幕間 [箱庭]での日常《ある夜》
前回のあらすじぃぃぃぃぃぃい!
『[箱庭]の林へ!』
『捨てられた動物達、』
『命は大切に!』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
<夜>
[箱庭]では一日が終わり、静かな夜が訪れていた。
そしてシキ達が住まい、今は眠りについている家のある一室でシキの娘達であるアイリスとマシロが気持ち良さそうに仲良く一つのベッドで眠りについている。
因みに今日の夕食はパーティーっぽく豪華な食事となっていた。シキが作ったのはオムライスに肉じゃが・石焼きビビンバ・餃子・グラタン・寿司・カツ丼・魚の塩焼き・すき焼き・チキン南蛮・カレーライス・ハヤシライス・ラーメン・ロールキャベツ・野菜スープ・ハンバーグ・パスタ・ケーキ・フルーツの盛り合わせ等々、馬鹿みたいに大量に作ったのだ。食事の時はバイキングみたいになったのだがこれでも食材はまだまだ有り余っている。まあ、しっかりと冷凍や真空にして保存しているので傷んだりする事は無い。
これは特にアイリスとマシロがとても喜んだ。特にデザートがとても良かった様でよく食べていた。
シキはリゼット達が作ったお稲荷。
リゼットはハンバーグやカツ丼等のガッツリした物が大好物だ。
アルトレアはロールキャベツや野菜スープ、フルーツの盛り合わせ。
スミリアはオムライスにグラタン等子供が好きそうなものを。
シリルは魚の塩焼きに寿司を。
葵は肉じゃがやカレーライスといった日本食を。
クリムはリゼット同様に肉類が大好物。
ラヴィは基本食べ物は全て大好物らしい。
最後にはアイリスとマシロが満腹で眠った時にはスミリア自家製のワインをスミリア本人とクリム、ラヴィの三人が楽しそうに呑んでいた。三人ともお酒には強い……ラヴィの場合は酔うとかはないが気分的にたのしいようだ。
勿論、この膨大な食事をシキ達だけでは食べきれないので[箱庭]の林から呼んだ動物達に加え他の動物達も食事に参加した。それでもやっと食べきれたのだが……。
この事が切っ掛けで葵と[箱庭]の林の動物達と打ち解けた様だ。
閑話休題。
いつもより少し早く眠ったアイリスとマシロだったが、この時マシロはベッドの毛布からひょっこり起き上がった。
今は深夜頃の時間帯だろう。
他の部屋ではシキ達も就寝している。他の動物達も元の場所へと帰った様だ。
「(う~……ねるまえにおトイレいくのわすれてたなの……)」
マシロは横に眠るアイリスを起こさぬ様にベッドから降りるとお手洗いのある場所へと向かう。
そのお手洗いに向かう途中、マシロは少しビクビクしながら歩いていた。
「うぅ……くらいの、こわいなのぉ……」
『イヒヒィ……』
『アハハ……』
『エヘヘ……』
「ヒッ!?、なの!?」
すると、何処からともなく誰かの声が聞こえてきたのだ。その声はシキ達のものではなく知らない声。もしシキ達の声であるならマシロが分からない訳がない。誰か全くわからないからこそ、余計に恐怖を感じてしまうのだ。
『アレアレ~?』
『ダレダレ~?』
『コドモ~?』
「ひ、ひやぁぁ……なの……」
マシロはここで力を使えば何とかなる筈なのに恐怖で腰を抜かしてそのままへたりこんでしまう。
その声が近づいてくると青い火の玉の様なものがゆらゆらとマシロへと近づいてくる。もう、マシロは既に今にも泣き出してしまいそうになっていた。
「だ、だれか……」
「マシロっ」
恐怖で闇の底へと沈みこんでしまいそうな時、マシロの名を呼ぶ声と共に自分の身体を何者かによって守られる様に抱き締められる。
「マシロ、だいじょうぶ?」
「アイ、リスなの?」
マシロの危機から救ったのはアイリスであった。
アイリスはまるで御伽噺でありそうな勇者の様に現れ、アイリスを闇の底から救いだしたのだ。
「うんっ!もうだいじょうぶだから……マシロはアイリスがまもるから」
「なの……」
思わず、マシロはその勇気あるアイリスに見惚れてしまう。本当ならマシロの方が強いのだが、この時のアイリスはそれ以上に頼もしく思えた。
アイリスは床に座り込んだマシロを守るように前に立つと右手には光の剣を、左手には闇の剣を生み出したのだ。
これはマシロは驚く事しか出来なかった。
その光の剣と闇の剣はシキの十八番の一つである技なのだから。
マシロはアイリスを見ながら何処かシキにほんの少し似ている様にも見えていた。
その技に三つの青い火の玉の様な物は動揺しているのか慌てた様にしている。だが、アイリスはマシロを泣かそうとした相手に敵意を抱いていた。
ここでアイリスとその三つの青い火の玉との戦闘が繰り広げられるか、と思われたがある三体の介入者が現れる。
『そこまでです』
『おやめなさい』
『止まって』
現れたのは業火を纏う犬や狼の様な四つ足の獣に水を纏った猫の様にしなやかな身体に背中から鳥の翼を持つ獣、そして身体に針鼠の様な長い刺から電気を放電させ、フェネックの様な長い耳を持つ眠たそうな獣だ。
三体とも美しく同じ大きさで女性の様な声が頭の中に語りかけてきた。
『主の娘様』
『剣をひきなさい』
『誤解』
そう言うと三体の獣は睨み付ける様にその三つの青い火の玉に視線を送る。それに気付いた三つの青い火の玉は元気が無さそうにふわふわとアイリスとマシロの元へと近づいていた。するとアイリスはその三つの青い火の玉を対して何か思い出したのだ。
「あなたたちって……たしか、とーさまといっしょにかくれてきたせいれいさん?」
『そうそう、ごめんねーこわがらせちゃった』
『こわかった……』
『ゆるして~』
そう、三つの青い火の玉はシキが連れてきた水の精霊であったのだ。何処で会ったのかは、前にシキと葵、シリルが[箱庭]に入る前にシキが相手をしていた泉の精霊でもある。その精霊達はシキの[箱庭]がとても広く、精霊やモンスター達にとっては楽園そのものであったので、その[箱庭]をこの時間でも探検していた、と言うことだったのだ。
とりあえず、敵ではなかったもののアイリスはマシロを泣かせようとした事に対しては精霊達から謝罪を要求した。精霊達は素直に悪かったと認め、マシロもそれを許したのだ。
精霊達との事を終えるとアイリスはその三体の獣を不思議そうに見る。
「あなたたちはだれ、なんですか?」
『何と言えば良いのでしょうか』
『私達は貴女達を守る存在』
『只それだけ』
その三体はそれぞれ言うとアイリスとマシロの元へと平伏す様に座る。いや、二人だけではなく今この場にやってくるであろう三体にとって神とも呼べる存在に。
「アイリス、マシロ大丈夫かっ?」
そう、現れたのは何故か着ぐるみパジャマに乙女らしい髪型のシキだ。
シキは二人に怪我は無いかと二人に駆け寄ると、特に危害は無かったのを確認するとホッと安心する。そしてこの場にいる精霊がこの[箱庭]に遊びに来ていた事で大体事情は察したが、問題は三体の獣である。その獣達は単なるモンスターではなく、精霊等に近く恐らくマシロやクリムと同等の存在を誇っているだろうか。だが、その三体の獣は敵意は全く無くむしろシキに対して絶対的な忠義を誓っている様にも見える。
しかし、シキにとってみればその三体については全く知らない様でアイリスとマシロを庇う様に立つ。まあ、シキであればその三体の獣を一瞬よりも一瞬で始末できるだろう。
「君達は……?」
シキが声を掛けると三体の獣達は伏せていた顔を上げるとテレパシーで言葉を放つ。
『我らが主よ、御会いできて光栄です』
『我らは貴方様の下僕』
『ん、うれしい』
「とーさま、知ってるの?」
「なの?」
「ん~……?」
アイリスとマシロが訊ねるがシキはこの三体の獣については心当たりがありそうで考える。
シキはこの三体の獣は敵ではなく、むしろ何処かで……いや、絶対に知っている存在だとは直感で理解している。だが、見た目だけでなく魔力・存在・その他も知らないのだ。いや、どちらかといえばこの獣達からは知っているものがあるのだが、その知っているもの幾つものものが一つに纏めあげられた様な存在。
だが、その知っているその数々の存在から一つわかった事があった。
そう、その獣達から知る気配はかつて[箱庭]の林にある数々の墓の下で眠っている動物達の気配だったのだ。
『わかりませんか、主よ』
『我らは、我らが死した後それぞれ一つになりましたからわからないのも仕方が無いでしょう』
『今日のお供え物、美味しかった』
「……まさか」
シキはやっと理解し、この三体の獣達の正体を理解する。
その獣達は、既に亡くなった動物達が霊となって炎の獣、水の獣、雷の獣の三体になったのだ。だが、その亡くなった動物達はシキに一度も心を開ける事なく死んでしまった筈。シキにとっては心残りな事だったのだが……あの動物達がこの三体の獣になっていたとは……。
「えっと……何で?」
『我らが死した後、主は毎日掻かさず我らが眠る場所を手入れやお供え物を頂きました』
『そして貴方様だけでなく、貴方様の奥様方にそこにいらっしゃるアイリス様とマシロ様達にも御世話して頂きましたね』
『嬉しかったっ』
どうやら、この三体の獣は生前は心を閉ざしていたが死後では[箱庭]の林にいる仲間達を見守る為に霊としてこの世に留まっていたらしい。だが、シキは亡くなった自分達の為に墓を作りお供え物を添えたり等をしているのを目の当たりにしてようやく心を開いた様だ。そこで三体の獣はシキに恩返しがしたいと思ったがそれをするにはそれぞれの霊を一つになって新たな存在として生まれ変わった、ということだった。
とりあえず詳しい話は後日する事にして先に我慢が限界になりそうだったマシロをアイリスと共にお手洗いを済ませる事にする。そして二人を部屋へと送った後、シキは三体の獣に名前について訊ねた。
すると炎の獣は代表してこう返したのだ。
『主よ。我らの名を授けていただけると……幸いです』
ということで、シキは三体の獣にこう名付ける事にした。
炎の獣をエンカ。
水の獣はスイジン。
雷の獣はライデン、と名付ける事になった。
『主よ、感謝いたします……ッ!我……私の名はエンカ』
『スイジン、ですか。いいですっ』
『ライデン……名前、ライデン……♪』
「じゃあ、また後日話そうか。それでいいかい?」
『『『はっ!』』』
『じゃぁ~、ぼくたちもねよっかー』
『そうだねっ』
『そうしよう!』
シキが自室へと戻るのと同時にエンカ達と水の精霊達はそれぞれ各場所へと戻っていくのであった。
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次回は、いよいよ新章ですっ!




