最深部
今回はやっばい敵が登場しますよぉおっ!
ま、不完全体ですけどもねっ!
シキさん、がんばっ!(笑)
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前回のあらすじぃぃぃぃぃぃぃいっ!!!
『最深部近くにっ!』
『やばい気配!?』
『着替えようっ!』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
『迷宮』の最深部の階層にある最奥部。
この階層は全てが黒曜石の様な鉱物で出来た神殿内部だが、最奥部はかなり広い空間であった。しかし、広い空間にも関わらずに殆ど何もない綺麗な場所でもある。
何も無いとはいえ、何時何が起こるかはわからない。僕は袖に潜ませていた短剣を何時でも放てる様に準備をしている。
最奥部の中央まで来るとシキさんが更に奥の王座の様な物に座った人物に声をかけた。
「うふふっ。待ってたわよぉ~。異世界人さん」
その人物はシキさんと同等の美貌を誇る女性であった。その女性はギリシャ神話の女神が着ていそうな白い服装で、床まで着きそうなキラキラ星の様に輝く金髪に紅眼だ。
彼女は迎える様に言うが、それは僕やシリルよりもシキさんに集中している様にも見える。恋い焦がれた熱い視線で。
しかし、シキさんはそんな事を気にしていないのかその女性に対して言う。
「貴女は……神様、ですよね?」
「ええ。私は神よ。凄いわねぇ……一瞬で見抜くなんて……ますます気に入ったわぁ~」
「……何故、神……女神である貴女が『迷宮』に?」
「暇潰しに偶々『迷宮』に来たのよ。ねぇ、貴女の名前は?」
「……」
その女性……女神様に対等に話している事に驚いてしまうが、名前を訪ねられた時にシキさんは嫌そうに黙ってしまう。その女神様は本当に綺麗で、僕なら緊張してしまうのがオチだ。でも、何で名前を言わないんだろう?
「あら、まず私が名乗るのが先よね。私は女神クーディアよ、貴方には気軽にクーとかディアで呼ぶのを許すわ」
「……シキです」
「そう!シキって言うのねっ。シキ……シキ……シキ……」
「で、何か御用でしょうか。女神クーディア」
何か、シキさん結構嫌がっている様に見える。女神クーディア様に対して興味が無いみたいだ。むしろ女神様の方がシキさんに興味津々って感じ。多分シキさんはこの女神様の馴れ馴れしい感じを嫌がっているのかもしれない。
「あら?クーかディアって呼んでほしいわぁ~」
「嫌です」
「あんっ♪釣れないわねぇ……まあ、いいわ。私は貴女が欲しいのよ。ねぇ、わたしの伴侶にならない?」
「結構です」
うわぁぁぁぁっ!?!?
シキさん、女神様からの申し出を速攻で断ったよ!
……でも、断る理由はわかる。何故って、いきなり今日出会った人に告白されても困ると思うし。加えて、シキさんには妻がいるみたいだからね。しかも、今のシキさんって何時も僕達に見せる優しい表情じゃない。
無表情だ。
親しくならないとあんな優しい表情を見せないんだと思う。
シキさんに断られた女神様は少し眉をひそませていた。
「……何でかしら、この私が伴侶になるって言ってるのよ?男神や英雄達にも羨む程の名誉でもあるの。それを断るなんて……」
女神クーディアはわなわなと肩を震わせている。
緊迫感が凄いけど、シキさんは全く気にせずに何時でも戦闘態勢になっている。えぇ、戦うの?
まあ、そうなるだろうと思っていたがその女神の反応は思っていたものとは違っていた。
「あぁぁぁぁ~~~❤いいわぁ……貴方に、そんな無表情で断られるなんて……私、感じちゃうっ。あぁぁぁっ、貴方の戦う姿、見たくなったわぁ……」
何故かその女神様は、シキさんに対して熱烈な視線を送っている。でも、何か恐い。あの女神様。確かに絶世の美女で、男なら誰しも喜びそうな存在だろう。今思ったけど、Mなのかな?
「ねぇ、貴方の勇姿、私に見せて?」
すると女神様の前に魔方陣が床に浮かび上がった。それは幾つもの魔方陣が重なって回転している。
「御主人っ!」
「シキさんっ!」
その魔方陣は危険だ、と本能が感じ取ってシキさんを守る様に僕とシリルは前に出る。魔方陣が危険というより、その魔方陣から現れる『何か』が危険だと感じていた。
「あらあら、流石に危険だとわかるみたいね」
「その魔方陣は……召喚?いや、それよりも……まさかっ!?」
「うふふふっ、気づいた様ね。今の私は霊体であまり力がないのよね。だから、私の代わりに彼等に戦ってもらうわっ。さあ、現れなさい。強者共よっ」
その魔方陣は分裂するかの様に左右に分かれていくと更に魔力の輝きが増していく。その数は3つ。その魔方陣は……何か嫌な予感がして、加えて『永遠之右眼』も強大な存在を感じ取ったよか疼いている。
あ、本当だからね?中二病とかじゃないからっ。
「っ!」
するとシキさんは手に漆黒の剣と白光の剣を数回生み出すと、その床に発動しようとする魔方陣3つに向かって投擲した。その動作は一瞬だったが、今の僕の動体視力では一度しか確認できない。しかし、実際はそれぞれの魔方陣と女神様に向かって漆黒の剣と白光の剣が10本が突き刺さっている。
この『迷宮』で強くなったと思っていたが、シキさんの動きを全く確認できなかった。
しかし、女神様も魔方陣3つも刺さる事無く魔力によって実体化した幾つもの盾によって防がれてしまっている。でも、シキさんの放った漆黒・白光の剣の威力は絶大だったのか辛うじて防ぎきった瞬間力無く消滅してしまった。
「本当に凄いわぁ~……。まさか、不完全とはいえ私の盾達を粉砕するなんて……魔方陣が破壊されなかっただけ奇跡、というべきね」
女神クーディアもシキさんの剣に脅威を感じ取っていた様だ。神である存在にそこまで言わしているシキさんは神と同等の力を有している事がわかる。いや、前から何となくわかってたけど。
でも、相手は不完全と言っていたから実際はわからない。
「シリル、葵。二人は下がってて」
そう指示され、僕とシリルは何時でも攻撃出来る様に下がる。
するとシキさんの周りに灼熱の業火が突如現した。
「ゆけっ、『炎龍』っ!」
ーーーグォァァァァァァァァァァァアっ!!!
灼熱の業火はメラメラと燃え上がりながらも、地球にとっては空想上の生物に変化していく。しかも、それは伝説として語り継がれていた魔法を、属性を生物にしたもの。
シキさんは今、伝説の偉業を成している。
その灼熱の業火、龍はいかにも実際に生きている様な姿だ。
「なっ!?炎の、龍っ!?」
僕は只、そう狼狽える事しかできない。
そんな僕を気にしている場合では無いのか、『炎龍』は女神クーディアと3つの魔法陣を飲み込む様にシキさんから放たれた。
「まさか、そこまでできるなんてねぇ……。凄いわぁ。さぁ、もっと、貴方を見せて?」
女神クーディアが言い終わった瞬間、シキさんが放った『炎龍』が切断されてしまったのだ。
そう、炎を斬った、のだ。
「間に合わなかったか……」
シキさんは呟きながらも、斬った相手を黙視している。
そこには三人の人物が女神クーディアを守る様に立っていた。
一人は僕やシリルよりも小柄で、浴衣を着た黒髪黒目の美少年。
一人は白銀の鎧を纏った、槍を持った金髪金眼の女性。
一人は七枚の動物の革を貼り付けられた青銅の盾を持つ軽装備の優男。
只ならぬ存在感を放ちかなりの強者だとわかる。しかし、浴衣を着た美少年は何処か地球人、日本人の様にも見えるんだ。優男さんは西洋人っぽい感じ。そして女性の方は……何か神秘的な感じがする。
一体、誰なんだろう?
「……鬼人族に天人族、そして人族か」
「あらあら。種族までわかるなんてね。彼等は私が選んだ配下よ。ま、三人共は貴方達と同じ出身の星なんだけどね?」
貴方達と同じ出身の星っ!?
地球人ってことっ!
いや、でもさっきシキさんは鬼人族、天人族って言ってたけど、そんな種族いる筈がないっ!
そんなの神話とか、伝説とか、御伽噺とか……。
……まさか。
「まさか……その人達は……」
「あら?わかったみたいね、坊や。そう、この者達は貴方達の世界で伝説となった存在。さあ貴方達、自己紹介をしなさい」
そう女神クーディアが言うと今まで黙っていた三人はまるで自我を取り戻したかの様に存在感が更に増していく。
「何や、ここは。あ、女神さんが呼び出したんか。酒欲しいんやけど、貰えるか?」
「……神殿?……私は……」
「くそっ、何で俺が……」
「あら、聴こえなかったの?貴方達、自己紹介をしなさい」
少し威圧の籠った女神クーディアの声に美少年と女性は素直に従うが優男の方は舌打ちをしながら自らの名を名乗る。
「人使い荒いなぁ~。ま、いいや。ぼくの名前は……ま、よく茨木から酒呑って呼ばれてたなぁ……。ま、気軽に酒呑でええで」
「私は……元・戦乙女のブリュンヒルデ、と申します……」
「……アイアスだ」
「っ!?」
まさか、あの日本最強の鬼に、かつてオーディンに使えていたワルキューレ、そしてトロイア戦争の英雄が僕達の前に現れていたのだった。
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