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★禁忌之呪物 にっ!

『地球の異変』について修正させていただきました。


不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。

これからは読者の方々の御意見を出来るだけ尊重させていくように心掛けます。


これからも『~他の異世界に召喚されたけど自由気ままに旅しよう~』を宜しくお願いします。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!


『昔っ!』


『姫希と!』


『マグナが!』


『特訓していましたとさっ!』


のどんっ!



突如現れたカーズに姫希達三人は呆然とするしかできなかった。その彼等の反応は正しいだろう。何せ筋肉ムキムキの巨漢な男性が決めポーズを決めて「マッスル」と叫んでいたのだから。直ぐに自我を取り戻したハクとマグナだったが何か言おうとする前に空から一体のモンスターがゆっくりと降りてくる。


そのモンスターはドラゴン。


しかし、只のドラゴンではない。


身体の部分にはサイボーグ化されてはいるが、目に見えて生き生きとしていることが客観的にわかるだろう。翼にはジェットエンジンの様な物が合体しており、身体付きからしても全体的にスマートなので戦闘機よりも速そうかもしれない。



ーーーグルゥウ


「おー、着いたのか。感謝するぞ、マックス。よっとっ……」



サイボーグドラゴン、マックスの背中から一人の人物が飛び降りるとカーズの近くに着地した。

その人物は10歳前後の幼女であった。背の高さもこの当日の姫希よりも大分低い。だが幼そうな態度は一切無く、隙の無い動きだ。幼女ながらも黒の軍服を着ており、その上から研究者が着ている白衣を纏っていた。



「カーズ、貴様は馬鹿か?何処に上空5000mからここに着地しようとする?馬鹿か?馬鹿なのか?お前の脳は筋肉なのか!?」


「がっハッハッ!脳が筋肉などど、照れるではないかっ!」


「誰も褒めておらんっ!ほれ、見ろ!目の前にいるハク達三人が反応に困っているではないかっ!」


「む、むむむっ?そうか、そうか!吾輩の筋肉が美しく、そしてしなやかで、素晴らしい事に言葉を無くしていたのだなっ!吾輩の筋肉は何物にも例えがたいからなっ!がっはっハッハッ!!」


「……話が通じん」



カーズと博識そうな幼女がやり取りをしていると代表してハクが声をかけた。この二人についてはハクとマグナ、そして姫希も知っている人物なので大したことはない。



「カーズさんにマキナさん、どうしてここに?」


「おぉっ!ハクか、相変わらず美人であるなっ!」


「……」


「ぉぅっ!?ちょっ、ちょっと待つのであるっ!主の身体から白い炎が出てるのであるぞっ!流石に吾輩の筋肉でも[白炎]はきついのであるっ!」


「お~、丁度よいハク。こやつ燃やしてしまえ」


「その筋肉、燃やしてあげましょう」


「……美人とか言ってすまないのである。筋肉焼けちゃうからよしてほしいのである」



流石に『白炎帝』であるハクを怒らすのは不味いと思ったのか潔く土下座をしたカーズ。彼の種族は『獣人族』であり『猪人族(オーク)』の呼ばれる者だ。一般的に『オーク』と言えば人形の豚で醜い姿だと思われそうだがそうではない。『この世界』で『猪人族(オーク)』とは誠実で紳士でありおおらかな種族である。意外と情熱的な精神を持ち合わせている『猪人族(オーク)』が多い。



因みにだが、カーズは既婚者であり妻は『森人族(エルフ)』である。子供にも恵まれていて最近は曾孫が産まれたらしく一日中男泣きをしていたらしい。妻である森人族(エルフ)に煩い!と怒られたらしいが。



「馬鹿目。ハクにそれを言われるのを嫌っておるのは知っておるじゃろ、まったく……」



溜め息をつくマキナはやれやれといった感じに溜め息をつく。彼女は『人族(ヒューマン)』であるが『小人族』と称される種族だ。見た目は幼女だが実は400歳を越えた人物である。見た目で判断はしてはいけない。子供扱いをする相手にはハク同等に恐ろしい仕返しが待っているのだから。


そんな中、姫希はとことこと土下座をしていたカーズの方へと近づくとペタペタと勇ましい筋肉を触りだした。



「……すげぇ……かっこいいっ」


「おおっ!!!ハクの孫である姫希よ!吾輩の筋肉の凄さがわかるのかっ!」


「うんっ!なんか、こう……凄く強そうっ!」


「がっはっはっは!そうかそうか!姫希の言う通り吾輩の筋肉は凄いぞっ!」


「なぁなぁ!どうやったら、そんななムキムキになれるの?プロテイン?とか飲んだらいいの?」


「むむむっ!姫希よ、吾輩の筋肉達はプロテイン等飲んではおらん。バランスの良い食事と睡眠、特訓を繰り返す事によって出来上がったものなのだ!」


「そうなんだっ!俺もカーズさんみたいにムキムキになりたい!」


「むっ、むむむ……吾輩の様にか……」



カーズは何とも言えない表情をしながら姫希から目線を反らしてしまう。その反らした方向にはハクがいたので助け船を求めていた。ハク自身も何とも言えない表情をしている。


実は姫希の祖父であるハクもカーズに同じ様な事を発言していたのだ。結果としてみれば一向に身体に変化は起きる事はなく挫折してしまっている。恐らくこれは種族的、体質的に筋肉等が付かないらしい。その事はハクだけでなく娘である柚希、孫である姫希にも当てはまるのだ。



「姫希。悪いがこの筋肉馬鹿(カーズ)の様にはなれんよ。種族的、体質的に華奢なのだから仕方がないのだ。」


「そ、そんな……」


「おじいちゃんも憧れて頑張ったけど……変化が全くなかった……」


「うっ……ぅっ……うぉぉぉぉぉぉぉぉおっ!!!」


「姫希ッ!」



ハクと姫希は御互いに慰める様に抱き締めていた。姫希は余程ショックだったのか馬鹿みたいに叫んで泣いている。本当に馬鹿みたいだ。



「ぐぬっ……彼等に筋肉が付かないとは……神よッ!何故こんな仕打ちをっ!!!」



"""私(僕)(俺)達は関係ないわッ!!!"""



そのハクと姫希が泣いている横でカーズも泣いていたが、筋肉がどうとかを神のせいにするので流石の神達もそんなしょうもない理由に思わず答えてしまう。当然、怒られたカーズは心の中で神々に謝っていた。



「……この二人は放っておいてよ、マキナさんにカーズさん。何故ここに?」


「馬鹿じゃな……」


「は?」


「はっ!?いや、いやいや!此処に着た理由じゃな。……とりあけず、家に行っても良いか?もう、しんどい」


「……なら、ハクの家に行くか」



この混沌な状況の中、とりあえずハクの家である柊家へと向かうことにしたのだった。













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