神格者(シキ)の祝福
前回のあらすじぃぃぃ!!!
『シキの攻撃!』
『リヴァイアサンにこうかがないようだ……』
『リゼット達集合!』
『堤防へ!』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
海大蛇達が迫り来るのを迎え撃つ様にシキ達は堤防に到着していた。豪雨は更に激しさを増している。これから更に天候が悪化するのは間違いないだろう。この天候の原因を取り除かない限りは。
シキは堤防に向かう前に変形武器を[空間庫]に収納していたが、代わりにある武器を取り出していた。それは無名の神刀であった。その神刀には一応名は『空』とつけている。その刀にはある特徴的なものがあった。それは刃が文字通り『無い』のだ。その他にはそれほど目だったものでもない。だが、聖剣や魔剣等よりも存在感のある武器である事はリゼット達も気づいていた様だ。
「おい、それは何だ?」
「これは、神刀だ。名前は『空』っていうんだけど……まさか、ここで使うとは思わなかった」
神刀の他に神剣もあるのだが普段使う機会は殆ど無いのだ。しかし、今回の相手はシキ自身計り知れないと判断してやむを得ず使用する事にしたのだ。
"しかしだ、シキ。今回は神刀の力も借りねばならないぞッ"
"わかってるよ、ラヴィ姉"
シキが神刀を使用するということはそれほどの相手だということだ。今回の戦闘で神剣である『エア』も使用する可能性も十分にある。今右手に持っている神刀、『空』はシキに使われる事に喜んでいるように微かに震えていた。その感情を読み取ったシキは神刀、『空』を見ながら微笑んでいるとシキ達の元にギルドマスターであるイルディアが騎士達と冒険者達も引き連れながらやってきた。どの騎士や冒険者達も緊張した面持ちだ。イルディアはシキ達の方へとやってくるのだがやはり何処からどう見ても幼女であった。スミリアといい勝負になるかもしれない。
「シキよ、お主……『レッド』の服装であるが変装はいいのか?」
「あっ」
今のシキの服装は『レッド』専用の黒一色スーツであるのだが、髪と目の色に髪型全て変装していなかった。変装することは完全に忘れていたシキだったがあの状況で変装は難しかったので仕方がないと開き直るしかない。苦笑いしながらそう考えていたシキをイルディアは何となく察してそれ以上変装については置いておく事にした。
「さて、[召喚]!『白炎妖九狐』、『紅蓮天神龍』!!!」
シキの後方に宙に浮かぶ魔方陣から白き九尾の狐であるマシロと真紅の竜であるクリムゾルが召喚される。突如現れた二体の存在に騎士達と冒険者達が酷く驚いてしまう。中には敵かと思われそうになるが、その前にイルディアがそれを止める。イルディアはこの狐と竜がマシロとクリムゾルだと気づいていた。それを知らない者達に味方だと全員に説明するとその召喚師であるシキに注目が集まる。その視線は尊敬と畏怖が混じったものだ。そうなるのも無理はないとシキはその視線を無視する。
「マシロ、クリムも頼むぞ」
「はーい!」
「任せよっ!」
そうマシロとクリムが意気込む中堤防から海上で激しい豪雨が叩き付けてる影響で向こうの景色は見えにくい。しかし、何か大きな影が無数に近づいていた。そして距離が縮まるとその影の正体が露となる。
「海大蛇の大群が来たぞーッ!!!」
誰の声が分からないがそれが戦闘の合図になった。
冒険者と騎士達は海大蛇の大群に向けて魔法を放ったり矢や槍を飛ばしたりしている。しかし、近いとはいってもまだかなりの距離が堤防と海大蛇の間にはある。
シキは左手に力を込めると凍える冷気が溢れる様に零れ出す。その手の平からは氷で出来た槍を生み出すとそれを持って堤防から海の方へと飛んだ。
「なっ!?や、やめい!皆のもの、攻撃をやめるのじゃっ!!!」
いきなりの行動にイルディアは慌てて攻撃を制止させるが、そんな事をお構い無しにシキは海水へと着地する前に氷の槍を先に突き刺した。
「覆い尽くし、凍てつくせ!『氷床ッ!』」
その瞬間、シキが突き刺した氷の槍から一瞬にして海に厚い氷の床が出現する。かなり広い範囲に展開しているのでその場にいた海大蛇達は彫刻の様に凍りついていた。
「なっ……」
「うそ、だろ……」
「す、すげぇ……」
豪雨は変わらずに打ち付けているがシキが行った事に騎士や冒険者達はあまりにも出来事に呆然としてしまう。遅れてリゼット達がその氷の床へと飛び降りてきた。
「おいおい、すげぇなッ!」
「ほぇぇ……」
「流石ですねッ!」
「御主人ぁぁ……」
四人は、特にアルトレアとシリルの二人は尊敬の眼差しでシキを見ながら惚れ惚れとしていた。リゼットとスミリアは驚くだけでそれ以上はない。徐々にシキの規格外な事に少しずつ慣れてきているだろう。
「海大蛇の動きはこれで鈍るだろう。リゼット・アルトレア・スミリア・シリル。俺はここから離れてこの先の海にいく。離れる前に……」
シキはリゼットの前にやってくると額に優しく口付けをする。それはアルトレア・スミリア・シリルにも同様に行った。いきなりの事に驚いた四人はシキの顔を思わず見てしまう。
「し、シキ!?」
「あぅ……」
「くまぁ……」
「ま、御主人ッ!?」
四人はシキのいきなりの行動に目を白黒させてしまう。
「おまじないだっ」
シキは少し恥ずかしながらもそう言うとそのまま自身が立ち向かうべき相手へと走り去っていく。その後ろ姿を見ながらリゼット達は額を触りながらも自分達がすべき事を行動へと移すのであった。
だが、この時のリゼット達四人は知らなかった。
ステータスプレートには『神格者の加護』以外に『神格者の祝福』が記されていた事に。
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