実際そうなのだが。
そして祖母は白と水色の着物を纏ったシキに似て美しき女性。どちらかというと祖母である柊ソフィアが母親なら誰も疑いはしないだろうか。それより、その彼女が祖母というのが最も驚くだろう。
「ご主人様。この方は……?」
次に葵が示す写真には同じく幼いシキと一緒に写る白髪の浴衣を着た麗人と恐らく190以上はあるであろう癖っ毛が強い黒髪の30代位の男性だ。
「父と祖父だよ」
「「「……はぁっ!?!?」」」
またもや先程と同じ反応である。
白髪の浴衣を着た麗人、柊ハク。シキが説明した通りシキの祖父である。もう、何処からどう見ても美女にしか見えないがれっきとした男性。そして『白炎帝』の異名を持つ超越者だ。
そして男性の方はシキの父親、不知火雅章だ。スーツを着ているがその上からでもわかる程の引き締まった強靭な肉体だとわかるだろう。シキの癖っ毛は父親の雅章から引き継がれたのだ。
「シキ様、この方は……?」
その次にマリンが見つけた写真にはシキと白髪の少女と共に写っていたのだ。
「その子は従姉妹の琥珀だよ。母の妹の娘さんなんだ。まあ、俺にとっては妹の様な存在だね」
その琥珀は白髪で髪型はボブである。小柄で実に愛らしい美少女だ。昔はよく一緒に遊んで仲が良かったのだが、まあ色々あった末に今ではもう仲が良いとはいえなくなっている。まあそういう御年頃なので仕方がないと思ったシキではあったが、ふと思えばもう数年も合っていない。恐らく『あちら』の世界で学園に通っており、寮生活をしていると前に実家へ帰省した際に母の妹である柊白奈から聞いてはいた。
そんなこんなでシキ達は昼食をしながらもシキの家族写真を見て楽しみながら過ごしていく。
その写真の中には幼きシキと仲良くじゃれるように一緒に写るルイス・ペンドラゴンと織田峯長のものもあった。ルイスは幼き頃でも背が高く年上に見られやすい程の容姿だ。峯長はルイスとは真逆で、当時の年齢の平均身長よりも低かったシキよりも更に低かったのだ。その為にこの写真では幼稚園児にも見えてしまうのだ。実際にリゼット達にこの写真を見た時はまさかシキと同年代とは思わなかっただろう。
和やかな雰囲気でこの公園での昼食は実に快い時間となっていた。
そんな中、シキはこの都市マージナルに見覚えのある気配を察知したのだ。
その気配とは……。
「(あぁ、勇者……え゛っ!?勇者ぁ!?)」
そう、同じく召喚されたクラスメイトとその教師がこの都市に訪れたのであったのだ。
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ヤバいっ!
執筆頻度が遅く……




