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迷宮、踏破!

前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!


『女神メデューサから話が!』


『今の地球は!?』


『将来には!?』


のどんっ!ι(`ロ´)ノ



「シキさん。あの人、本当にメデューサなんですか?」



女神メデューサと神ペガシスが帰還した後、葵はイアにモフられているシキに訪ねていた。

葵にとってメデューサという存在は髪が蛇になっており、醜い化け物だと思っていたのだ。元は人間でありながら、戦女神であるアテナに喧嘩を売った事に原因があるという。他にも様々な理由があるらしいが。


そして神ペガシスはギリシャ神話でもあるメデューサの子である。化け物に変えられたメデューサをある英雄が首を切り落とした時にそこから生まれたともされていた。


まだ神ペガシスはいいだろう。


問題は女神メデューサだ。彼女は、神話通りであるならばこの世にないない筈なのだ。もしかすると神話にも記されていない何かあるのかもしれない。


その事を素直に話すとシキはなるほど、と考え込むと女神メデューサについて自身が知りうる限りの事を説明する。



「そうだな。前に俺も直接質問してみたんだ。で、本人曰く、神話でメデューサ様がアテナ様に喧嘩を売るっていう事があったのは葵も知っていると思う。その理由なんだけど……実はメデューサ様はアテナ様の事が好きだったらしいんだ。でも素直になれなくて、只自分を見て欲しいが為にあんな喧嘩を売るような事を言ったんだよ」


「えっと……確か『私、アテナ様より髪綺麗っ』みたいな感じに言ったんでしたっけ。でも、それだけで化け物にしてしまうなんて……」


「アテナ様も一回位言われただけでそんな事はしないさ。その当時のメデューサ様は何度も見てもらおうとして何度も何度も朝も昼も夜もず~っと、そんな事を永遠と言われ続けられたら……」


「あ~……」



もし、シキの言う通りであればアテナがメデューサを化け物に変えてしまうのも無理もないのかもしれない。そんな事をシキから聞かされるとそう思っていた葵であった。



「でも……その、首を切り落とされたんです、よね?」


「あぁ。確かにメデューサ様は一度死んだよ。でも、それは下界での話だ。下界で死んでも神としては死ぬことは無いさ。他にも色々あったらしいけど……」



シキが女神メデューサについて知っているのはこれくらいであった。だが、意外にも神話での話の裏側を聴いた様な感じだった葵は何とも言えない表情になっている。


すると、今まで膝の上でシキをモフッていた『海之神(リヴァイアサン)』のイアガがシキに今まで言い忘れていた事を少し言いにくそうに話す。



「実は、さ。姫ちゃんと我を忘れて戦っている途中に、『バハムート』の気配を感じ取ったんだよねー……。『ベヒーモス』は全然感じなかったけど……」



そのの発言にシキは目を見開き、葵は絶句している。そしてシリルはその事について恐る恐る話してきた。



「え、『バハムート』って……あのっ、どれくらいの強さなの?」


「えっとぉ……前に戦った時は、まあ~私より劣る位じゃない?でもぉ、多分だけどさっ。『バハムート』の気配を感じた時にあの時とはまた違った存在だったんだよねぇ。『ベヒーモス』もそうじゃない?」


「にゃぁっ!?」



イアから予想ではあるが『バハムート』、『ベヒーモス』の力を聞いた瞬間、シリルは猫耳と尻尾をピンっ!と驚いた後にヘナヘナと萎れた植物の様に萎えてしまっている。


シキはその事を聞きながらも少し面倒に、そしてもう聞きたくも無いのか疲れた表情を見せていた。



「はぁ……。『バハムート』と『ベヒーモス』については今はいいや。女神メデューサの話では地球にも異変が起こっていたんだ。多分俺の所属する組織も表に出ているのは確実だ。『魔法』・『モンスター』・『ダンジョン』……その他諸々もう隠せないだろうな」


「シキさん、それって……」


「遅かれ早かれ、こうなるのはわかっていたさ。これからの将来、地球は今までに無い変化を迎える。学校とかでも魔法とか習う時もそう遅くは無いかもな……」



もう、そうなってしまうとシキは呟く様に言うのを聞いていた葵は確かにそうなるかもしれないと同様に思っていた。そんな切っ掛けが地球で起こってしまったのだから。歯車が噛み合う様にその将来は訪れるだろう。


暫く考えていた葵はシキとマーリンとのやり取りを思い出すとその疑問について問う事にした。



「シキさん。マーリンさん?と戦っている時に、『アーサー王と知り合い』って言ってましたよね?」


「事実だぞ。……ん?葵、何驚いているんだ?」



葵はもう頭がパンクして働かなくなったのではないか、と感じながらもシキの発言にそれは事実であろうと思っていた。何故ならあのマーリンとのやり取りにシキが生み出した『エカスカリバー』が何かしらアーサー王との関わりがあるからだ。


これ以上の質問はまた今度にしようと考えた葵は一先ずアーサー王の話を終わらせる事にする。



未だにイアにモフられていたシキであったが、流石に長時間の少女騎士姿は嫌なのか着替える事になった。着替えるのはシキだけではなく葵とシリルも一緒だ。今の服装で町に行けば目立つに決まっているだろう。


イアはシキ達が着替える前に深海に眠る本体へと戻っている。



着替えている途中、葵とシリルはシキにある2つの疑問があった。それについて訪ねようと本人に言おうとするが、同性であってもそのシキの着替え姿は本当に女性の姿にしか見えなかったのだ。そのシキの裸体を見てしまった瞬間、慌てて葵とシリルは顔を真っ赤にさせながらも目をそらしてから言う。



「あの、メデューサ様に言っていた『色々と調べないと』って何なんですか?」


御主人(マスター)、もしかして、あの泥みたいなの?」



「まあ、そんなところだね」



シキが女神メデューサに言っていた『色々と調べないと』という内容は二人の予想通り、あの泥人形についてだ。それ以外にも『禁忌之命金剛石』の事もある。


シキは主にその二つが何故この世界にある(・・・・・・・)のかを調べなければならないと思ったのだ。


葵とシリルはその事について詳しく聞きたそうにしていたが、まだ話すべきではないと思いそのまま話すことはなかった。


そして二つ目の疑問。



「いつの間に入れ替わっていたんですか?」


「あの戦闘の時にですか?」



「実は、俺が熔岩の階層で隠れて着替えていた時に分身と入れ替わっていたんだ。あの時から何となくあの女神の気配はあったからね。気付かれないように最大限の注意はしていたよ」



シキが熔岩の中へ潜る前という事にシリルと葵は驚いてはいたが、そんな事は全く気づかなかった様だ。


だが、葵はシリルが男性恐怖症でパニックになった時に熔岩を潜っていたシキが出てくるタイミングが妙に合っていたと今更ながら思い出していた。


そして二人は言いにくそうにしていたがその変装の内容について聞いてみる。



「「……何で、女装だったんですか?」」



「相手はあのマーリンだ。伝説通りだとすれば女好きだろうからと思ってね。実際に気付かれないし、少し油断もしていたからね」



まあ、シキ自身にも葛藤があっただろうが戦闘ではそうも言ってられなかったのだろう。結果としてはマーリンと女神クーディアを欺く事も出来たのだ。


しかし、シキはもう人前で女装はしたくないと思いながらランニングジャケットとジーンズの上に黒ローブを着る。そして六華になる為に[時空間魔法]で小・中学校時の姿になっていたのを解くと元の姿へと戻っていった。


葵は下着の上にシキから譲り受けた『闇紛れの仕込みコート』と『闇黒のショートパンツ』を着用する。


シリルは黒スーツではなく、冒険者の様なラフな剣士の格好へと着替えていた。


着替え終わった葵はシキに話し掛ける。



「シキさん、ここからどうやって外に出るんですか?」


「う~ん……」



シキ達が今いる場所は『迷宮(ダンジョン)』の最深部であるのは間違いない筈なのだ。なので、ここから出られる手段はある筈だと思いとりあえず辺りを探索しようとするのだが、まさかの事態が起こってしまう。


それに気づいたのはシキであり、何かに反応するかの様に狐耳と尻尾が現れる。それに続いてシリルも猫耳と尻尾をピンっ!と反応していたのだ。二人の様子に何かがあると感じた葵は戦闘体勢に入っていた。



ーーーォォォォォォォァァァァァァアアア!!!



先程まで女神クーディア達がいた場所から少し前にある黒曜石の床から大きく揺れ、罅割れるとそこから巨大な人形のゴーレムが姿を現した。


身体は床と同じ黒曜石の様な好物で出来ている。体長は5m程で両手に剣と盾を持っていた。そしてシキ達を視界に捉えると排除するかの様に敵対する構えを取っている。



御主人(マスター)、ここはおれがっ!」


「僕も……って、シキさん?」



シリルは主を守ろうと前に、そして後から葵も出てきたのだがシキに声を掛けた時に何かを感じ取ったのか後ろを向く。



「え、このタイミングで?」



今まであの巨大ゴーレムが現れなかったのは女神クーディア達が何かしら妨害をしていたからだろうか。恐らくあの巨大ゴーレムはこの最深部のボスモンスター的な存在なのは何となくわかっていた。


しかしシキはもう面倒なのか、それとも何か他にやりたいことがあるのにそれを妨害したそのゴーレムに対して嫌がっているのかはわからないが、ダルそうにため息をついていた。その後に片手の拳に[虚無]を宿すと優しく前にいる二人に言う。



「ちょっと、離れててね?」



何故か優しいシキに恐怖を覚えてしまった葵とシリルは黙って頷くと邪魔にならないように後ろへと下がった。


それを確認したシキは[虚無]を宿した拳を巨大ゴーレムへと殴った。殴ったといっても巨大ゴーレムとは距離は空いている筈だ。しかし、放たれたシキの[虚無]の拳から衝撃波と全ての力を無にしてしまいそうな破壊力を巨大ゴーレムに襲い掛かった。



ーーーォォォオ……



巨大ゴーレムは手足が出ずに動力源である魔力を失ったかと思うと何処からともなく空間が罅割れてしまう。その罅割れが空間を伝って巨大ゴーレムにも影響し身体全体を粉砕してしまったのだ。


巨大ゴーレムを完膚なきまでに粉砕し、倒した後にこの最深部の中心に魔方陣が浮かび上がった。ボスを倒した事により、この『迷宮(ダンジョン)』を踏破したのだ。その魔方陣は外に出られる転移魔法の様なものだろう。



それを確認し、やり終えたシキは後で茫然としている葵とシリルに向けて澄みきった笑顔で魔方陣をさした。



「さっ、『迷宮(ここ)』から出よっ?」



「は、はぃ……」


「りょ、了解です御主人(マスター)



こうして、シキ達は無事に『迷宮(ダンジョン)』から外へと移動するのであった。











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