☆暗躍する者達
前回のあらすじぃぃぃぃぃぃい!!!
『混沌、逃げる!?』
『四大勢力!』
『≪理想≫の標的は日本っ!?』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
「や、やめてくれぇ……」
「わ、悪かったっ!ゆ、許してくれッ」
「裏切らねぇ、もう、絶対裏切らねぇからぁぁっ!」
暗い暗いある場所である組織の男達が身体を震わせて、解りやすい程の恐怖に陥っていた。
彼等は世界的にも名の知れた犯罪組織の一つに所属している者達。
誰しもがその名を聞けば恐怖を感じてしまうだろう。
しかし、そんな彼等はある存在に対して絶対に敵に回してはいけない存在を敵にしてしまったのだ。
その存在とは彼等の前に立つ一人の人物。
「おいおいー、≪理想≫を裏切ろうとしたらーどうなるかわかってんだろぅ?ならよぉー、覚悟は決めなくちゃぁいけねぇよなぁ~?」
「ま、まってくれ、『破壊』ッ!確かに俺達が悪かったッ!だ、だが、命だけは許してくれッ!なっ、何でもするからッ!」
「何でも、ねぇ……。なら、死になよッ」
「……ッ!?!?……ぁ……」
『破壊』と言われた女性は命乞いをする組織のボスらしき男の鳩尾を一瞬で片手で掴むとそのまま力を入れる。それだけで、その男の身体は握り潰されたかの様に肉片と鮮血が辺りに飛び散った。
辺りにはそのボスであろう肉片や内蔵・眼球・指等が飛び散っているのだが、それを見たボスの部下達は恐怖に狂った様に叫び出す。
「う、うわぁぁぁぁぁぁあ!?!?」
「死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない!!!」
「あ゛ぁぁぁぁぁぁあ!?!?」
「……めんどクセーなぁ、おい」
そんな狂った彼等を面倒臭そうな、詰まらなそうな表情をしながらその泣き叫んでいるボスの部下達を1秒足らずで殴り、蹴飛ばし、叩き付ける。
「ギャッ!?」
「ア゛っ!?」
「や゛め゛ッ!?!?」
「ガッ!?」
その部下達は一瞬にしてボスと同様に肉片と変わり果てていた。
「……はぁ、よぇえなぁ……ったく……中々つえぇマフィアだって聞いてたのによぉー」
『破壊』は頭に被っていた魔女の様なとんがり帽子を被り直すと後ろにも先程とは違う組織の者達が恐怖で声を失いながら腰を抜かしていた。
『破壊』の見た目は魔女の様な格好をしている。しかし、『破壊』は御伽噺でありそうな老いた女性ではなく見た目は若い。
容姿は艶やかな茶髪に、黒目。女性にしては体格が良く、手足に鍛えられたであろう筋肉が際立っていた。例えるなら魔女の格好をしたアマゾネス、という方がわかりやすいだろうか。魔女の格好と言っても似ているだけで、戦闘面では非常に動きやすそうな露出がある服装だ。
そんな『破壊』を見ていた彼等は女性としては肉食系の様で中々魅力的にも見えるだろう。彼女が一瞬にして葬ったマフィアの連中はもう見る影の無い有り様だ。その有り様が次は自分達もそうなってしまうと彼等全員が予知してしまう。
何故、あのマフィアだけではなく自分達もそうなってしまうのか。
答えは簡単。自分達も彼等と同様に≪理想≫を裏切ろうとしていたからだ。いや、それを先に持ち掛けてきたのは先程葬られたマフィアの連中。
それに乗ってしまったのが運の尽き。
そんな中、彼等の中に一人の男が発狂したかと思うと『破壊』に手に持っていた日本刀で斬りかかろうとしていた。
だが、それを気付かない『破壊』ではない。
降り下ろされた日本刀を彼女は快く、受け止めたのだ。
ーーーガ、パキンッ!
日本刀は、彼女の肉体を傷一つつける事が出来ずに簡単に折れてしまった。加えて男が握っていた日本刀の柄の手には血だらけとなっている。
どっちが、斬られたのかわからない。
勿論、『破壊』は何もしていない。
「な……っ!?」
「く、くくく……ふはははははッ!!!いいねぇ!無謀と知りながらも殺そうとするお前のその意思っ。アタイは好きだねぇッ!ならぁ、特別にぃ、楽しませてもらぉうかッ!!!」
『破壊』が楽しんで戦った数秒の間でそのもう一つの組織の者達も肉片となってしまった。
『破壊』は用が無くなったこの場所から離れようかと考えていた時にある黒装束の人物が現れる。
「『破壊』様、報告です」
「あん?あぁ、『ノワール』じゃないか。で、何だい、報告って」
「はい、『ブラン』から『混沌』が≪WAO≫総本部を襲撃した、と」
「何だと?」
『混沌』という言葉に反応した『破壊』は明らかに怒りの形相でただならぬ濃厚な殺気を撒き散らしている。
「あの『混沌』か。まさか≪WAO≫の総本部に襲撃するなんて……くくく……面白いねぇ。で、どうなったんだい?」
「『混沌』は逃げた様です。恐らく≪WAO≫の上が出てきたのだと思われます」
「なるほどねぇ……まさか≪WAO≫の上が出てきたのかい。『深淵』は居なかったのかい?」
「はい。確認は出来ませんでした。」
「……ということは、ボスの言う通り、『深淵』はこの世界には居ないらしいねぇ……まあ、『深淵』の事だ。必ず帰ってくるだろうねぇ……くくく……」
「『破壊』様?何処へ……」
「ボスの元さ。『深淵』が居ない今、どうするのかを改めて聞こうと思ってねぇ」
「わかりました。では」
黒装束の人物は報告し終えると闇に紛れる様に姿を消す。そして暗いこの場所で一人となった『破壊』は呟く様に言う。
「『深淵』……アンタが居ないと寂しぃねぇ……でも、まあいいさ。アタイは≪理想≫がやるべき事をやるだけさ」
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「『永久』様ッ!『永久』様ッ!」
ある神殿の様な白い空間の中、一人の少女が焦った様にある人物を呼び掛けていた。
その人物こそ、≪粛清≫の『永久』。
『永久』は聖職者の格好をした女性だ。しかし、彼女が身に纏う聖職者は地球では何処にも該当する宗教的な存在には無い服装である。
彼女は椅子に座り眠っていた様で少女の呼び掛ける声で眠そうに瞼を開ける。
「何なのですか、騒々しい」
「聴いてくださいよっ、『永久』様ッ!『混沌』が≪WAO≫総本部を襲撃した様なんですッ!」
「……それは事実なのですか『フェイス』?」
『フェイス』と呼ばれた少女は真剣な表情で顔を上下に振る。それが事実だと理解した≪粛清≫は特に目立つ行動や反応は示さなかった。
「そうですか。あの『混沌』が≪WAO≫総本部を襲撃するとは驚きましたが……まあいいでしょう。≪粛清≫には関係ありませんからね。で、何故そこまで慌てているのですか『フェイス』?」
「そっ、それが……≪WAO≫が新たな戦力を増やしたのではないかという情報がありまして……」
「なるほど……新たな戦力、ですか。≪WAO≫は『深淵』だけではない、と言うことですね。えっと……あの『序列』と『真序列』でしたか?『深淵』以外は殆ど脅威はありませんからね。その相手は『フェイス』達の部下に任せますよ」
「は、はいっ!ガンバりますッ!」
『永久』にとって『深淵』以外の『真序列』と『序列』は敵ではない。『フェイス』達その幹部的な存在に任せるだけで十分だろう。
≪粛清≫は今は≪WAO≫と敵対するつもりは無いが、≪WAO≫はそうでもないらしい。まあ只の善なる組織であればそうなるのは必然だったかもしれないが、≪粛清≫はいきすぎた善なる組織なのだから。
『永久』はかつて『深淵』との対話を思い出していた。
その時は『永久』が『深淵』を≪粛清≫に勧誘していた時の事だ。
『『深淵』、"全ての悪"を滅ぼす、それが≪粛清≫がすべき事なのです。何故、わかってくれないのですか?』
『……悪は何処までいっても悪だ。けど、正義がいきすぎれば悪になる。それがお前達の≪粛清≫だ』
『≪粛清≫が、悪だと言いたいのですか?』
『まあ、な。≪粛清≫は"悪"だ。≪粛清≫がやっている事は正直言って極端過ぎる。"悪"であれば誰でも殺すのだろ?』
『そうですが……"悪"そのものを根絶やしにすることがいけないことなのですか?』
『……確かに国々の中で権力を横暴する者達は確かに存在する。けど、その横暴した者の関係者全てを殺すのはやり過ぎだっ!』
『何故です?彼等は"悪"の可能性があるでしょう。ならその"悪"の芽を摘まなければなりません』
『……俺、お前が嫌いだ』
『残念です』
あの時を思い出すと『永久』は今でも惜しいと思っていた。
四大勢力の中でも『深淵』は最も名高い人物。その『深淵』が≪粛清≫に引き込めば戦力的に大幅に増大するのだ。
だが、それは叶わぬ事になってしまった。
『深淵』は≪粛清≫と完全に敵対関係となってしまったのだから。
そんな事を思い出しているとこの空間の中にある人物が入ってきた様だ。
「『永久』様」
「『ホープ』ですか。よくぞ此処へ戻られましたね」
「勿体無き御言葉です」
『ホープ』という人物は一見何処にでもいそうな黒髪の東洋系男性だった。彼は『永久』に感謝するかの様に片膝をついて忠誠の姿勢を取っている。
「『ホープ』、私にその様な事をしなくても結構ですよ。貴方が帰ってきた、ということは任務は成功したということですね?」
「はい。任務は無事に成功しました」
『ホープ』が行ったのはある国の議院の抹殺。
その議院の立場を利用して何度も利用して犯罪を繰り返していた人物だ。
犯罪の内容は脅迫・強姦・殺人等々数え切れない程の罪に問われる筈だった。しかし、権力を使って自分の罪を揉み消していたのだ。同じ議院や市民達がその人物を訴えたり等をする者達がいたのだが、有り得ない罪にしたり家族を人質に取られたりする事をしていた。
『ホープ』はその議院だけではなく、その親族・関係者を全てを殺害したのだ。
「よくやりました『ホープ』。これでまた"悪"を一つ滅ぼす事が出来ましたね」
「はい。ですが≪理想≫との関わりはあった様ですが手掛りは何一つありませんでした。申し訳ありません」
「いいのですよ。貴方は"悪"を一つ滅ぼした。その"悪"が消えた事によって人々は救われたのです。≪理想≫については仕方がありません。他の者達に調査させてもらいますから」
『永久』は『ホープ』を責める事はせずに、只"悪"を滅ぼした事を褒めていた。横で『フェイス』が羨ましそうにしていたが、それをわかっていた『永久』にも何度も"悪"を滅ぼしているので改めて褒めながら母の様に頭を撫でている。
『フェイス』の頭を撫でながら『永久』は思う。
「(『深淵』。貴方が私を"悪"だというのなら仕方がないでしょう。何を"善"とし何を"悪"とするかは人それぞれなのですから。そもそも"善"や"悪"は本来存在しないかもしれませんね。でも、≪粛清≫が"悪"とするのならば、私はその"悪"を滅ぼすまでです)」
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さて、主人公の話に戻りますッ!
あとチョコチョコと地球の話等が入ると思います。
多分




