☆情報提供
前回のあらすじぃぃぃぃぃぃぃい!!!
『混沌VSルイス&峯長!』
『混沌、本気だすッ!?』
『残念っ、柊グレン登場!』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
≪WAO≫総本部長、『黒雷帝』である柊グレンの登場にその場にいた者達はその圧倒的な存在に息を飲むことしか出来なかった。
柊グレンは『黒雷帝』の名の如く、黒き雷を身体中に帯びている。加えて上空に集う黒雲からも同様に黒き雷が今にも落雷しそうだ。
グレンの傍らにいる大きな黒狼は特に敵意を剥き出しにして唸ったり吠えたりは全くは無い。が、神聖なる気配を放っており闇は闇でも生命を休ませる闇夜の様な静かで安らぎを与えるものだ。だがそれは味方だけであり、総本部を襲撃した『混沌』に対しては終焉をもたらしてしまう程の静かな迫力をはなっていた。
しかし、『混沌』も負けじと身体から漆黒のオーラが侵食するかの様に対抗している。
「お前が『混沌』か。『深淵』からは大体は聞いているぞ。で、何しに襲撃した?」
「あはは~♪何かヤバイの来ちゃったねぇ~。貴方は~この組織のボスさんかなぁ~?」
軽い会話のやり取りにも関わらず辺りは凄まじい威圧が混じりあっており、ルイスと峯長以外は顔を青ざめながら今にも気絶してしまいそうな空間になっている。しかし、ルイスと峯長は青ざめてはいないものの緊張感はあった。
何せ現れたのは『深淵』、不知火姫希の大伯父である『黒雷帝』の柊グレンなのだからだ。
二人は『黒雷帝』について知っている。『あちら』の世界でも知っている者は極限られている。だが、何故二人が『黒雷帝』を知っているのは不知火姫希との深い交流があったからだ。
「(おいおい……まさかの姫希の大伯父さん登場かよっ!)」
「(黒い雷……姫様の力と似ている……ッ。流石は姫様の師の一人、という事だなッ!)」
ルイスと峯長はかつて姫希の力の一つ、グレンと同様の力を扱うのを思い出していた。
そんな中、『混沌』はこの状況はあまりよろしく無いと考えておりどうやってこの場から離脱するか考えていた。この≪WAO≫総本部を襲撃する前に離脱方法は準備しているが相手は『黒雷帝』、無事にその方法で成功するか微妙であったのだ。
そこで『混沌』はある提案というかある情報についてグレンに話そうか悩んでいた。
「ねぇねぇ~。≪WAO≫のボスさん~?ちょっと話をしたいんだけどぉ~」
「話か?悪いがそれは『混沌』を拘束した後に聞かせて貰おうか」
「ッ!?」
グレンの言葉を合図に『混沌』を取り囲む様に陰陽師と魔術師達が数名によって結界が張られる。その結界は陰陽師の結界と魔術師の結界が二重になっている。内部にある陰陽師の結界は『混沌』の動きを止め、外部にある魔術師の結界は防御壁が優れているものだ。
「もしかしてぇ~絶体絶命~?」
「余裕そうだな。≪理想≫の『混沌』……ではないな、≪悪戯≫の『混沌』。後で話を……」
「でも、ざんね~んっ。僕が何も考えずに≪WAO≫総本部を襲撃したと思うかなぁ~?」
動けない筈の結界の中、『混沌』の足元に肩幅サイズの魔方陣が出現する。それと同時に『混沌』の身体を取り囲む様に幾つもの同じ魔方陣が隙間なく彼を守る様に展開されていた。
「……それは」
「流石にわかるよねぇ~。これ全部転移魔法だよぉ~。何で~こんなに転移魔法を張ってると思う~?あはは~っ、そうだよっ!この転移魔法陣にわぁ~、触れるとこの世界の何処かに飛ばされるんだぁ~♪何処に飛ばされるかわぁ~僕もわからないよぉ~。もしぃ~この魔法陣を破壊しようとしてもぉ~僕がどれかの魔法陣に魔法で攻撃するからねぇ~。あ、僕が言ってる意味わかるよねぇ~?」
『混沌』が展開した魔法陣は何処に飛ばされるかわからない。即ち、それは飛ばされる場所が何処かの国の建物かもしれないし何処かの人通りが多い場所かもしれないのだ。しかし、そんな魔法陣を何も簡単に発動したのではない。恐らくその転移魔法陣を展開する為に極度の集中力と膨大な魔力・そして強靭なる肉体が無ければ不可能だろう。こんな事をすれば一般人なら脳が破壊され、身体中の細胞は壊死し、肉体は消滅してしまう。一般人でなくても『真序列』2位の『閃光』のデュークでも確実に出来ないと断言が出来てしまう程。
それをやってしまう『混沌』はまさしく化物と言えるだろう。
「……貴様」
「あはは~っ!ごめんねぇ~。≪WAO≫のボスさん~、『深淵』ちゃんわぁ何処に居るのかなぁ~?教えてほしいなぁ~」
「知ってどうする?」
「そりぁ~会いに行くんだよぉ~。そしてぇ~『深淵』ちゃんと戦うんだぁ~ッ!」
『混沌』はうっとりと恋する乙女の様に頬を染めながら頬笑む。グレンは溜め息をついて傍らにいた大きな黒狼に声をかける。
「『エクリプス』。あの転移魔法陣はどうなんだ?」
「……奴が言っている事に間違いは無い。あれほどの魔力と肉体、そしてそれ等を固定する為の集中力、あれは中々の強者だぞ」
大きな黒狼『エクリプス』は『混沌』にある魔法陣が全てを転移魔法に間違いは無いと理解する。
ここで『混沌』はグレンに話す。
「ねぇ~≪WAO≫のボスさん~。≪理想≫について知りたくはないかなぁ~?」
まるで『混沌』は大人しく逃がしてくれる代償として≪理想≫の情報について話そうとする。
≪理想≫。
この世界の中で名高い犯罪組織だ。
全ての犯罪組織から畏怖されている組織であり、その組織を知る者達からは恐怖で震え上がってしまう凶悪な存在。
≪WAO≫は≪理想≫について調査してはいるが、中々尻尾を掴めずにいるのだ。
その犯罪組織≪理想≫は数多くの犯罪組織、例えばテロ組織や暴力団・マフィア等を傘下に置いている様だ。調査をしていく中で≪理想≫を裏切り、敵対しようとすればあらゆる手段を用いて殲滅させられている。加えて≪理想≫の情報を流出すればそれを知った者を全て消されてもいるらしい。
しかし全く≪理想≫について知らない訳ではない。
≪理想≫と敵対する組織、≪粛清≫という組織と衝突するのだ。
≪粛清≫という組織は≪理想≫とは正反対な存在。彼等が行う事は全ての悪を滅ぼそうとする存在である。例えばテロ組織やマフィア等の犯罪組織を襲撃し、撲滅を主としているらしい。
これだけを聞いていれば≪粛清≫は正義だと認識するだろう。
そう、確かに彼等≪粛清≫は正義の存在である。
本来では法的な手段では裁けない人物を何の躊躇も無く殺害をしたり等理想的な正義の存在だろう。
だが、彼等は過激な悪撲滅組織なのだ。
全ての悪を滅ぼし、その滅ぼす悪は老若男女問わずに執行する。例えその悪にも事情があったとしても滅ぼす事には変わり無いのだ。
話は戻るが≪理想≫と≪粛清≫の組織的な衝突が多い為、それを止めるべきとして≪WAO≫が動いている。その時に≪理想≫や≪粛清≫の戦闘員を拘束し、話を聞き出してもいるので先程述べた様な事がわかったのだ。
だが、それだけしかわかっておらずその≪理想≫と≪粛清≫のボスは誰なのか等の重要な情報は聞き出せない、又は知らない事が多かったのだ。
「≪理想≫について、か?」
「そうだよぉ~っ。まあ、勝手に話しちゃうんだけどぉ~……うん、そうだねぇ~……。≪理想≫は日本を狙っているよぉ~?」
「日本、だと?≪理想≫がか?」
「正確にわぁ~その日本の土地を狙ってるみたいだねぇ~。多分~その日本に存在する~47の土地神に関係するんじゃないかなぁ~。まあ~調べてみたらぁ~大体狙っているものが何なのかは検討はつくけどねぇ~」
『混沌』の情報は≪理想≫が何をしようとしているのかを理解するには十分であった。
グレンは『混沌』を逃がさずに捕らえたいと考えていたが今の分身では不可能だと悟っている。
何故『混沌』がかつて所属していた組織の情報を提供したのかは不明だったが、彼はとりあえず謂うことは言ったかの様に満足げな表情をしていたのだ。
そして、『混沌』の足元にある転移魔法陣が発動する。
「じゃ~ぁ~、僕はここでおさばらするよぉ~。それにぃ~『深淵』ちゃんは~この世界にはいないようだねぇ~。詰まらないしぃ~また『深淵』ちゃんが帰還らまた会いに来るよぉ~っ!」
そう言うと『混沌』の存在は一瞬にして消え去った。
「……まあいい。結界班は結界を解除し、破壊された施設の修復をッ。医療班は怪我をしている彼等の治療をッ。ルイス・ペンドラゴンと織田峯長の二人は直ぐに総本部に来てくれっ」
そうグレンは指示を出し終えると大きな黒狼と共に身体が溶ける様に消え去ってしまう。
「……分身だったのかよ」
「何を言っているのだッ、ルイス。総本部長本人が総本部から離れる訳がないだろうッ!……ま、まぁ、分身だったとは知らなかったが……」
「峯長も気付かなかったとはな……流石は『黒雷帝』ってことか」
二人はそう話ながら後処理を今いる陰陽師と魔術師、後から来た≪WAO≫の職員達に任せて本体のグレン達が待つ総本部へと向かうのであった。
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