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木魔法です。

前回のあらすじぃぃぃぃぃぃぃぃい!!!


迷宮(ダンジョン)の中に森林が?』


『魔力を感じよう!』


『木属性?』


のどんっ!ι(`ロ´)ノ



「『木魔法』、ですか?」


僕は思わず、何とも言えない表情をしながら狐さんに確認する。『木魔法』って……何か地味そうで、欲を云うのであれば、もっと格好いいのが良かったな……と思ってしまう。だって僕、男だしっ。魔法って男のロマンじゃないですか……。



"うん。かなり珍しい魔法の一つだよ。他にも『空間魔法』や『影魔法』、『霧魔法』とか挙げられるね"


「『木魔法』って、どんな魔法なんですか?」



『木魔法』ってイメージするなら、さっきの様に木を生やす位しか思いつかないのだ。狐さんは珍しいとは言っていたが、それがどの様な能力かを知っておくべきだと思う。僕の想像通りに地味そうだけど……。でも、魔法が使えないよりかはマシだよね。我儘言っちゃいけないな。



"そうだね……。ちょっと俺が『木魔法』を使ってみるよ。葵、少し離れてて"



狐さんがそう言うと僕は少し距離を置くように離れておく。猫さんと一緒に。


すると狐さんはその場から優雅に、そして軽やかにゆっくりと回りを一周する様に駆けていく。その掛けていった時に狐さんが触れた草叢から綺麗な色のついた花が生えてきたのだ。僕の本へと帰ってきた時には円を描いた花の楽園が広がっている。……狐さん、自然の化身だったりするのかな?



"ん、こんなものかな?"


「豊穣神か何かですか……」


"豊穣神はこれより凄いよ?"


「居るんですか、豊穣神?」


"うん。例えば……フレイヤ様って知ってる?"


「名前くらいは……」



豊穣神フレイヤ。たしか北欧神話の女神だったと思う。ゲームとか漫画でもキャラクターとして登場しているね。豊穣の神様であり、ニヨルドの娘でありフレイという神様の双子の妹、だったはずだ。てか、狐さんがフレイヤ『様』って言ってる位だからその女神様と知り合いなのかな?多分だけど、綺麗な女神様なんだろうな~。……羨ましいっ。



"まあ、有名だからね。その方は今僕がやった事より遥かに凄いのをやるよ"


「そのフレイヤ様と知り合いなんですか?」


"……まあ……そうだね。何度かあった事があるよ。でも、あの人……何か怖いんだよね"


「怖い?」


「にゃ?」



すると狐さんは今までには見なかった表情をしていた。身体を震わせて、少し泣きそうなものであった。肩にいた猫さんも初めて見たのか驚いている様子だ。狐さんがそんな風にするフレイヤ様って……何があったんだろうか?



"何時も優しく接してくれるから、別に悪い人じゃないんだ。でも……何か、餓えた獣の様にいきなり抱き付いてきたり、身体をベタベタ触ってきたり……変な所も触ってくるし……。フレイヤ様だけじゃなくて、アプロディーテー様からも同じことしてくるし……。"


「え……」



女神フレイヤ様とアプロディーテー様……狐さんに何やってんですか。完全にセクハラではないか?いや、本当に大丈夫なのか狐さん!何だか心配になってきた。



「大丈夫だったんですか?」


"うん。それ以上の事はされなかったからね……"



神様とはいえ同性にモテるんだろうね、狐さんは。予想だけど狐さんが擬人化したら同性にモテまくるに決まっている。男として情けないけど……強いし、格好いいからね。



"ま、まあ、話を戻すけど、『木魔法』はこんな使い方ができるんだ。今の葵の実力では、強力なものは出せないと思うけど使いようによっては有利に戦えるからね。"


「なるほど……」


"それに『木魔法』が使えるなら、『水魔法』・『土魔法』・『光魔法』の三つが使えるはずだよ"


「そうなんですか?」


"うん。『木魔法』って『水魔法』・『土魔法』・『光魔法』が融合した魔法なんだよ。その三つの属性魔法を使えたとしてもその『木魔法』を使えるのは極一部。だから珍しいんだよ"


「『水魔法』、『土魔法』、『光魔法』も……」



驚きはしたが、何となく狐さんの話を聞いて理解は出来る。『水魔法』は水を、『土魔法』には土台となる土を、『光魔法』は太陽の光の役目なのだろう。そして僕自身が種だとしたら、木が育つに必要な属性が揃っているんだ。だから『木魔法』を扱えるんだと思う。でも、中にはその必要な三つの属性が揃っていても使えないのは……何か理由があるのだろうか?もしかして、三つの属性のバランスとかかな?



"でも、その中でも『木魔法』を最初に開花するなるてね。正直驚いたね"


「普通は開花しないんですか?」


"いや、無い訳じゃないんだけども、大体は『木魔法』の元となる『水魔法』か『土魔法』、『光魔法』のどちらかが初めに開花するんだ。もしかして……葵、その三つの属性より『木魔力』の方が圧倒的に合っている、のかな?"


「他の属性は……」


"大丈夫、俺が教えるから心配しないで。でもまずは基礎基本を徹底しなきゃね。まずは、『水魔法』から教えようか。今魔力を感じると思うから、その自分の魔力を手に集中させるんだ。そして詠唱は≪我が手に宿れ、水玉よ、そして放て!『水球(ウォーター・ボール)』≫だよ。"


「はい!やってみます……≪我が手に宿れ、水玉よ、そして放て!『水球(ウォーター・ボール)』≫!」



すると僕の右手から両手で収まりきる程の大きさである水球が現れると少し軌道に反れたが見事に先にある木へと直撃した。被弾した木には何もなっていない。それほど速くもなかったからね。


でも、魔法が撃てたっ!


それが今の僕にとっては感動的で歓喜に震えてしまいそうな程嬉しかった。



「にゃにゃにゃっ!」



僕の肩にいた猫さんが、何か詠唱の様に鳴くと猫さんの背中から黒い鎖の様なものが出てきた。そしてその鎖の尖端を器用に、まるで生き物の様に動かしている。狐さんも凄いけど、猫さんも凄いねっ。



"今、し……猫さんが使った魔法は『闇魔法』の『闇鎖(ダーク・チェーン)』だね"


「猫さん凄いっ」


「にゃんにゃぁん♪」



猫さんがどうだっ、という感じな表情も可愛いな……。『闇魔法』か。『闇魔法』って悪いイメージが強かったけど、今猫さんの『闇鎖(ダーク・チェーン)』は冷酷ではなくてむしろ、暖かみのある優しいものなんだ。例えるなら……生命を癒し、安心させる夜の様なものだろうか?ほら、夜になると眠たくなる感じの……人によるかな。



"鎖一つ一つの魔力が若干疎らになっているね。でも、前よりか良くなってるよ"


「にゃんっ!」



猫さんって狐さんに従順だね。前は白いもふもふのせいで見えなかったけど、よく見ると猫さんの首には黒い首輪がついているんだよね。見た目はチークのやつだけど。


それにしても、本当に狐さんって凄いなぁ……。この世界で敵なんていないんじゃないだろうか?神様と対等に渡り合えると思っちゃうし、多分地球でも最強かもしれないね。もしかすると、地球でも『魔法』っていう概念があったりしたら……それでも、狐さんは最強クラスに確実に入ると思うな。地球にある神話や伝説の英雄達と戦う事になったら……。あ、何かフラグっぽくなっちゃうかもだからこれ以上は考えないでおこう。……フラグにならないよね?まあ、その英雄さん達も既に亡くなっているから、そんな事有り得ないと思うけど。



"どうしたんだい?"


「あっ、いえ、何でもないです」


"そう。なら、他の魔法も基礎は全て教えるから。ちゃんと忘れないように"


「基礎基本を徹底に、ですよね?」


"ふふふっ。わかってるなら、よろしい。じゃ、またやってみようか"


「はいっ」


「にゃっ!」



こうして、僕は魔法の基礎基本を狐さんに徹底的に教えてもらうこととなったのだ。それから約一週間位この森林の階層から潜る事となる。そして狐さんの特訓は更なる厳しさが増すのは必然とものとなることとなった。






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