序鐘〜伝承の始まり〜
スマホに変えたので新規作品を考えてみました
其の地は、願いを抱く者が為に
境界の扉は開かれ、願いを抱く者が為だけに、彼の世界への道は示される
そこで貴方は出会うだろう
狭間を司たる者に
貴方は告げる
貴方自身の願いを
差し出すべきは代償
そして貴方は、貴方の力を得るのだろう
自らが望みの為、対価を力に、思いの全てをかけて戦う為に・・・・・・
人が抱く、どんな願いでも叶える事が出来ると言われる異世界セレファイス。
けれど、願いを叶える為には、この世界との境界を司どる者から、提示される使命をセレファイスの世界で果たす必要があった。
境界の司、或いはセレファイスとの渡し守とも呼ばれる存在。
使命を果たす為に、願いを抱く者達は代償を捧げ、対価としての力を得る。
そうして、幾多の者がセレファイスの世界へと旅立ち、そして、帰るべき処を失っていった。
願いを叶える事が出来るのは、ほんの僅かな者達だけ。
それでも、彼ら彼女らは挑む。
自らが叶えるべき願いが為に。
そして、"その日"もまた、強き一つの願いによって、彼の世界への扉は開こうとしていた。
"その日"、彼の世界は、彼が生まれて初めて見る白色に覆われた。
土の地面、家々の屋根、何もかもが等しく、真っ白に。
その白色は、彼自身もまた世界の一欠片であると言うように、彼の体温を失いつつある身体へと等しく降り積もり、その存在を覆い隠してしまおうとしていた。
人通りのない細い道を挟んで並ぶ、左右の家々の無機質な壁面。視界の殆どを遮られた暗い空から、白い欠片は舞い落ち続ける。
彼はただその光景を仰ぎ、見詰め続け、ほんの少しだけこのまま目を閉じてしまうのは惜しいと思った。
眺める光景に綺麗だと、素直にそれだけを思っていたのだ。
ずっと見ていたくて、けれど、どうしようもない程に彼の瞼は重く、そして、世界には耳がおかしくなったのかと思ってしまうぐらいの、静謐が満ちていた。
既に、彼は身を切る外気の冷たさも、かじかんでいた指先の感覚分からなくなっていた。
もう良いのではないかと、不意にそんな事を彼は思う。
彼の視界を舞う、白く綺麗な欠片達。
それは酷く幻想的で・・・・・・
そうして薄れ行く意識の中、彼は彼に残された最後の意思と力で扉を開く。
何時からか、何時の時も願い続けた願いの為に。
気になった表現を少し編集しなおしました。




