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幕間 [箱庭]での日常《ある朝》


うぅ……新たな小説を投稿したいけど、これを終わらせないと……っ!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

前々回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!


『かつての真序列』


『謝罪』


『これから……?』


のどんっ!ι(`ロ´)ノ


〈朝〉






静かに夜が明けた早朝、シキ達が[箱庭]で生活している拠点でもある大きな部屋の中ではリゼット達が朝食の用意を始めていた。朝食でリゼット・アルトレア・スミリアの三人は炊きたての白米を酢の代わりとなる調味料と胡麻を加え、酢飯を作っている。酢飯だけではなく肉と野菜を煮込みあっさりとした味わいのあるスープに、[箱庭]の泉で釣れた魚を塩焼きもある。


酢飯を作り終えると、三人は近くに置いている甘辛く煮ていた油揚げを取るとその酢飯をその中へと入れ込んでいく。


そう、彼女達はシキの大好物の一つである稲荷鮨を作っているのである。これを食べる時のシキは祝福に満ちた表情をしながら食べるのだ。前にも一度食べた時も感激しながら食べていたのだが、それはマシロも大好物な様だったがアイリスも一度食べて虜になってしまったらしい。シキと同郷でもある葵にも好評なのは間違いないだろう。


三人は料理は殆どした事は無かったが、[箱庭]に来てからずっと料理の修行をしていた。その結果として料理の上達はメキメキと上達していったのだ。誰かに美味しく食べてほしい、愛する夫と子達の為に頑張った成果だろう。


そろそろ朝食の準備が終わろうとしていた頃、二階から一人の人物が下りてくる。



「あっ、おはようございます。奥様方。すみません、従者なのに……」



「おう、おはよう葵。昨日の特訓は流石に堪えただろ?オレも最初の頃はその場でぶっ倒れていたからな」


「そうですよね~。リゼは倒れた後そのまま寝ちゃいましたからね」


「仕方が無いでしょう。ラヴィ様だけではなく、シキも加わった修行は地獄よりも過酷なものですから……あ、葵殿、まだ他の者達が眠っているので起こしてくれませんか?」


「はい、わかりました」



葵はスミリアの頼みを承諾するとまだ眠っているシキ達を起こしに二階へと再び行くのであった。



~~~~~



「御主人様~?入りますよ~」



葵は目の前にある扉をノックするが返事が無い為、声を掛けても同様だった。なので、一応入る事を伝えたのでシキの部屋へと入る事にする。



「失礼します……」



そろりとなるべく静かに部屋へと入るとそこは大きなベッドのある寝室であった。この部屋はシキの寝室ではあるが同時にリゼット・アルトレア・スミリアの寝室でもあるのだ。


そしてその大きな白いベッドの中には毛布に少し被さってはいるものの細く長いモデル顔負けの美しい足が現れていたのだ。そしてそれを辿ると大事な部分は柔らかな毛布で隠れているがそれ以外は一糸纏わず姿であどけない表情で安らかに寝音を立てながら眠るシキがいた。


これが[箱庭]のこの家でしか見せないシキの姿なのである。


寝る時は服や下着を一切着用しないという……。



「(うわぁ……また御主人様は裸か……もう本当に心臓に悪いんだよなぁ……。髪も乱れているし、もう……エロいんですよ。肌も白くて綺麗だし……身体つきも女性しか見えない……。同性なのにドキドキしちゃうのは仕方が無いよねぇ……)」



この[箱庭]にいる女性、リゼット・アルトレア・スミリアだけでなくクリムやラヴィも美人なのではあるが、だがシキの容姿の前には負けてしまう。だからだろうか、前まで女性に緊張しやすかった葵はシキとの出会い関わった事で耐性がついてきているも感じている。


葵は心を落ち着かせる為に一度深呼吸をした後、シキを起こすように行動する。



「御主人様、御主人様っ!朝ですよっ!」



シキの身体を揺らして起こすように声を掛ける葵はシキの肌を触った時にその柔らかですべすべした感覚にまたドキッとしてしまうが、同時に「うぅ……ん……」と寝惚けながらもシキはよくやく目を覚まし上半身を起こす。



「…ん……葵?」



今のシキは裸のままで髪も何もしていない。その為に昔の様に癖っ毛貞子の様になってしまいそうになっていた。だが、前髪は顔が隠れる事なく、片目が隠れる様な髪型となってしまっている。これはリゼット達に髪を弄られている為からか髪がそう記憶してしまっているのだろうか。その為に癖っ毛貞子ではなく、クールビューティな女性にも見えるだろう。



「御主人様、朝ですよ」


「……わかった」



寝起きのシキは実に素直だ。


寝惚けながら欠伸をすると、シキはうつらうつらしながら眠そうにしながら[空間庫]から下着を取り出すとベッドの中で着替えだす。流石に葵の見ている前で全裸の状態で着替える事はしなかった。


着替えながらシキは葵に言う。



「俺はアイリス達を起こしに行くよ。葵はシリルとクリムを起こしてくれないか?」


「わかりました!」



そうして次は近くのシリルの部屋へと向かうのであった。



~~~~~



「シリル、起きてる~?」



扉をノックした後に部屋にいるであろうシリルに声を掛ける。だが、どうやら起きてはいる様なのだが、何やら慌ただしくしている様だ。



『あ、葵っ!?ちょっ、あっ、しまっ!?』



ゴテンっ!



どうやらシリルが転けた様な音がした。


何だ何だと葵は慌ててシリルの部屋へと入ると、そこには……。



「……シリル?」



女装姿をしていたシリルの姿があったのだ。


服装はセーラ服なのだが、これがシリルに絶妙に似合っているのだ。髪もそこそこ長いので両側で結っており可愛らしい。だが、葵が来た事に慌てたのか着替えようと片足の白い靴下が脱げていた。もう片方は完全には脱げていなく、恐らくその脱ぐのにもたついて誤って転けてしまったのだろう。


……何故朝一番に女装しているのだろうか?


今の状況が理解できない葵は思考が停止してしまったが、よく考えれば前にラヴィ達から女装させた時に何やらハマってしまった等と呟いていた事を思い出した。


それを察した葵はとりあえずシリルに微妙な表情をするしかなかった。



「シリル……」


「ち、違うんだっ!えっと、その……」



シリルは必死に言い訳を考えている様だが、今の状況でどういっても説得力が無いとわかっているので猫耳と尻尾が元気が無いように下に下がってしまっている。



「……シリル、朝食だから」


「うん……先いっといて……」



女装を見られてショックなのか恥ずかしいのかはわからないが葵は一先ずシリルの部屋を後にするのであった。



~~~~~



「クリムさん?朝ですよー」



まあ、前と同様にクリムの部屋の前で呼び掛けるが反応が無い。あまりにも返事も無く、静かだったので仕方がなくクリムの部屋へ入る事にする。



「クリムさん……?」



クリムの部屋はそれほど目立ったものは無く、唯一いるのであろうベッドの上、毛布が膨らみがあるのだ。恐らくまだクリムは寝ているのであろう。



「クリムさん、起きて……わっ!?」



毛布に手を伸ばそうとした瞬間、その手を毛布の隙間から現れた手に捕まれるとそのまま中へと引きずり込まれてしまう。


葵は抵抗する暇もなくその毛布の中へと誘われてしまった。



「なっ、何が……」


「おはよう、葵」


「っ!?クリムさん!?」



毛布の中なので真っ暗ではあるもののこの様な事をした者は直ぐにわかった。


クリムが寝ている振りをして葵を誘い込んだのだ。



「く、クリムさん……朝で……」


「まあ待つのだ。後5分、葵を抱き締めさせてくれ!」



暗くて良く分からなかったが『永久之右眼(エターナル・アイ)』で今の暗闇の状況がわかってしまう、見えてしまうのだ。


今の状況は、裸のクリムが葵を抱き締めていたのだ。



「~~~ッ!?!?」


「?……そうか。我の裸をその右眼で見たのだな?どうだ、我の裸体は中々のものだと思うのだが……欲情したか?」


「あわわわわ……!?!?」


「~~~♪」



クリムは暫く葵を抱き締めながらその彼の反応を愛しそうに見るのであった。



~~~~~



「もぐもぐ……どうしたんだ、葵?」


「どうしたのー?」


「なのー?」



朝食時、シキは嬉しそうに狐耳と尻尾を出してフリフリさせながら稲荷鮨を食べていると様子のおかしい葵に声を掛ける。葵はというと、先程クリムに全裸で抱きつかれた事に同様を隠せないのか顔を真っ赤にしながらリゼット達が作ったスープを啜る。



「いえ、何でも無いです……」


「~~~♪」


「(クリムは機嫌が良さそうではないか。まあ、葵の反応からするにクリムが大胆な行動をしたのであろうな)」



ラヴィの予想通りクリムはとても機嫌が良さそうに葵を愛しく眺めながら食事をするのであった。








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