空海都市マージナル
前回のあらすじぃぃぃぃぃぃぃぃい!!!
『ある組織のー』
『王さまー』
『ある2体の伝説モンスター!』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
空海都市、マージナル。
それは空海都市と呼ぶに相応しい場所に存在している。
都市の中でも只広いだけではなく、上下に関しても広い大都市でもあるのだ。
海にも近く、空にも近い。
高い崖の上に立つ場所には空海挺が幾つも駐車しており、定期船だけではなく個人で所有しているものもあるだろう。
そもそも空海挺とは、見た目は船とそう変わりはない。だが、全て同じではないのだ。
両側と後ろには大きな飛行機エンジンの様なものが設置されている。地球にある様なエンジンではなく、それよりかは劣るものではあるが動くことは間違いないだろう。だが、飛行速度に関しては地球よりかは遅いようだ。
因みにだが、このマージナルから『カグヤ』だけではなくその他の一部の国にも行来できるらしい。
だが、『カグヤ』以外に行くのであれば空挺だけでいいだろう。しかし、『カグヤ』は空海挺しか行けないのだ。その理由として道中には空が常に酷く荒れ狂っている場所を通らなければならない。なら、最初から海から行けばいいのではないかと言われるだろうがその海にも場所にはよっては高ランクモンスターが群れとして存在している。
空と海を交互に行き分けて行くしかないので、空海挺なのだ。
そしてシキ達は今、約二時間程で空海都市マージナルへと到着していた。そしてその都市へと入る為に検問で馬車の引きながら待っていたのだ。
馬車を牽いているのは『ロット』こと、ランスロットである。
ランスロットは[箱庭]で生活してきた影響なのか『クラウィンウス』へと独自に進化したのだ。
『クラウィンウス』というモンスターは、天候を操ると言われる伝説や神話で登場する存在。特に風や雲を使った魔法が最も得意らしく、[箱庭]では天馬の様に空を駆け巡り雲を纏わせて小鳥達の溜り場にしていた位だ。
今は何処にでもいる馬の姿をしているが、本来は大きさは変わらないものの碧の身体に疾風の様な緑色の紋様が入っている。そして鬣や尾は雲の様に白くふわふわしているのだ。
ーーーぶるるっ♪
「ロットさん、随分嬉しそうだね」
ロットを操縦しているのは猫耳黒スーツ少年、シリルである。前までは馬の操縦もロクに出来なかったのだが、今ではロットのお陰で大分上達しているのだ。
「あ、あいりす。これ……どう、なの?」
「うん!マシロすっごくかわいいよ!」
「なっ!なのなのぉ~……」
一方、ロットが牽いている大きな馬車ではマシロが狐耳尻尾を引っ込めた外見[人族]になっている様子を見てアイリスは輝かしく褒めていた。マシロは褒められた為か顔を真っ赤にさせながらアイリスに奥ゆかしくも身体を寄せていたのだ。仲の良い二人だがマシロにとってみれば恋と同様なものだろう。
まあ、アイリスは義理とはいえ父親であるシキに何処となく似てきているからか鈍感なのかもしれない。
その近くでは微笑ましそうに二人の娘を眺めているシキであったが、左右にはリゼットとアルトレア。
膝の中にはちょこんとスミリアがシキに少し凭れながらも寛いでいる。頭にはスライム姿のラヴィがぽよんっと乗りながら居眠りをしていた。
葵は護衛する為に馬車から降りて横で立っている。クリムは小さなドラゴンの姿なのだが注目を浴びてしまう為に葵が着用していたシリルと同じ黒スーツの中に心地良さそうにいる。だがそのままでも目立つので気配遮断や認識阻害で他の人達から認識されないのだ。
ここでだが、リゼット・アルトレア・スミリアの左手の薬指には一際目立った美しさではないものの非常に綺麗な指輪がはめられている。
そう、結婚指輪だ。
これは『奈落の迷宮』で入手した幻の鉱石と言われるものでシキ自らの手で作った指輪なのである。
幻の鉱石、『エクラストス鉱石』。
銀色の鉱石であるが、鉱石の中でも最も数が少なく強固なものであり加工が不可能と言われている鉱物。歴史上その『エクラストス鉱石』を加工しようと数多の職人が試みたが削る事すらも不可能であった。これからの未来どれ程人類の技術が発展しようと人の手では傷一つつけられないと言わしめる程の代物である。只でさえ重すぎるので取り出す事も叶わないのだ。
『奈落の迷宮』で手に入れた『エクラストス鉱石』は簡単に持つことは可能だったが、シキにとって最も苦戦したのがその加工なのだ。だが、固くて……等々の理由ではなく単に一度溶かして指輪の形にする工程でシキ自信が納得する物が中々出来上がらなかったという理由である。
『エクラスト鉱石』で作ったのは結婚指輪だけではなく可愛らしいネックレスとしてアイリスとマシロにあげたのだ。その証拠に娘二人の首には『エクラスト鉱石』で作り出されたネックレスが下げている。
念の為に述べておくが『エクラスト鉱石』が希少で加工不可能なものだとはシキ本人は全く知らない。
シキは人類では不可能とされていた『エクラスト鉱石』の加工を意図も容易くやってのけてしまったのだ……。
閑話休題。
後数人で検問の番となる。
そろそろマージナルへと入れるのかとシキが思っていると右胸にもたれながやある本を読んでいるリゼットがある事を聞いてきたのだ。
「なあシキ」
「ん?」
「あの空海挺って乗り物で『カグヤ』まで行くんだよな?」
「そうだけど……どうしたの?」
「いや、すげぇなぁって」
リゼットは馬車からでも見える大きな旅客船の様な空海挺を興味深そうに見ていた。考えてみればリゼットだけではなくアルトレアやスミリア達も初めて見る乗り物なのだ。シキは『あちら』の世界でも似たような乗り物を知っているので特に驚きはしないが、葵にとってみればファンタジー感のある乗り物は中々心をくすぐるだろう。
シキの右肩からから右胸にもたれてきたアルトレアはとても嬉しそうにこう言う。
「これって……新婚旅行ですよねっ!」
「こらこら、アル殿。本来の目的は……」
「あ、そうでしたね……すみません。……シキさんに結婚のプロポーズされてから……ちょっと舞い上がってたみたいです……」
アルトレアの発言にアルトレア本人だけではなくリゼットとスミリアの三人はシキに改めて結婚のプロポーズ、そして結婚指輪を薬指にはめてもらった事を思い出す。
しかも、その結婚指輪はシキ本人が作ったものだ。
三人はそれを思い出してしまった事により、恥ずかしそうに頬を染めたり、照れたり等してしまう。
だが、最も恥ずかしそうにしていたのはシキであった。
もう、完全に顔を真っ赤っかになっている。こんなシキは初めてで先程まで恥ずかしがってたリゼット・アルトレア・スミリアの三人はその愛らしい様子を見ながら更に身を寄せる。
これからの将来、彼女達はアイリスとマシロの二人の母親として、妻として最愛の夫であるシキを永久に共に愛し歩んでいこうと心に決めるように……。
「はい、確認できました。ようこそ、空海都市マージナルへ!」
どうやら、検問も無事に終わった様だ。
そして、シキ達は空海都市マージナルへ到着するのであった。
~~~~~
空海都市マージナルから離れた大きな岩が入り乱れている目立たない海岸。
一目につかない場所にに、一人の騎士の姿をした人物が海面に立つ馬から降り立った。
馬は単なるモンスターではないことは、海面に沈まずに立っている事からわかるだろう。
名は『ケルピリア』という馬のモンスターである。見た目は水晶の様に美しい身体に鬣と尾は荒れ狂う水の流れを表すように長くキラキラとした水色。海や水の馬と言われれば『ケルピー』を思い浮かべるだろうが、その『ケルピー』が数回に渡って進化した姿でもある。
神話で海の女神が愛用していた馬と言われており、数としては今いるこの『ケルピリア』位かもしれない。
ーーーブルルっ!
「サンキューな、『ディラン』」
『ケルピリア』の『ディラン』から降り立った人物、エマは感謝する様に『ディラン』の頭を少し荒く撫でる。荒そうに見えるが『ディラン』からしたらその荒さが丁度気持ち良い様だ。
エマは『ディラン』の頭を撫でるのを止めると目的地である空海都市マージナルへと歩もうとする。
そんな時であった。
「……あ?」
突如として海が大きく波が揺れ、大きく膨れ上がるとそこから一体の龍がエマ達に威嚇をしながら現れたのだ。
ーーーギシャシャシャァァァ!!!
その龍は『ペンテヘマ』と呼ばれる倭国『カグヤ』では非常に珍しく幻のモンスターと言われている。
『ペンテヘマ』は東洋風の龍の見た目であり、首には赤・青・黄・緑・白の五つの宝玉が首についている。その宝玉は値を値をつけられない程の価値のあるものだが、『ペンテヘマ』自体が冒険者ギルドでSSS-のランクがつく程なのだ。倒した事例は確かにあるのだが、それはある小国の軍隊を使ってギリギリで倒せたという事らしい。
それほど凄まじく強さを誇る『ペンテヘマ』はまだ若い位の大きさである。しかし、そんな『ペンテヘマ』を目にしてエマは取り乱す事もなく静かにそのモンスターを見ていた。
ギャアギャア煩く今にも襲い掛かろうとしていた『ペンテヘマ』だったが、それが目障りと苛ついたエマは射殺してしまいそうな眼力で睨み付ける。
「殺すぞ、テメェ」
ーーーギャッ!?
エマの只ならぬ殺気と眼力によって『ペンテヘマ』は彼女が明らかに自分よりも強いと理解すると怯んだ様に身体を後退させてしまう。『ペンテヘマ』は暫く唸り声を上げていたが数十秒もしたうちに尻尾を巻いて海の中へと退散した。
エマは『ディラン』をこの海岸から離れさせた後、足でマージナルへと向かう道中に沖に翡翠色の真珠の様な大きな卵を見つけたのだ。
大きさは地球のダチョウの卵の倍は確実にあるだろう。
「……何だ、これは?」
エマは初めて見る不思議な大きな卵を両手で持つ。
これが、彼女にとってある出会いだということにまだ気付くよしもなかったのだった。
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