そんなこんなで一ヶ月後ですッ!
シキ、話しますっ!
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前回とあらすじぃぃぃぃぃぃい!!!
『昔の真序列!』
『葵の父親も真序列っ!?』
『叶えられなかった夢を……』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
[箱庭]に来て早一ヶ月が経った頃、僕は開けた草原の中で特訓を行っていた。その特訓の内容はシキさんから指示されていて、主に体術や剣術等の基礎基本を徹底。それに加えてある力を扱える為の修業も行っていた。
けど、この場にいるのは僕とシリルのみ。
シキさんはやる事があるらしく部屋で籠っている様だ。
そしてシキさんの奥様達も各自で趣味等をしている。
リゼット様は家の近くにある畑で作っている野菜等を確認する為に巡回や栽培をしているようだ。今一番力を入れているのが何と、大豆だということだ。これには理由があって、どうやらシキさんは油揚げが大好物らしくそれを食べてもらおうと頑張って作っているということだ。加えてアイリスちゃん達が好んでいる野菜も作っている。
アルトレア様は薬を作ったり、この[箱庭]にいる動物達の御世話もしているらしい。まあお医者さんの様な事をしているのだ。加えてアイリスちゃん達の為に編み物もしている。それにアイリスちゃん達に勉強等も教えているのだ。シキさんから聞いたのだがアルトレア様は元々貴族の出身らしい。だが、それより驚いたのが元男だったという事が強烈だったな……。
スミリア様は近くにある酒蔵でオリジナルの酒を作っている。やはりドワーフなのかお酒が好きな様だ。因みにスミリア様は小学生位にしか見えないが既に20歳を過ぎているので未成年ではない。出来たお酒はスミリア様とシキさんの姉であるラヴィ様、そして、クリムさんと一緒に夜に呑んでいる。シキさん達はまだ未成年なので一滴も呑んでいない。勿論僕もだ。更に酒造りだけではなく家具等も作っているのだ。あの家や酒蔵等の建築物は全てスミリア様が考えてたらしい。
「……ふぅ」
朝早くから起床して約二時間の特訓には大分慣れてきた。身体も能力に振り回されずになっている事から身体的にもかなり強くなっていると思う。最初は自分がどうなっているかを『ステータスプレート』で見ればいいのだが、それはシキさんに没収されてしまっている。シキさん曰く、ステータスに載っている能力は殆ど宛にならないということだった。それは他の皆も同じらしく首から『ステータスプレート』を下げてはいるものの殆どアクセサリー位にしか思っていないと思う。
そろそろ時間が経つので特訓は終了する事にする。するとシリルが僕の方へとやってきた。先程までやっていたのはシリルとの組み手で、年下でありながら鋭い一撃と瞬発力が凄いので避けるのがやっとだ。でも最近は反撃する様にもなってきたんじゃないかな。
「葵っ、さっきの凄かったよっ。全く反応が出来なかったっ!」
「そうかな?」
「うんっ!御主人がいたら驚いてたと思うよっ」
どうやら客観的にも強くなっているのは見えている様だ。確かに一々『ステータスプレート』を見ながらあれこれ考えるよりかとりあえず身体を動かす方がいいのかもしれないと最近思い始めていた。
一旦休憩して、家へと帰ろうとするとアイリスちゃんとマシロちゃんが一緒に手を繋いでこちらへとやってきた。
余談ではあるが、アイリスちゃんとマシロちゃんはシキさん達の本当の子供ではない。けど、シキさん達にとっては二人を本当の子供の様に愛している。それはこの一ヶ月間僕もこの目で見てわかるのだ。
「しりるさん~っ、あおいさん~っ!」
「なの~っ!」
どうやら二人は僕達を探しに来ていた様だ。
「アイリスちゃん、マシロちゃん。どうしたの?」
「えっとねっ。とーさまがあおいさんをよんできてってっ!」
「なにかだいじなはなしがあるっていってたの~」
「そうなんだ……わかった、ありがとうね」
「うんっ!」
「なのっ!」
本当にこの二人は元気が良いね。
それにしても大事な話ってなんだろうか。
まあ行ってみればわかるかな。
僕はシリルとアイリスちゃん、マシロちゃんと共にシキさんのいる家へと一緒に向かうのだった。
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「御主人様、葵です」
「入ってくれ」
僕は家に戻ると戻るとシキさんがいる部屋の前に声を掛ける。シリルとアイリスちゃん、マシロちゃんは一階で奥様達と共に朝食の用意を手伝っている。クリムさんも一緒に手伝っている……けど、シキさんやラヴィ様曰く全く料理はした事が無かったらしい。
クリムさんの手料理か……。
はっ!?今はそんな事を考えている時じゃないっ!
僕は扉を開けると椅子に座るシキさんがいた。その近くにはスライムの姿のラヴィ様もいたのだ。正直この二人が一緒にいるのは中々迫力のある。まあ、知らない人なら全く感じる事すら出来ないと思う。
「そこに座ってくれ」
「はいっ」
僕はテーブルを挟んで向かい合う様に椅子に座る。でも、面接とかそういうのではないのでそれほど緊張したものではない。だが、迫力はあるのだ。
「御主人様、大事な話って……?」
「まあ待つのだ、葵。……今から弟はお主にとって衝撃的な事を話すかもしれん。弟が言う前に問うぞっ、……覚悟はよいか?」
「……はい」
何を話すのかはわからないが、受け止められる気がする。気がするでは駄目なのかもしれないけど、今の僕はあの時の僕じゃないんだ。不安が無い訳じゃないけど……シキさんを見るに僕にとって大事な話なんだ。それを聞かない訳にはいかないっ。
するとシキさんはある事を質問した。
「君の……君の父親の事は知っているか?」
「……え?」
「君の父親、桜間剛さんだよ」
「ッ、何でお父さんの名前をっ!?」
僕は最初に聞かれた時にお父さんの事を最初に思ったが、けど後からあの今の父親の事をだと改めて認識していた。けど、まさか僕のお父さんの事を聞かれるとは思わなかったんだ。何故、お父さんの名前を知っているのだろうか?
「実は、ね。葵の父親……桜間さんとは仕事仲間だったんだ」
ああ、だからか。
そしてかつて夢?の中で出会ったお父さんの言葉を思い出していた。
『葵。お前は奴の従者となれ』
あのお父さんの言葉にあった奴とはシキさんの事はわかっている。だが、お父さんが話している時に何やら親しげにも感じていたのだ。その奴、シキさんとは面識があって頼れる存在だったんだろう。
それより、儺最も驚いたのがシキさんと同様の職業で働いていた事だ。お父さんは自分の仕事については聞かされていない。その組織については詳しくは聞いていないが、影ながら世界を守っている存在だと思っている。
シキさんの口振りからするとお父さんも何かしか特別な力を持っていた可能性も十分に高い。
「お父さんも……シキさんの所で働いていたんですか……?」
「あぁ、そうだ。桜間さんとは一時期仕事のパートナーでな。よく助けられたよ」
そうだったんだ……。
するとシキさんは僕にある事を話す。
「桜間さんとは、俺がまだ人と関わるのを嫌っていた時だったな」
「えっ、何でですか?」
「うん……まあ、『あちら』の世界で軍をやっていたのは知ってるよね?まだその軍本部で働いていた時に恋人が居たんだけど……見事に……ね。他にもいろいろあって逃げる様に地球の≪WAO≫へ転属願いを出したんだ。まあ色々条件があったけど、何とかその≪WAO≫に行った時には、俺は人間不振になっていたんだ。そこでも色々あって更に人間不振になって……そんな時に出会ったのが君の父親、桜間剛さんなんだよ」
シキさんにも色々と事情があった様だ。
よく聞いてみるとどうやらかなり酷く裏切られ振られた様だ。
ちょっとシキさんにこれまで付き合った女性の人数を聞くと、奥様達を除いて三人らしい。その三人全員が浮気だったということだ。
……いや、シキさんという恋人がいるのに浮気とか、嘘でしょ。何が不満だったんだろう?今のシキさん達を見てみると良い夫として父親として理想的な筈だ。どれだけ用事があっても妻子優先だし……その、夜だって……あの、その……凄い……らしい……。クリムさんから聞いたんだけど、僕やシリルが居なかった時は一週間は軽くぶっ続けでしていた事もよくあったらしい。……お風呂でシキさんから聞いてみるとそれは疲れたとかそういうのは無いらしいよ……。確かに、女性なら誰でも満足させそうだし……もう、そこも最強なんだね……。
……コホンっ。
その恋人については一人はそのシキさんがいう『あちら』の世界の住人、あと二人は地球の日本人だということだった。
けど、意外にも貞操観念の意識が高いようで奥様達以外とは交わった事が無いらしい。
今は数年しか経っていないけど、もうその恋人達には未練も無く、正直どうでもいいらしい。今は奥様達と子供達が一番大事だと断言していた。その証拠に奥様達、子供達も心の底から楽しそうだし幸せそうだ。
話は戻ると、シキさんが『深淵』ではなく『剣舞』と呼ばれていた数年前の話だ。その時、お父さんは『支援』というコードネームがあったらしい。名の通りに支援に特化していてそこでシキさんと相棒となり活躍していたらしい。
それはほんの数年前の話で、その時は僕やシキさんは中学生一年生位だ。
当時は≪WAO≫という組織の『真序列』が黄金時代と呼ばれていた程のシキさんを含む強者がいたらしい。
「本当に最強ではないかと影ながら言われていた時代だね。でも、そんな最強とも呼ばれていた『真序列』があんな形で崩壊するとは思わなかった……」
そしてシキさんはかつての≪WAO≫の『真序列』について語り出すのであった。
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