ステータスってあるんですね
前回のあらすじぃぃぃぃぃぃぃぃい!!!
『異世界召喚です』
『ビックリです。』
『これからどうなるんだろう……?』
のどんっ!
レイニアさんについていくとそこには先程より狭いが十分広い部屋であり、その奥の王座には一人の男性が掛けていた。恐らくその人物こそが国王なのだとわかる。だが、僕のイメージする王様とは少し異なっていて、身体が大柄でガッチリしているから王様よりも屈強な戦士に近い。傍には騎士団長や宮廷魔導師達がいるにも関わらず王様の方が圧倒的なオーラを放っている。正直敵にしたくはないと誰もが思うだろう。僕達の様な平和な国に育っているのであれば。
「……貴殿等が異世界から召喚された者達か」
「はい。人数は86人です」
「そうか。……レイニア、下がっていいぞ」
「ハッ」
先頭にいたレイニアは横にズレる様に下がっていくと、王様の前には召喚された僕達しかいない。その回りには騎士団長や宮廷魔導師だけではなく、貴族らしい人や秘書的な人もいる。そんな人達に注目される中、王様は僕達に話す。
この世界の事。
『魔王』という存在について。
ステータスという概念があること。
魔法があること。
そして僕達が異世界からの『勇者』である事。
この話に特に男子生徒達は物凄く興奮したように喜んでいる。ステータスという概念があるなら、この世界はゲームの楊にはも見える。加えて魔法については女子達も興味津々の様だ。
何故召喚されたのかは今のこの世界に危機があるらしい。原因は『魔王』という存在らしい。『魔王』は一体だけでなく多く存在しているらしく、近年その『魔王』達の存在が更に増えていると言うことだ。
他の生徒や教師達はその話に喜び、戸惑いを隠せない中、僕は少し違和感を感じていた。
話を聞くに僕達は数ヶ月程この王宮内で勉学と戦闘について学ばせると言うことであった。そして更に数ヶ月後には魔法学園に通うと言うことだ。ここで驚いたのはここにいる僕達だけではなく他の国でも同じ様な者達が通う事になっているらしい。この国を含めて4つの国には僕達と同様に召喚された『勇者』達がいるということだ。
にしても、世界の危機とか言う割にはのんびりしていないだろうか?いや、確かにこの世界の知識は全くわからないのでこういう事をしていただけるのは僕達にとって良いことなのだ。学園まで通わせてくれるなんて有り難いだろう。
しかし、だ。
この世界は『魔王』達によって危機にとは言っているが、王様からは強制的な事は何一つ言われていない。『魔王』を倒してくれたら嬉しいかなー、位だ。僕以外にも同じ考えの人はいるだろう。
そしてこの話が終えた後、皆のステータスを見ることとなった。
どうやら宮廷魔導師さんが手に持っている大きな宝玉で図るらしい。見た感じ中々高そうだ。
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名前 ナオト・コウジョウ
種族 人族
性別 男
職業 勇者・聖剣使い
レベル 1
体力 800
魔力 750
筋力 760
耐久 770
俊敏 850
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[固有スキル]
勇者
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[スキル]
剣術.1
体術.1
光魔法.1
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[称号]
異世界から召喚されし勇者
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女神ティールバの加護
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名前 マキ・サクラマ
種族 人族
性別 女
職業 精霊使い
レベル 1
体力 600
魔力 500
筋力 410
耐久 550
俊敏 420
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[固有スキル]
勇者
ーーー
[スキル]
火魔法.1
水魔法.1
風魔法.1
ーーー
[称号]
異世界から召喚されし勇者
ーーー
女神ティールバの加護
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名前 マリ・サクラマ
種族 人族
性別 女
職業 勇者・魔法使い
レベル 1
体力 500
魔力 600
筋力 550
耐久 500
俊敏 580
ーーー
[固有スキル]
勇者
ーーー
[スキル]
精霊魔法.1
ーーー
[称号]
異世界から召喚されし勇者
ーーー
女神ティールバの加護
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名前 ユウヘイ・ウラサキ
性別 男
職業 勇者・聖剣使い
レベル 1
体力 620
魔力 470
筋力 620
耐久 610
俊敏 650
ーーー
[固有スキル]
勇者
??????
ーーー
[スキル]
剣術.1
ーーー
[称号]
異世界から召喚されし勇者
ーーー
女神ティールバの加護
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「勇平のステータス、凄いな」
「……お前もな」
浦崎勇平。
サッカー部の主将であり、イケメンなクラスメイトだ。光城君がよく話す人物でもある。彼は大人しくてクールな所が女子達を魅了している。学内のイケメンランキングでNo2だ。因みにNo1は光城君である。
他の生徒や教師達のステータスは四人より少し劣るがこの世界の一般人よりかは高い。これは女神ティールバの加護があることによっての影響らしい。魔法等のスキルがあることに驚きや喜びで渦巻いている中、いよいよ最後に僕のステータスだ。
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名前 アオイ・サクラマ
性別 男
職業 平民
レベル 1
体力 100
魔力 80
筋力 90
耐久 100
俊敏 80
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[固有スキル]
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[スキル]
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[称号]
異世界から巻き込まれし者
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……なんてこったい。
正直にこの言葉が一番しっくりくる状況だ。
レイニアさん、前の話を聞いてると王様の娘である第二王女であるその人が石像の様に固まってしまっている。王女様だけではなく王様を含めた面々、そして生徒と教師達。教師達は教師としての責務は異世界だとしても変わらなく王様に見捨てない様にしてほしいと必死に話していた。義姉妹も同様に説得してくれているのでとても嬉しいが、僕のステータスを見て現実を受け入れるのに時間が掛かった。
僕のステータスは一般人より低い。
そして加護が無い。
これなら捨てられても仕方がないと思っていたが、王様は僕に言う。
「この世はステータスという数値化したものだけでは判断しない。例え君が無力だとしても、それは戦闘力だけの話だ。それにレベルを上げれば強くなると思う。だからそう深刻な顔はするな。諦めるのは速いと思うぞ?」
王様は僕を見捨てはせずに心優しくその様に話してくれた。
僕自身ラノベ等多く読んでいるので、こういう展開は捨てられるのではないかと思っていたが心配なかった様だ。王様の考えはレイニア王女を初めに騎士団長や宮廷魔導師達、貴族の方々も同意している様だ。
「よかったッ……」
「兄さんは私達が守るからッ」
義姉妹もそう言ってくれる事に嬉しく感じる。この義姉妹は僕にとって十分過ぎる、出来た姉妹だ。この二人が家族で本当によかったと感じる。王様は日々の生活に不満が無いようにしてくれると話してくれた。
これなら安心だと僕達はこの国で暮らす事となったのだ。
そして1ヶ月後、浦崎勇平が突如行方不明になったのだった。
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