☆『黒雷帝』
前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!
『混沌、蹂躙!』
『高嶺美花、再登場!』
『姫希の腐れ縁のルイス・ペンドラゴンと自称姫希の右腕織田峯長、登場!』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
「ひめさま?くされえん?それって~……『深淵』ちゃんのことかなぁ~?」
『混沌』は不思議そうな表情で二人に問うのだが、ルイスと峯長の二人は緊張感が無いのかわからないが警戒心は殆ど無い。しかし、警戒心は無い様にも見えるが二人には隙がないのでどの様な相手なのか知らないので『混沌』は下手な動きはしないようにしている。
いや、どの様な相手なのかわからないこそ何をしてくるのか楽しみにしているように待っている様にも見えた。
「あんたが『混沌』か?」
「僕の事~知ってるのぉ~?」
「≪理想≫の『混沌』。その≪理想≫の中では上位に君臨すると聞いているぞっ」
「あ~れ~?誰から聞いたのかなぁ~?」
「そりゃぁ、あんたが言う『深淵』からだ。よく愚痴ってたぜ?あんたの≪理想≫と確か……≪粛清≫っていう組織がよく衝突するから面倒だってよ。加えて『混沌』によく悪戯されるのが精神的に苦痛だと」
ルイスと峯長はよく姫希との連絡を取っているので、最近何があったのが等を相談だったりを聞いているのだ。加えて『あちら』の世界の軍も同じなのでそういう連絡は意外と大事だったりする。
余談であるが『混沌』からの悪戯とは子供染みたいな事だったりするのだが……。
『混沌』が所属する≪理想≫や≪粛清≫以外にも≪悪戯≫と呼ばれる有名な組織も存在している。
「そうなんだぁ~……『深淵』ちゃん……嬉しいなぁ~嬉しいなぁ~♥僕の悪戯を感じてくれてるんだぁ~……はぁぁぁ……会いたいなぁ『深淵』ちゃん……本当に何処にいるんだろ~?……なんで高嶺美花なんかと恋人になったのかなぁ……僕なら……僕なら『深淵』ちゃんを愛してあげられるのに……」
『混沌』は一人でブツブツと呟くと横に真っ青になっていた高嶺美花に微笑んだ表情で訪ねる。しかし、その微笑んだ表情は何処か人間の本能が警告を告げているのか恐怖しかない。加えて彼女は先程まで殺されかけたのだ。ここで気絶をしなかったことは彼女にとって不幸でしか無い。
「ねぇ、『深淵』ちゃんとヤったの?」
「……え?」
「だ~か~らぁ~、『深淵』とヤったの?」
最初、高嶺は『混沌』が何を言っているのかはわからなかったが2度目の問いにようやくその質問の内容を理解する。彼女は『混沌』の問いに嘘をつく暇もなく、否定する様に顔を左右に振った。
すると『混沌』はこれ程に無い心底嬉しそうな表情で歓喜に震えていた。
「あ、はっ!やったぁ~~~♥ならぁ~『深淵』ちゃんに僕の初めてを捧げられるねぇ~~~。はぁぁぁ~~~っ……ドキドキしてきた~。『深淵』ちゃんの○○○を僕の|
◎◎◎《ピンポーンッ!》に◻◻されるなんて考えたらぁ~~~もう、興奮して今日は眠れないよぉ~~~っ♥♥♥」
もう規制をかけなければならないほどの単語を嬉しそうに話す『混沌』にルイスは彼が本当に色々とヤバい存在だと改めて認識する事になった。
「おい、あいつホモだったか……」
「ホモじゃないよぉ?『深淵』ちゃん限定だよぉ~~~」
「おおぅ……」
「姫様の貞操を狙うなどと……お主をここで成敗するぞっ!」
どうやら『混沌』は『深淵』に対してのみらしい。ルイスはそれを聞いて顔を引き攣らせながら苦笑いするしかなかった。
一方峯長は姫希の貞操が危険だと理解すると手に持っていた銃を『混沌』に構える。
しかし、『混沌』は何かを思い出したかの様に銃口を向けた峯長とルイス達に誤解されている認識を改める為にある事を話す。
「でも~、僕はもう皆が言う≪理想≫って組織から抜けたんだ~♪彼処~、正直詰まらないんだよねぇ~」
「ということは、お前さんは何処の組織にも所属していないフリーって事になるのか?」
「違うよぉ~。今は~≪悪戯≫に所属しているんだぁ~。だから、これからは≪悪戯≫の『混沌』っていう認識にしてほしいかなぁ~」
『混沌』の新たな真実に何とか動けるまで回復したデューク達にとってみれば衝撃的であった。
何せ今まではこの地球で4大勢力の一つである≪理想≫の『混沌』が≪悪戯≫へと変えたのだ。
この地球での4大戦力は≪WAO≫を始め、≪理想≫・≪粛清≫・≪悪戯≫がある。
その内≪WAO≫・≪理想≫・≪粛清≫の3つの組織にはそれぞれ強大な戦力を持つ人物を抱えていた。
≪WAO≫であれば『深淵』。
≪理想≫は『破壊』・『混沌』。
≪粛清≫では『永久』。
今まではこの4人が前線に出てくる最も脅威である。
しかし、今の『混沌』の発言により勢力の変化はこうなる事になってしまう。
≪WAO≫は『深淵』。
≪理想≫は『破壊』。
≪粛清≫は『永久』。
≪悪戯≫には『混沌』。
この様に4つの組織へと綺麗に分かれてしまっている。
ここで『風刄』の鈴宮楓は≪理想≫について思い出した様にアルスに肩を貸してもらいながらある事件について呟いた。
「確か……前に≪理想≫と≪悪戯≫が……衝突して……まさかっ、あの衝突は『混沌』が大きく関わってるのでは……っ。」
「そうだよぉ~。組織に抜けようとしたんだけど、どうしても≪理想≫のボスが許してくれなくてねぇ~。色々あってあの組織同士の衝突になったんだぁ~。」
≪理想≫と≪悪戯≫の二つの組織が衝突した事件。
表にはあまり公表されてはいないが、裏の世界では何故その二つの組織が衝突したのかは不明であったのだ。しかし、『混沌』がその衝突の原因となっていたのはその彼の発言で初めてその真相を知る事になってしまう。
そんな話を聞きながらデューク達は高嶺美花を保護している。勿論『混沌』は気づいてはいるが、興味が無いらしく気付いていない振りをしていた。
今のデューク達よりルイスと峯長の方が興味を示していた。
「へぇ……そうか。はぁ、姫希、こんな奴と殺り合っていたのか。面倒臭ぇなぁ……」
「……だからっ、ルイスッ!頭をポンボンするなぁっ!」
もう面倒だと思っているのかルイスは再び峯長の頭をポンボンしていた。ルイスからしてみれば峯長の頭は丁度良い高さだった様で恐らく癖の様なものだろう。
峯長に怒られながらもルイスは「悪い悪い」と言いつつ今か今かと戦いを待ちわびる『混沌』を改めて睨み付ける。
その瞬間であった。
「あはは~っ!じゃ~ぁ~、遊ぼっかぁ~っ」
『混沌』は我慢が出来なくなったのか、デューク達に放った『黒爆』を放つ。
先程よりも『黒爆』の数は多く何度も爆音と衝撃波を二人に襲ったのだ。いや、『黒爆』より遥かに強大な威力を誇るものだろう。
暫くの爆音と衝撃波が襲った後、その場には粉々になった破片が辺りに撒き散らしながらもルイスと峯長の二人は無傷であった。
「へぇ~っ!ちょっと多かったかな~って思ったけど、まだまだ大丈夫みたいだねぇ~?それにしても~、それは~?」
流石に何もせずに『混沌』の受け切った訳ではない。
『混沌』の攻撃を防ぎ切ったのはルイスだった。
今のルイスは金色の線が入った銀の鎧をいつの間にか着用していたのだ。あの『混沌』の攻撃に傷一つ付いていない事から只の鎧ではない事を物語っている。
「『霊異之鎧』……ったく、なんつぅ威力だよ」
「わ~ぉ~っ!凄い鎧だねぇ~。な~ら~っ、もっと攻撃してもいいよねっ?」
「ふんっ。中々の狂戦士だな。……けど、いいのか?余所見してると怪我するぜ?」
「ん~?それはどういう……ッ!?」
呑気に楽しそうな『混沌』だったが、ルイスの忠告に疑問を持った瞬間、背の方からはりつめた殺気を感じ取った。
「いくぞっ、『実休光忠』ッ!」
『混沌』の後ろから現れたのは『実休光忠』を横に斬り放っていた峯長であった。『混沌』は透かさず飛んでその太刀の刃を避けると二人に向かって『闇珠砲』を放つ。
「こいっ!『天剣死闘之剣』ッ!!!」
ルイスは『天剣死闘之剣』を両手に持つと『闇珠砲』を神速なる速さで真っ二つに斬った。それは峯長も『実休光忠』で同様に『混沌』の攻撃を防ぎきっている。
「焦ったねぇ~ッ!『天剣』に『妖刀』かぁ~。特にその『妖刀』のオチビさんは怖いね~っ!背が低すぎて一瞬何処にいるかわからなかったよ~」
「チビって言うなッ!」
楽しそうに『混沌』は片手に漆黒の大鎌を出現させ、それを持つと二人に向かって少女の様に喜んだ表情で感情が高まっていく。
「じゃ~あ~、じゃ~ぁ~ッ!君達なら僕の本気を出しても大丈夫だよねっ!大丈夫だよっ、大丈夫ッ!さあ、楽しもうよっ……え?」
ーーーパチパチッ。
『混沌』が本気になろうとしていたが、突如として足元に黒い電気が走る。
しかし、それは特に何の影響も無かったが何故か『混沌』はそれを無視する事が出来なかったのだ。そしてその黒い電気自体には危険性は無い筈だった。が、『混沌』はその現象が今の自分にとって最も危険だと感じとる。
だが、『混沌』は気付くのが遅かった。
『混沌』が踏み締めている地から、黒い雷が空へと走ったのだ。
その容赦ない黒き雷は『混沌』の身体を貫く様に空へと昇っていく。
「あ゛あああああああああぁぁぁぁぁぁッ!?!?」
『混沌』はその黒き雷を避ける事が出来ずに諸に直撃してしまう。かなりの威力だったのか少女の悲鳴の様に叫びながらも片手に持った漆黒の大鎌でその黒き雷を刈り斬った。
「ガッ、ハッ、ケホッケホッ……ッ。いった~いなぁ~!誰ッ!?」
「悪いが、これ以上うちの組織を破壊されると困るんだよ」
「ッ!?……≪WAO≫の……ボス……かな」
総本部の方から一人の人物、≪WAO≫総本部長である『黒雷帝』の柊グレンが出てきたのだ。傍らには一体の大きな黒狼も闇のオーラを放ちながら『混沌』の姿を捉えていた。
「さて、どうしようか?」
この場で絶対強者として君臨する柊グレンは静かに『混沌』を見ていたのだった。
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