雪です……さぶっ!?
前回のあらすじぃぃぃぃぃぃぃい!!!
『木魔法?』
『意外とすごい?』
『他にもできる!?』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
魔法の基礎基本を徹底し特訓した後、僕達は森林の階層より更に下へと潜っていくこととなった。特訓では飛躍的に成長したとかは無いが『水魔法』と『土魔法』・『光魔法』、そして『木魔法』については狐さんの指導もあってある程度まで使える様になっている。でも、決め手になるほどの威力はまだ無いけど。
ステータスもこの様な感じになっている。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
名前 アオイ・サクラマ
種族 人族
性別 男
職業 --
レベル 3
体力 1970
魔力 1040
筋力 1470
耐久 1290
俊敏 2100
ーーー
[絶対固有スキル]
永久之右眼.F
ーーー
[固有スキル]
ーーー
[スキル]
木魔法.1
水魔法.1
土魔法.1
光魔法.1
弓術.1
ーーー
[称号]
異世界から巻き込まれし者
勇気在ル者
ーーー
超越者の加護
天照大御神の加護
ーーーーーーーーーーーーーーーー
本当に基礎基本しか出来ていないので、全ての魔法はLv.1だ。この[スキル]レベルを上げるにはかなりの努力をしなければならない。文献でも見たけど、[スキル]レベルは最高で8だとされている。実は数年前までは最高が7だったらしいが、ある国の騎士団長の一人が[スキル]レベルが8だったらしい。加えて、最近はLv.2000越えの『魔王』の[スキル]レベルが10だということだった。なので、今現在の[スキル]レベルの最高は10だ。
世界は、広いね……。
でも、Lv.2000越えの『魔王』を倒したのは『ホワイト』っていう人らしいけど……どんな人なんだろう。確か白髪の麗人みたいだけどね。
それにしても、です。
今現在、僕達がいる階層は……何階層かはわからないけど辺りが雪が降っています。ものすごく、寒いです。
本当なら狐さんのもふもふで暖まりたいところなのだが、目の前には一体の人型モンスターがいた。
「あれは……」
"『ゴーレム』、の様だね。しかも雪の身体してるから『アイスゴーレム』って言った方が正しいかも。……よしっ!葵、頑張ってみよっか!"
「頑張ってって……まさか」
"そのまさか、だよ。でも、安心して。猫さんについてもらうから"
「にゃんっ!」
猫さんがついてくれるなら、安心かも……。
この階層は前の森林の階層と同じ広さがあると思う。でも雪が積もって辺りが白一色。障害物もあるが、白しかない階層だ。
「あぁ……服作っといてよかった……でも、これ自分の為に作ったんじゃないけど……」
今僕が着ている服は、本来……義姉妹の為に作ったものだ。様々な環境の場所に行くと思って作ったけど、まさか自分が着るとは思わなかった。見た目は作業服っぽいけど、それだけじゃダサいかなっと思って少しカジュアル風にしたんだ。狐さんに水の鏡で自分の姿を見たけど……何か、華奢なのからかな。女性用なのにピッタリ合っていたんだ。そう言えば、義妹とは体型も身長もほぼ同じだったような気がする。……ショック。
"ん?どうした"
「……何でもないです、はい」
"……?そうか、まあいいや。葵、いよいよ初の戦闘だ。猫さんが守ってくれるけど……気を抜かないように。これは……殺し合い、だからね?"
そうだ。
今から僕はモンスターとの戦闘、殺し合いを始めるのだ。『アイスゴーレム』は背を向けて僕達の事は気付いていない。攻めるなら今だろう。
"今の所はあの『アイスゴーレム』一体だけの様だね。……無理はしなくていいよ?"
「……いえ、大丈夫です。やれます」
正直、恐いの一言だ。
しかし、強くなるには戦う事は避けられない。
それにしてもあの『アイスゴーレム』は高さが3mを確実に越えているし、身体全体が大きくて太い。あんな腕で殴られたら……最悪、即死だろう。相手の攻撃を一発でも喰らうことも許されない。
先手に『アイテムボックス』からクロスボウを取り出すと『アイスゴーレム』の弱点であろう胸部に向かって矢を放つ。胸部には『アイスゴーレム』の心臓部でもある大きな結晶があるのだ。そこさえ壊せば、倒せる……筈。文献にも載ってたから確かだと思いたい。
ーーーパシュンッ!
放った矢は見事に……結晶部へと当たった。
しかし、壊す程の威力は無かったのか矢の方が壊れてしまった。『アイスゴーレム』は攻撃してきた僕を方に顔を向けると少し丘になった場所で隠れていた場所がバレてしまう。
ーーーォォォォォォオオオオ!!!
「うっ!」
威嚇の咆哮に僕は思わず身体がすくんでしまいそうになるが、そんなビビっている暇なんて無い。『アイスゴーレム』は動作は遅いと感じるものの無断は出来ない。もう一度矢を射る為に矢を放つが効果が無いようだ。『アイスゴーレム』は起こっているのかはわからないが、僕を敵だと認識して大きな身体を動かして走り迫ってきた。
「やばっ……。≪我が手に宿れ、水玉よ、そして、放て!『水球』≫っ!!!」
見事『水球』の発動する事ができ、『アイスゴーレム』の右足に被弾する。僕が放った『水球』は効果が無いように思ったが、直後にパキッと亀裂が走った様な音がしたのだ。
ーーーォォォオッ!?!?
パキッパキッパキッ!
『アイスゴーレム』は戸惑ったかの様な声を出している。僕はその『アイスゴーレム』の右足を見ると最初は小さな亀裂だったのだが、その右足を踏み出した瞬間にその小さな亀裂が更に大きな亀裂になっていくところだった。
これは、チャンスだ!
僕はそう思って透かさず、クロスボウで亀裂がある右足に向かって矢を何度も放つ。それがよかったのか『アイスゴーレム』は嫌がる様に、少しだが後退していく。
このまま、右足を崩せばそのまま立つ事は不可能だろうし、あの重そうな身体は地に落ちるだろう。そうすれば、距離を保ちながら弱点の結晶部を破壊すれば良い。それで、勝てる!
そう思いながら矢と『水球』を放ち続けていくと予測通りに『アイスゴーレム』の右足は破壊する事に成功すると、胴体は雪に沈む様に前へと倒れていった。倒れた後も片足では立てないのか、両手で這いずる様に僕の方へと向かってくる。しかし、僕は距離を保つように攻撃を続行していく。これなら、いけるっ!
だが、僕の予測通りに上手くいくわけがなかった。
ーーーゥォォォォォァァア!!!
「えっ!?」
驚いた事に『アイスゴーレム』は自らの心臓部でもある結晶をもぎ取ると僕の近くへと投げてきたのだ。そんな事をするとは思っていなくて、僕は即座に後ろへ下がることにする。結晶部を失った『アイスゴーレム』は糸が切れたかの様にその大きな身体がボロボロと崩れていった。
「なっ、何が……?」
僕は混乱しながらその崩れていく姿を見ながら呟いていると、辺りに振動が起こる。本当に何がなんだがわからない僕は恐怖に教われていると、右肩に少し重さを感じ取った。
「にゃ、にゃっ!」
「ね、猫さん!?」
「にゃっ!にゃ!」
「え、何?」
肩に乗ってきた猫さんは僕に何かを知らせている様だ。猫さんが向けた方向へと顔を向けると『アイスゴーレム』の心臓部でもある結晶が辺りに積もっている雪を取り込んでいくところであった。一面が真っ白な為に全く気づかなかったが、その結晶は雪を取り込み、新たな身体を作成していく。
あぁ、そうか。
あの結晶は心臓部じゃなくて、『アイスゴーレム』の本体なのか。
そう思っている一瞬の内に新たな身体を作成した『アイスゴーレム』は先程よりも倍近くの大きさになっている。これは……避けきれない。
僕は『水球』で同じ様に足に狙いを定めて何度か放つのだが、被弾する前に『アイスゴーレム』から放たれる冷気によって凍らされていまいそのまま落とされてしまう。
「わっ、あわわわ……」
もう、何をしていいかわからなくなってしまう。『土魔法』を使おうと思っても当てる前に撃ち落とされるのが目に見えてしまっている。『光魔法』は……『ゴーレム』に目の様なものは見当たらないから、意味あるのかな?
ーーーォォォォォォオオオオ!!!
「やばっ!」
『アイスゴーレム』は更に大きく長い腕を横凪ぎに振るうのだが、その攻撃範囲が広すぎて時分が避けても結果は変わらないと理解してしまう。
猫さんに……。
いや、駄目だ。
倒すんだ、あの大きな敵に。
頭ではそう思っていても迫り来る恐怖で何をしたらいいのかわからずにごちゃごいゃになっていく。どうすれば倒せるんだ、と。
あ、まだ使っていない魔法があった。
「『木魔法』っ」
こんな雪場所で木とかが生えるのかは不明だが、やるしかない!
僕は身体に宿る魔力を『アイスゴーレム』に向かって大砲の様に放つ感じに解き放った。
ーーードドドドド、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴコッ!!!
「うっく!?」
僕は反射的に目を閉じてしまい、大きな音と振動が伝わってくる位にしかわからない。加えて魔力をほぼ使いきったのか身体が鉛の様に重くなり、その場で座り込んでしまった。
もう、既に10秒は経過しただろうか。
外的からの痛みも苦しみも感じないことに疑問に感じだ僕は恐る恐る目を開けてみると、そこには『アイスゴーレム』が雪下から現れている幾つもの樹木によって拘束、結晶部を一本の樹木が槍の様に突き刺して貫通させていたのだ。
「はっ……へっ?」
ーーーォォォォオ……
『アイスゴーレム』は本体が破壊された事によって結晶ごと音をたてて崩れていった。
「にゃにゃにゃぁっ!」
猫さんは凄いな、お前!という感じに鳴いてくる。
この幾つもの樹木は、僕が生み出したものの様だ。その証拠に僕を中心として現れていたのだから。
「これが……僕の、力?」
「にゃにゃ!」
"その通りだよ。でも、まさかここまで『木魔法』の素質があるなんてね。……葵、よく頑張ったね"
いつの間にか幾つもの樹木は消えると狐さんが舞い降りてきた。そして、優しく抱き寄せる様に身体全体を包み込んでくれる。まるで、母性に満ち溢れた女性の様に……心の底から安心が出来る心地好さだ。
あぁ、魔力を出しきったのかとても疲れた……。
本当に……狐さんは……。
「(お母……さん……)」
もし、狐さんの様な……お母さんだったら、いいのにな……。
"魔力をあれだけ放出したんだ。疲れてもしかたがないね……"
すると、狐さんの身体が淡く輝きだすと一瞬で人の姿に変身してしまう。本当に疲れて……夢でも見ているのだろうか。いや、幻覚か……。
その狐さん?は癖っ毛のある長い金髪に右が碧眼、左が新橋色のオッドアイの絶世の美少女だ。服装は地球にもありそうなもので、黒いタンクトップの上に首回りが肩の先まで広いボートネックに非常にラフそうな黒ズボン。ボーイッシュだね……狐さん。しっかりと狐耳と尻尾もちゃんとあるよ。所謂……ケモミミっ娘かな?
今までの人生の中で出会った女性よりも比べ物にならない程、綺麗な人だ。
それにしても、こんな幻覚を見るなんて……大丈夫かな、僕。
狐さんに失礼だね。勝手に擬人化とか……。
あぁ……もう、駄目だ……意識が……。
「ゆっくりお休み、葵。安心して眠りなさい……」
テレパシーと同じ様な凛とした声に安心したのか、僕は美少女になっていた狐さんに身体を預けて深い眠りにつくのであった。
ブックマーク登録、評価、感想をいただけると非常に嬉しいです(*≧∀≦*)
質問(キャラクターに対しての)を受け付けています!




