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シリル VS リラ

前回のあらすじぃぃぃぃぃぃい!!!


『再会!』


『提案?』


『一方、エマは……』


のどんっ!ι(`ロ´)ノ




冒険者ギルドにある訓練所。


その場所は時に、決闘所としても使用されていた。


訓練所にはある二人が佇んでいる。


一人は女騎士リラ。


もう一人は、シキの従者(サーヴァント)であるシリルだ。


そして客席にはシキ達が見守る様に席に座っている。シキが座っている足の間にアルトレアがちょこんと座り、その上にはアイリスが座っていた。左右にはリゼットとスミリアが座っており、リゼットの膝上にはマシロが。スミリアの膝上にはスライムなラヴィがちょこんと座っている。


スミリアの場合、ラヴィが可愛い縫包みの様で、しかもスミリア自身小・中学生位にしか見えない低身長に幼い顔立ちなので妙にマッチングしていたのだ。その為、スミリアはシキの子供だと勘違いされてしまった。スミリア自身、もう20歳を越えているので心境的には複雑だったのだろう。


より冒険者達から驚かれたのが、アイリスとマシロの存在だ。


まさかシキの今の年齢で小学生低学年位の子供が二人いるのだから。誰だって驚くだろう。ここで実の娘では無いと大体勘でわかりそうなものなのだが、何処か父親であるシキと似ている為に余計にその事に至るのが困難だったらしい。


葵はシキの従者として辺りを警戒しながらも、シリルがいる闘技場を目を向けている。


シキ達だけでなく多数の冒険者達も歓声を上げながら盛り上がっていた。


シキが女騎士リラにある提案をしたのだ。


一度戦ってみないか、と。


正直あのままの状況での話し合いはならないと考えたシキは、リラとの戦闘を提案したのだ。


最初、怒り狂っていたリラはそれを聞き驚きはしたが「面白い!」と賛同し戦う事になったのだ。


が、それに反対したのが従者(サーヴァント)であるシリルであった。


反対とはいっても主人(マスター)が戦うのではなく、代わりに自分が戦う。任せてほしい、という事だったのだ。


シリルからしてみれば、シキが出る幕はないと思ったのだろう。それは事実であり、仮にシキとリラが戦ったとしても戦いにすらなっていなかったのかもしれない。


だから、シリルは新たな提案をしたのだ。


シキと戦いたければ、まず自分を倒せ、と。


それを聞いていたリラはシキの従者として名乗りを上げたシリルを只者ではないと判断したのか、その提案を受け入れたのだった。



「貴様、名は?」


「シリルです」


「そうか……まあいい。貴様を倒せばあのシキという奴を叩きのめし、アルトを返してもらうぞ!」



そう言いながら、リラは背負っていた大剣を地面に突き刺すと、腰に携えていた剣を鞘から抜き取った。


しかし、地に突き刺した大剣を持つことはなくリラが構えるのは一本の剣のみ。


対してシリルは『魔剣テルヌーラ』を出さずに両手に黒い手袋をつけて、冒険者内にあった武器屋から購入した一般的な剣を持つ。本当に普通の鉄の剣である。


剣を扱う相手に鉄の剣で戦おうとするシリルにリラは眉をひそめながら構えていた剣を下へと降ろし言う。



「何をやっている?先程あの剣を使っていただろう。恐らく聖剣……いや、魔剣か。剣を出すまで待ってやる」


「必要ないよ。鉄の剣(これ)で十分っ」


「ほぅ……まあいい。私も超大剣(ロンハルト)は使わないでおこう」



ロンハルト。


大剣の中でも大きさ・長さ・重さ・強度を誇る超大剣だ。


ロンハルトは『聖剣』ではあるが、これは幾つもの有名な鍛冶職人達がどんなモンスターにでも倒せる理想的な武器をと願い作られ、生み出された武器である。これには鍛冶の神も施されたとも言われている。この『聖剣』ロンハルトを知るものは『聖剣』の祖。原点とも称された(いにしえ)の武器の一つだ。


しかし、この『聖剣』ロンハルトの問題点が一つあった。


一つだけではない。この一つの問題点がこの『聖剣』の使用者がリラになるまで一人も現れなかったのだ。


その問題とは、重さ、である。


あまりにも大きすぎる、そして重すぎる為に幾度の名のある騎士・戦士・冒険者、そして勇者達誰一人持つ事は出来なかったのだ。


しかし、唯一リラはそのロンハルトを完全に自分の物としたのだ。元々彼女は天賦の才能があり、見た目からしてわからないであろう強靭な身体に恵まれていたのだろう。それだけではなく、自分自身を研く事を忘れない努力もあった。


誰も扱えなかったその超大剣ロンハルトを使った戦闘はあまりにも鬼神の如く力強い様から、自国の騎士達だけでなく敵国、その他の国々から『剛剣』と異名をつけられたのだ。


その『剛剣』の事を知っている観戦者達からはこの戦いでどの様なものを見せてくれるのかと期待している。相手がリラの動きを止めたシリルだからなのだろう。



「(まさか、あの『剛剣』と戦う事になるなんてね……)」



シリルも当然、『剛剣』の事は知っている。


何故なら、彼も『剛剣』の活躍から自分もその様な騎士になりたいと夢を見ていた事があるからだ。


かつて、通っていた学園でも学生達からは憧れの存在。


まさか、その『剛剣』が女性だった事は驚きはしたが今は自分の主人(マスター)に剣を向けた敵だ。シリル自身もあの時、リラが本気でシキの首を取りにいった訳ではないとはわかっていた。が、剣を向けた時点で相手が大英雄の『剛剣』であろうと関係なかったのだ。


その事を思いながらシリルから抑えていた闘気が滲み出ている。それを肌で感じたリラは剣を持つ手に自然と力が入った。



「(あの少年……まさか、あの歳でこれほどの闘気を……面白い!)」



今まで、自分が満足できる相手が居なかったのか、リラは自然とこれから始まる戦闘に無意識に心が踊ってしまう。だが、これはアルトを取り戻す戦いだ。


負けるわけにはいかない。



「両者、宜しいでしょうか?」



冒険者ギルドの職員がシリルとリラの間へ取り仕切る様に端へと立つ。因みにそのギルド職員は葵の受付けをしていたベリーショートな少女である。


二人は互いに睨み合いながらもギルド職員へと返答した。



「何時でも構わないぞ」


「おれもだいじょーぶだよ」



両者は何時でも動ける様に剣を構えながらも自然の構えをしている。ギルド職員であるベリーショートな少女は二人が開始の準備が完了しているのを確認すると、落ち着ける為に一つ深呼吸をする。


この世界では決闘等をする際、審判は開始の合図を送る前に深呼吸する事が暗黙の了解となっている。理由としてはその深呼吸は両者、観戦者達に向けての合図でもあるらしい。その証拠に観戦者達もギルド職員がゆっくりと深呼吸に気付いたのか静まり返っていた。


深呼吸を終えると、開始の合図を告げる。



「では、始めっ!」



合図と共に、両者は地を蹴る。



「いざ、参るッ!」


「ーーーッ!」



剣が接触した瞬間、シリルとリラの戦いが始まったのであった。




~~~~~




「……これ、どうすりゃいいんだよ」


エマは悩んでいた。


今は移動して既に空海都市マージナルへと無事に入国し、『勇者』共が来ているという話であったがどうやらまだ到着していないらしい。まあ、検問らしき者達が休憩している所を盗み聞きをしていたので初めて知ったのだが。


エマはそれを聞いて『勇者』達が到着するまでこのマージナルをぶらぶらと歩きながら退屈凌ぎに散歩をしていた。


だが、背負っている大きな袋には大きな翡翠色の卵が入っている。


エマはその卵が入った袋を背負いながらもこれをどうするか考えながら歩いていた。


今のエマの服装は騎士の鎧を纏ってはおらず、下に着ていたのであろう今時の中性的なパンク系ファッションを着用している。それだけならクールな少女としか見えないだろうが、男が話しかけようとすると射殺されてしまいそうな凄まじい眼力を向けられる為に誰もエマに近づこうとはしなかった。それさえなければ比較的にヤンチャそうな可愛い少女なのだが……。


彼女自身、男等どうでもよく今は背負う卵をどうすればいいかが重要となっていた。


あのままあの場所へと放置すれば良かったのかもしれないが、彼女自身後味が悪いと感じ思わず袋に入れてここまで持ってきてしまったのだ。



「(はぁ……これ、置いとけばよかったか?……あのままにしてたら……他のモンスターに食われていたかもしれねぇし……でも、この卵が孵ったら……あ゛~~~めんどくセェーーーっ!!!)」



エマは頭の中で葛藤しながら歩いていると、ふと冒険者ギルドの裏にある施設、闘技場へと目を向けてしまう。その闘技場から何やら強者の匂いがしたのだ。



「へぇ……中々面白そうじゃねぇか。よしっ、行くかッ!」



彼女は背負っている卵が入っている袋を片手に持ち変えると、久々に現れた強者の顔を拝もうとその闘技場方へと向かうのであった。





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質問(キャラクターに対しての)も受け付けています!

その他にも質問があればドンドンどうぞー!

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さてさて、次は勇者達かな~?

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