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短編

Snow

作者: RK

 空から悲しみが降った。

 

 吐く息は白く、途切れ途切れの景色は静寂を装う。


 悲しみも既に忘れられ。


 穢れた大地も、今や無垢へと染め上げられている。


 罪も過去も忘れた現世を塗りつぶす。


 思考も感情も、すべてを諦観に。


 悲しみが染め上げた、無垢なる大地に旋律が響く。


 命を凍らせる風が運んできた幻想。


 その幻想は穢れから穢れへと継がれ行く。


 痛みを伴う暖かさを思い出して。


 塞いでいた視界をこじ開ける。


 朱に染まる視界は痛みを訴え。


 無垢の世界に彩りを与える。


 忘れる為に歌え。


 忘れぬ為に歌え。


 いつか笑えるように。


 繰り返さぬ為に。


 悲しみに足跡を残して歩き出す為に。


 幻想を歌え。

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