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フラグだろうか

 異世界の神であるおっさん“ハイパーエンジェル・ラブピース”が現れた。

 それを見て“フェンリル”のティースが怯えたように俺の後ろに隠れた。

 そんなにこの異世界の神のおっさんは怖いのかと思いつつ俺は、


「どうにかカードの魔法は使える様になったから、そろそろ元の世界に返せ」

「いや、ですからそれには必要な物があると」

「だったらそれを今すぐ寄こせ」

「やれやれこれだから近ごろの若い者は。すぐに楽な方を選びたがる」

「それは誰だってそうだろう、わざと苦労したいなんてそういった趣味の人間くらいしか思いつかない」


 言い返すと再び溜息をつかれた。

 だが俺は思うのだ。

 溜息をつきたいのは俺だ、と。


 そこでこのおっさんな異世界の神は、


「カードの魔法が無事使える様になったのはいいのですが、それを扱う練習をまずはするべきなのでは?」

「……俺は早く元の世界に気軽に帰れる様になりたい」

「はあ、ですがそれもすぐにできるようにはなると思いますよ? ただその前にカードの練習をすべきだと思うのです。そこにいる彼女達を見捨てたりは、貴方の性格上無理でしょう?」


 痛い部分を俺はつれて黙るしかできない。

 だって俺は、火瑠璃と氷子をこのまま放りだしていくのも、と思うのだ。

 この世界に一番初めに来て接触した女の子達で、今も不安そうに俺を見ている。


 ここで俺は彼女達を見捨てられない。

 この異世界の神なるおっさん“ハイパーエンジェル・ラブピース”はなかなかやるなと俺は思っていると、


「やはりこのまま、男ならばハーレムを作りたいと貴方は思うでしょう!」

「……うん、真面目に警戒した俺がバカだった」

「何を言っているのですか、男なら何人もの女性を捕まえたいと思うでしょう!?」

「……ハーレム以外にもう少し他にいう事は無いのか」


 同情といった感情で俺は火瑠璃達と一緒にいて、ハーレムという感情は……俺だって男だし女の子は好きだけれどそういうものとは少し違う。

 というか、ハーレムとか女の子の前でいいやがったこの異世界の神のおっさんは、許せない。

 これから火瑠璃達に俺はどう見られてしまうのか……と思っていると、火瑠璃は俺の方に近づいてきて。


「アキトはハーレム作りたい? 私達とか」

「いや、そういう目では見ていないから。あ、でも俺は女の子も好きだし、それに、火瑠璃達のおかげで俺はこの世界でどうにかなっているから……ここで見捨てたりは出来ない」

「アキト……本当に、いい人ね」

「え、えっと、何か不満があるのか?」

「……別に。嬉しいのと不満が半分くらい。複雑だわ」


 火瑠璃がそういうも俺にはよく分からない。

 けれど頬を染めて火瑠璃が俺をちらちら見ているのは恋をする女の子の様に見える。

 だが今まで、こういった女の子の行動は大抵、兄や弟へお手紙渡してね☆だった。


 これはこれから何をお願いされてしまうんだろうと俺が邪推をしているとそこで“フェンリル”のティースが、


「しかし、ハーレムとは。やはり男ならハーレムですね」

「分かりますか。貴方なら分かってくれると思ったんです」

「やはり俺の魅力でメスを集めたいと思いますからね」

「ですね。私も可愛い女の子にちやほやされたいですねぇ。やはり出世は大事ですね」

「おや、神々の世界でもそういったものが?」

「ええ、最近は主に創作上で沢山の神々が生まれるので、競争が激しくてね……」


 創作物がどう影響するのかは分からなかったが、競争が大変らしい。

 そう俺が思っているとそこでその異世界のおっさんが、


「丁度ここの町に近い遺跡、“氷結の迷宮”といったものがあります。そちらにいって練習してみてはいかがでしょうか」

「……」


 俺が沈黙しているとそこで火瑠璃が、


「そうね。いきなりあそこに行くのは、きついかも。まずはそこに練習も兼ねて行ってみましょう。近場だから日帰りできるし、近場だからあまりい物が残っていないだろうけれど、ちょっとした食材も採れるかもだし」

「そうなのか? そうだな……行ってみるか」

「よし、決まり!」


 そう話しているとそこで俺は、ここの店の店長に呼ばれたのだった。








 俺達は休み時間だったのだが、調理場で何かがおかしいらしくある材料を買ってきてくれとのことだった。

 今は皆手が空いていないらしい。

 なのでそれを購入してきてから行こうという話しに。


 また、火瑠璃達にもその調理場の異常でちょっと手伝って貰うとの事で、俺一人で買い物になった。

 ちなみに“フェンリル”のティースはお店でお留守番である。

 そんなわけで俺はごく普通に店までの地図が描かれた紙を持って歩いていき、そのまるっぽい部品を購入して店へと帰る途中……彼女に出会った。


「あれ、お兄ちゃん、お買い物ですか?」


 そこにいたのは、狐耳の少女だった。

 なので調理場がおかしいと伝えると、


「では、しばらくお兄ちゃんのご飯が食べられないのです。残念です」


 耳まで垂れさせて悲しそうな少女に俺は、またしてもこんな妹が欲しかったと思った。

 と、そこで急いで戻ってきてと言われていたのを思い出す。

 今日は終わったら他に行く場所があったのだ。


「ごめん、今日はこれから“氷結の迷宮”に行かないといけないから、もう行く」

「え、あそこに行くのですか?」


 そこで驚いた様な狐耳の少女が、俺にそんな事を言う。

 何かがあるんだろうか。

 そもそもそこを指定してきたのはあの異世界の神のおっさんで……何もない方がおかしいのでは?


 俺がふとそんな事を思いつき考えていると、そこで狐耳の少女が何かを差し出してくる。

 水色のビー玉の様な物だった。


「俺にくれるのか?」

「はい、いつもご飯を頂いていますから。何もないと思いますがもしも、がありますので、これを持って行って下さい」

「ありがとう」


 そうお礼を言い俺は、狐耳の少女の頭を撫でた。

 とても嬉しそうだった。

 そんなこんなで俺は、それからすぐに彼女と別れ、店へと戻ったのだった。

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