『神性なる者』の気配
前回のあらすじぃぃぃぃい!!!
『シリルと一緒にお留守番!』
『シリル、男性恐怖症っ!?』
『帰ってきた、シキ』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
僕達は最深部へと到着しようとしていた。
シリルは目覚めた後に何度も謝られたが、男性恐怖症だとは知らなかった自分にも落ち度があるのでおあいこということにしていた。まあ、実際に疑惑があって無理に接したのは事実だったし。
溶岩の階層から最深部には黒曜石の様な鉱物造られた長い階段だ。地球の神殿にでもありそうなしっかりしたもので微かに光もあるから暗い場所ではない。
最深部では何があるか分からないので、今まで倒してきたモンスターで作り上げた武器を広い袖中に潜ましたり『アイテムボックス』に収納している。どの武器も歪で不出来なものではあるが、しっかりと相手を殺せる武器だ。
まさか、『迷宮』の最深部まで辿り着くなんて思ってもみなかった。でも、地球にいた頃よりか楽しい、とは言い難いが生き生きとしていると思う。
初めての環境。
初めての戦闘。
常に刺激を感じるこの世界に。
僕は、生きているって実感する。
怪我をした時、死にかけた時、ど迫力のモンスターとの戦闘を繰り広げた時。
どれもが、危なくて無謀な筈なのだが、それが生きているって身体全体が感じるんだ。
変な話、ゲーム感覚は全く無いが高揚感は感じている。
その真逆に命の大切さが知ることが出来た。
あぁ、この最深部に何があるか恐怖もあるけど楽しみでもある。どうやら僕は少し活発になっていると思う。
「……」
「御主人?」
少し思い上がっていた僕は落ち着いてシリルが声を掛けた事に反応する。そして足を止めたシキさんを見ると何やらあまり良くなさそうな表情をしていた。
「シキさん、どうしたんですか?」
「……シリル、葵。この先に『神性なる者』の気配がする。何が起こるかわからないから、気を抜かないで」
「『神性なる者』?」
「うん。簡単に言えば神様って事だよ。でも、この感じは……不安定、なのか?でも、中位神より上か……」
神様。
……何で神様がこんな『迷宮』にいるんですか。
まさか、この『迷宮』のボスがその神様とか言わないよねっ!?
でも、ここまできたら行くしかないよね。それはシリルも同じ事を考えていると思う。
「念には念を入れておこうか。葵、悪いけどこれ着て」
そう何も無いところからシリルにと同じ黒一色のスーツを差し出してきた。
え、今ここで着替えるの?
「相手がどう出てくるかわからないから、速めに着替えるよ」
「わ、わかりましたっ」
ということで、急いで着替える事にしました。
~~~~~
約15分後。
何とか着替え終わりました。
初めてのスーツは着るのに手間が掛かってしまった。
特にネクタイ。高校は学ランだったので結ぶのに苦労をしたよ。何度も何度もやっても結んだ玉が変になっちゃって……。
最終的にはシキさんにやって貰って何とかなっている。因みにシリルも初めてきた頃によくやってもらっていたそうだ。
「うん。やっぱりシリルが着れるなら葵も着れるね。よかったよ」
「このスーツって何があるんですか?」
「あぁ、これはね。仕事用のやつなんだ。耐久性もいいし、着用者にフイットする様になってるからかなり動きやすいよ」
確かに。シキさんの言う通りスーツ全体が絶妙な程にフイットしている。いや、このスーツが僕の身体に合わせる様に変化しているんだ。凄いな……このスーツ。
ちょっと『永遠之右眼』で見る事にしよう。
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名称:黒の外套
種別:防具服
ランク:---
効果:あらゆる耐性を持つ黒スーツの外套。着用者の身体に合わせて伸縮磨ることが可能。鋭い刃をも弾き返す程の耐久性も備える。
素材:黒龍の鱗・蜘蛛族の強靭な糸・八咫烏の斬羽・闇影虎の剛毛・暗黒粘液種の体液
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名称:黒のスラックス
種別:防具服
ランク:---
効果:あらゆる耐性を持つ黒スーツのスラックス。着用者の身体に合わせて伸縮磨ることが可能。鋭い刃をも弾き返す程の耐久性も備える。
素材:黒龍の鱗・蜘蛛族の強靭な糸・八咫烏の斬羽・闇影虎の剛毛・暗黒粘液種の体液
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名称:黒シャツ
種別:防具服
ランク:---
効果:耐久性が極めて高い黒いシャツ。辺りに漂う魔力を吸収し、着用者の魔力へと変換する事が可能。
素材:雲山羊の綿毛・世界樹の麻・暗黒粘液種の体液
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名称:黒ネクタイ
種別:防具服
ランク:---
効果:魔法が込められた黒いネクタイ。このネクタイは状態異常を完全に遮断する事ができる。
素材:黒玉兎の毛玉・雲山羊の綿毛・暗黒粘液種の体液
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本当に凄いスーツだった。
この上から先に貰った『闇紛れの仕込みコート』を着用しているのだが、やっぱりしっくりするので違和感が全く無い。
一方、シキさんは……。
「それ、軍服……ですか?」
「あぁ。一応軍にも加入しているからな」
僕と同じ様な黒一色のスーツを着用していた。しかし全てが同じ訳ではなく、外套の左胸元には紋章があった。その紋章は白い丸に黒い丸、黄色い丸が合わさったものだ。その三つの丸の外側にはギザギザが取り囲む様になっている。単純なデザインの様に見えるが、僕はそれを強大な力が合わさった様にもみえた。
そしてその外套の上から先程の紋章が背中に刺繍された羽織を羽織っている。その羽織のメインは黒だが、金色の紋様が全体に広がっていた。
正直言おう。
凄く格好いい。
「あ、あの!その軍服を視てもいいですか?」
「構わないよ」
では、失礼して視させていただきますっ!
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名称:???軍服の羽織
種別:魔防具服
ランク:-----
効果:???軍の中将階級以上から着用を義務づけられる軍服。この魔防具服は着用者が登録されており、それ以外の者は着用不可能。あらゆる戦闘スタイルにでも邪魔にならない。魔法の威力を高める事が出来る礼装でもある。階級事によって金色のデザインが異なっている。
素材:??????・???????・?????
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凄い軍服なのはわかったけど、凄い文字化けになっているところが多々ある。今の『永遠之右眼』では視れないのだろう。
……シキさん。軍では中将以上のお偉いさんなんですね。多分大将の実力がありそうだ。まあ、実際にシキさんが入っている軍の階級等々は全く知らないけど。
でも、こんな上等な防具服を羽織るなんて……その神様はかなり危険な存在なのだろうか。
「御主人。先程言っていた神様、と戦闘するのですか?」
「……さぁ、どうだろうね。戦闘にならない事を祈っているけど……ま、行ってみないとわからないね。あちらさんも御丁寧に待ってくれているみたいだし」
「っ!?そ、それって……」
「あちらさんも俺達の存在に気付いている。今のところは何もしにくる気配は無い。でも、何故『迷宮』の最深部にいるんだ……?」
「……どんな神様?なのでしょうか」
「さあ、そこまでわからないよ。けど、神様以外にも……葵が言っていた泥人形もいるみたいだ」
「……っ!」
泥人形。
あの酷く不気味な存在。
姿を見せないと思ったらそんな場所にいたのか。
……もしかして、その神様と泥人形は仲間、なのかっ!?
「いや葵、それは無いよ。その泥人形、どうやら神様によって動きを封じ込められているみたいだ」
表情に出てしまっていた様でシキさんがすかさず僕の思っていた事を否定した。動きを封じ込めているなら仲間、というわけではなさそうだ。なら、何でその神様と泥人形は一緒にいるんだ?
「……???」
「ま、行ってみないとわからないね。シリル、葵。準備はいいかい?」
「「はいっ!」」
そうだ。直接行って見てみないとわからない。
それに今ならあの泥人形を倒せる可能性は十分にある。あの時の様に一人じゃないんだ。
僕とシリルは前に進んでいくシキさんに従者の様についていくのであった。
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