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幕間 勇者 ②

前回のあらすじぃぃぃぃぃぃい!!!


『シリルVSリラ!』


『どっちが勝つ?』


『一方エマは……』


のどんっ!ι(`ロ´)ノ




桜間葵を失い、はや数ヵ月が経っていた。


イーリスト国では騎士団長から『迷宮(ダンジョン)』で遭遇した未確認モンスターの報告後、『勇者』達は暫く国内のみでの特訓のみとなっていた。いや、殆どが予習と復習だ。


『勇者』達は桜間葵を失った事を仕方が無いという身勝手な判断で半数以上が反省が無い様子に『勇者』でもある教師達が酷く激怒した。これには学生の『勇者』達は最初は自分は悪くないと主張していたが、騎士達の叱咤もありそれぞれがあの時の行動について改めてどうだったのかと考えさせた。


その同時期にエルディンテ王国から『勇者』達も交流としてやってきていたのだ。本来なら桜間葵が失った事もあり、中断する筈であったがどうやらそこの『勇者』達は同郷の為にと実力のある『勇者』達を約20名程応援としてやってきたらしい。


桜間葵を失った経緯を聞いたエルディンテ王国の『勇者』の一人、朝比奈梨央は『無能』だからという理由だけで裏切り、切り捨てたイーリストの『勇者』達に酷く激怒したのだ。


仲間を助ける為に駆け付けたのに、敵に売り、罵声を浴びせ、見殺しにした彼等に。


この事情を聞いた他のエルディンテ王国の『勇者』達は朝比奈の怒りを納めながらも、これから暫く共に行動する事になった。


暫く特訓した後に、空海都市マージナルへ向かう事が決定する。


この時のイーリストの『勇者』達も前回よりか生きるために必死で格段にレベルが上昇していた。


空海都市マージナルへ向かうメンバーは以下の通りとなる。



エルディンテ王国『勇者』。


朝比奈梨央(あさひなりお)


河波美空(かわなみみく)


天海翔貴(あまみしょうき)


島崎美春(しまさきみはる)


水間拓真(みずまたくま)


石山美弥(いしやまみや)


早乙女弥生(さおとめやよい)


小早川麗奈(こばやかわれな)



イーリスト王国『勇者』。


桜間真紀(さくらままき)


桜間真理(さくらままり)


光城(こうじょう)直人(なおと)


桑原(くわはら)寧々(ねね)


(いわお)結香(ゆいか)


清水(きよみず)麻衣(まい)


福山(とうじょう)京子(きょうこ)



この計15名が空海都市マージナルへ向かう事になったのだ。


何れも『勇者』達の中で上位の実力者で纏められている。


その『勇者』達には倭国『カグヤ』で更なる修行をする事が決められていたのだ。倭国『カグヤ』は比較的にモンスターが多く、治安も良い事から安心して修行が出来るということであった。


本来、『カグヤ』に向かうのは強制ではないもののこの15名が自ら挙手したらしい。まあ、イーリスト王国の『勇者』達の殆どは光城の取巻きハーレムなので色々と不安ではあるが……。


もう既に彼等は貴族専用の馬車に揺られながら空海都市マージナルへと向かっている。


馬車の数は荷物用も含めて8つ。


先頭に走る1台目の馬車には 朝比奈梨央(あさひなりお)河波美空(かわなみみく)桜間真紀(さくらままき)桜間真理(さくらままり)


2台車は天海翔貴(あまみしょうき)島崎美春(しまさきみはる)光城(こうじょう)直人(なおと)桑原(くわはら)寧々(ねね)


3台目は水間拓真(みずまたくま)石山美弥(いしやまみや)(いわお)結香(ゆいか)清水(きよみず)麻衣(まい)


4台目は早乙女弥生(さおとめやよい)小早川麗奈(こばやかわれな)福山(とうじょう)京子(きょうこ)、エルディンテ王国第二王女リルエット・サラム・バルエルーア、イーリスト王国第二王女レイニア・リ・ルバウス。


エルディンテ王国第二王女リルエットとイーリスト王国第二王女レイニアは『勇者』達のお目付け役としてついてきているのだ。その他にもエルディンテ王国とイーリスト王国の騎士団長2名とその他の騎士達も護衛としてついてきている。


だが、ここで『勇者』達はあらかじめ知っておかなければならない事があるのだ。それはイーリスト国王自らそれを話している。



倭国『カグヤ』は、『勇者』という存在をあまり良く思われていない、ということ。


しかも、『カグヤ』に住まう種族によっては意味嫌う者達もいるということを。


なので彼等は『勇者』という存在ではあるが、一人の人間として行動してほしいということであった。治安は良く、『勇者』だからという理由で何かする事はない。昔の『勇者』達もその『カグヤ』で修行したという話もあるらしい。そして『カグヤ』では味方になれば頼もしいモンスター達も多数生息している。『カグヤ』の方が温厚なモンスターが多くそのモンスターの『ティム』がしやすいらしい。まあ、『カグヤ』にいるモンスターが温厚的ではあるが全てが全てではない。あくまでエルディンテやイーリストよりか比較的に、だ。『モンスターテイマー』が多いので『ティム』に関してはそこで学べられるだろう。


何故、『勇者』をあまり良く思われていないという理由だが、かつて異世界から召喚された『勇者』が色々とやらかしたらしい。


その内容については大昔の事なので知る者は少ないらしい。恐らく『カグヤ』でも親から子へと伝えていく中で、何故そうなってしまったのかが途絶えてしまったのかもしれない。今では「へー、『勇者』かー」位にしか思われていないだろう。よく異世界物語で「勇者様っ!」と人々から敬遠されるのは『カグヤ』ではそれを望むのは諦めた方がいい。まあ、それがあったとしたら何やら『勇者』を利用して悪い事を企んでいる者達の可能性が十分に高いが。


先頭から一台目の馬車に揺られて座っていた朝比奈達だったが、馬を操縦していた騎士から小さな窓から報告される。



「そろそろマージナルに着きますよ」


「はい、わかりました。報告ありがとうございます」



そう言うと朝比奈は横に座る河波と向かいに座っていた桜間姉妹に言おうとするが、桜間姉妹の二人は顔を俯かせ悲痛の表情をしながら互いに外から見える景色を目だけを動かし、眺めていた。夜な夜な隠れて泣いていたのか目は涙の跡で赤くなっている。


桜間真紀、真理にとって一人の家族を失ったのだから。


あの時、恐怖で何ものすることができなかった。


光城直人が、あの泥人形からの取引で兄、弟である桜間葵を差し出した時は何処かホッとしていた自分が確かにいたのだ。


そして、見捨てた。



『うん。実はね、私達……葵ちゃんと一緒に行動しようと決めたの』


『兄さん、私達が兄さんを守るから』



口ではあんな事を言っていたが、所詮は口だけ。


後から来た光城の言葉にときめいて結局は葵ではなく、光城の元に行ってしまった。


桜間姉妹は思う。



「(私は……私は……葵ちゃんを……守れなかった。ううん、私達は葵ちゃんに守られていたんだ……。この剣も……この道具も……。私は、葵ちゃんを何をしてあげられたんだろう……。何も……ない。……何も、無いんだ……。何一つ、葵ちゃんを守る事も……救う事も出来なかったんだ……)」


「(何が、兄さんを守るから、だ……。兄さんをずっと、傷付けただけ。今思えば……ずっと、兄さんを苦しめてただけじゃない……。一体、何してるんだろ……私。何が間違ってたのかな……。そうだ、あの時からだ。私達が、兄さんのお母さんを奪ったからだ……。そのせいで、剛さんの命も奪ったんだ……。もう、何で……私、私は……)」



それぞれが自身を攻めていた。


それを見ていた朝比奈は彼女達の気持ちもわかるのだが、その戦闘にまで支障をきたしてしまいそうだと感じていた。



「何を暗い顔をしているんですか?あの光城さん、でしたっけ。あの人の前ではニコニコしていたじゃないですか。まるで、葵さんの事を忘れた様に」


「「ッ!」」


「!河波さんっ」



突然の河波美空の発言に、真紀と真理は息が詰りそうな思いになってしまう。


今河波が言った事は事実であり、河波にとっては不快にしか思わなかったのだ。光城ハーレム達は光城に対してイチャイチャして同じクラスメイトを失ったのにも関わらず反省の色が無かったと感じたのだから。その光城ハーレムの中には真紀と真理も含まれていた。


あれだけ朝比奈や河波達に見せつける様な光景の後に、この馬車の中で反省や自身を攻めても全く同情する事も無いし、全く説得力が無い。


思わず朝比奈は止めようとするが、河波は続ける。



「葵さんは命を懸けて、貴女達を救ったんですよっ!なのに、なのに、なんでっ!?」


「河波さんっ、落ち着いて、」


「……っ」



本当はもっと言いたい事があったのだろう。しかし、朝比奈の呼び掛けに河波は思わず感情的になったのを納めながら落ち着かせると真紀と真紀から顔を逸らす様に外を眺める。


そんな雰囲気が漂う中、朝比奈は何とか和ませようとマージナルについて話題を切り出した。



「えっと……あっ!確か、僕達がマージナルからカグヤまで行くのに……空海挺っていうのに……」


「……」


「……」


「……」


「(……ぅぅ、この状況、誰か助けてよぉ~)」



朝比奈にとってはこの状況は苦痛だったのか、心の中で涙を出しながらマージナルに到着するまで我慢するしかない。


まあ、こんなこんな暗雲が漂い続けるが、いよいよ空海都市マージナルへと到着しようとしていたのであった。







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質問(キャラクターに対しての)も受け付けています!

その他にも質問があればドンドンどうぞー!

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さて、シリルとリラの戦いへと戻ります!


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