まおう、こうりん。ってほどのいんぱくとはない。
ミノルノコの小説が読めるのは『小説家になろう』&『小説を読もう』だけ!!
ミノルノコ先生に『信』(手紙 中国ではこう書く)を出そう !
自分だけご飯食べるのも気が引けるので、勇者(自称)さんたちの分も用意して食事が始まりました。
が。
コンラートさん、お祈り長いな。神様にお祈りも良いけど作った僕にも感謝して欲しいかな。
ビシュラさんまだ足痛いのかな?泣きそうな顔してるし。
ヴァッカーさんはガツガツと、オルトさんは黙々と食べてます。
ん~、微妙に気まずいんだけど。
「ぼ、坊やはどうして此処に居るの?」
至極真っ当な質問をしてきたのは、まだ泣きそうな顔してるビシュラさんだ。
「実は僕、畑仕事してる時に鳥に攫われて…。」
「え?鳥?」
「うん。で、気がついたら此処に居ました。」
「おいおい、いくらなんでも子供を抱えて飛べるなんてそ~んなでかい鳥、いるわけないだろ?お前、担がれてんだ。な、坊主、大人をからかっちゃいけねえよ?痛い目見るよ?」
さっきまで痛い目見てたのはあんただ。自称勇者。
「嘘だと思うんなら奥の階段登って行ってきたら?どうせそんな度胸ないんだろうけどさ、兄ちゃんには。」
鼻で嗤って挑発する僕。この人はもう少し痛い目見るべきだよ。うん。
「俺にはその坊主が嘘を言う必然性がないと思うがな。ヴァッカー様が行くというのなら、お供せねばなるまいよ。」
はぁ、とため息つきながらオルトさん。この人気苦労絶えないんだろうな。
「私はお供しますぞ、ヴァッカー殿!」
コンラートさんは何考えてるか良く分からないや。正直。
「私は、止めておきます。足痛いし。」
理由はともかく、それが正解ですよ、ビシュラさん。
ビシュラさんを除く3人はお昼ご飯を食べ終わり次第見に行くことにしたらしい。
僕がみんなの食器を片付けてるとビシュラさんが手伝ってくれた。良い人だ。
僕の事は『ムル君』って呼んでくれるようになった。
野郎どもは意気揚々と階段を上って行った。
あの人たち、ちゃんと武器持ってたっけ?まぁ、知ったこっちゃないけど。
食後のお茶をビシュラさんとおじさんで飲んでたら
『…ズズン』
地震?でも音は上から響いてきたような。
しばらくして、アルセお姉さんが3人を連れて…引きずって戻ってきた。
「ムル君?お姉さん、この人たちの事、ムル君に任せたよね?なんで彼らは屋上に居たの?ピーちゃんの餌にでもするつもりだったの?」
部屋に3人を投げ捨てる。あ、ヴァッカーの前髪、少し焦げてる。お姉さん怒ってるのかな?
「ご、ごめんなさい。でも、僕の言う事を信用しないで3人はピーちゃんを見に行ったんですよ。」
「こんなの食べてピーちゃん食当たりにでもなったら可哀想でしょ。ダメよ、もう。」
うん、お姉さんは常にピーちゃんが一番なんですね。
「…で?なんでムル君、魔王と一緒にお茶飲んでるの?」
「え?」
魔王?魔王なんてどこにいるの?
ビシュラさん?もしかしてビシュラさん魔王なの?
「え?ビシュラさん?ビシュラさん魔王だったんですか?」
「違います違います違います違います!」
「いや、そっちのおっさん。横で一緒にお茶飲んでる。」
…うおぃ!そういや居た!居たよ!もう一人おじさんが!
ナチュラルに背景に溶け込んでるからてっきりお姉さんか勇者(自称)の知り合いか(あるいはモブ)と思って普通にお茶出してたよ。
だって、格好が村にでも居そうな、ちょっと痩せて頭が薄くなりかかってるおじさんだよ。
「相変わらず、存在感ないのね。魔王のくせに。」
「…」
「え?お茶もう一杯欲しい?その子供が淹れたお茶は美味しい?そんなこと聞いてないわよ。むしろ私がお茶欲しいわ。」
そそくさとお茶の用意をする僕。
「…」
「だから、聞こえるように言いなさいって…。え?君は何年たっても美しいですって?」
「…」
「あれから100年以上経つのに…って、ストーップ!それ以上は年の事言わないで!」
アルセお姉さんが動揺したのを初めて見ました。魔王…恐るべし。しかしアルセお姉さん…少なくても100歳以上ですか。まぁ、それはそれとして、魔王、何しにいらっしゃったんでしょうか?
「で、で?出不精の貴方が何をしにこんな所まで来たのかしら?まさか、ただお茶を飲みに来たわけじゃないんでしょう?」
「……」
「なるほど、要約すると勇者を名乗る者がどんな輩なのか私に聞きに来たらここに勇者が居た、と。」
コクリ、と頷く魔王。ところで、まだ勇者(自称)と他2人は気絶したままです。
「どうする?この子達一応勇者名乗ってるけど。」
「………」
「だから、ちゃんとみんなに聞こえるように話しなさいって。脅威に値しないのは見て判ったのでそこの女連れて帰る…ってそんな事許し…ますか。」
「「ダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメ」」
ビシュラさんと僕で必死に首を横に振る&ダメ連呼。最後ちょっと噛んだ。
「一応聞くけど、この娘持ち帰ったらどうするの?予想はつくけど。」
「……」
「なになに?亜人種の繁殖に利用する?オーガとゴブリンと好きな方選べって。」
「いや、選べないですから!私!ここに残ります!良いですよね?ムル君!むしろお願い助けて下さい!」
ビシュラさん泣きそうだ。美人顔で泣きそうな顔されたら断れないよ、僕。
「良いですか?アルセお姉ちゃん?さすがに可哀相です。」
「そうね、流石に同じ女性としてそれは許せることじゃないわ。」
「…」
「え?それじゃそこの3人で手を打つですって?ん~。…いいわ、邪魔だし。持ってっちゃって。」
アルセお姉さんの許可を得ると魔王は3人を引きずって帰って行きました。
…合掌。
主人公が段々ヤサグレてきてる…気がします。
まだ10才です。周りの大人が面倒を見てあげましょう。
残酷な描写なし!(たぶん)
あ、お気に入り登録ありがとうございます。
前書きのおふざけが分かる人って30代より上の人だけでしょうか?
鳥山明先生は車とか、バイクの描かれ方がとても丁寧だと思います