せいざしてはんせいしましょう。
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勇者(自称)一行はゴーレムに捕まって、身ぐるみ剥がされて後ろ手に縛られたまま正座させられてます。
太ももには石でできた板が載ってます。地味に痛そうです。
ゴーレムたちは元の位置に戻りました。
「まさか魔王がこんな子供だったとは…」
はい、勇者(自称)さん、見事に勘違いしてますよ?
「僕は魔「で?誰が魔王ですって?」んよ?」
かぶった~。お姉さんと会話かぶった~。
しかしお姉さん怒ってます。そりゃ怒るでしょう。魔王とお姉さんを間違えたら。
「あんなのと一緒にしないでもらえます?」
え?お怒りの方向そっちですか?
「あんなのって、魔王を知ってるのか?」
勇者(自称)が聞くと
「知ってるもなにも、前働いてたところの研究員よ。だいぶ変わり者だったけど。」
えらい身近な所に居たんですね、魔王。
「古代魔法の研究をしてたんだけど、何に取り付かれたんだか、研究所出た後にモンスター集めて魔王名乗ってるらしいわ。まぁ、人よりモンスターの方が好きみたいだったから。」
魔王ってそんなに簡単に名乗れるのかな?名乗った者勝ちなのかな?
「それはそうと、この人たちどうします?」
「そうね、この塔には何も無いってのは分かってもらえた?」
何もないって言うのは違うんじゃないかな?
「ふざけるな!こんな危険な物がある塔を放置できるか!『グリグリ』できません。」
あぁ、お姉さん、太ももの石踏んづけてるよ。
「そうは言うけど、貴方たちが危害を加えようとしなければこの子達は何もしないわよ。」
確かに問答無用で来てましたからね、この(自称)勇者一行。
「力がある事、その事が問題なのです。そのような力は神の庇護のもとでこそ正しく使われるものですよ?」
やっと喋ったと思ったらハゲたおっさん、そうとう生臭いこと言いましたね、今。
「ふん!正義は常に我に有る!それに私は負けたわけではない『グリグリ』負けました。」
ああ、勇者さんはひどい独善的な人なんですね。でも踏んづけられてから負け認めましたね。
「も、もう勘弁してもらえませんか?あ、足がもう…」
魔法使いさん本気で辛そう。お姉さんを見ると首を横に振った。ですよね~。
「ところで…あんたえらい別嬪さんだが、その子供の母親か?見たところ魔導士のようだが。」
戦士のおっちゃん(さっきゴーレムに壁まで飛ばされた人だ)渋い声してるね。怪我はしてないのかな?お姉さんは今日もローブ着てるし、魔導士と言うか、魔法が使えそうな人に見えなくはない。
それを言ったら僕もなんだけど。
「違うわよ!」
「ぐおぅ!」
お姉さん、今度は戦士の太ももに乗ってる石を踏んづけてる?おっちゃんはえらく悶えてる。
ところで、この人たちは勇者(自称)ヴァッカー 、戦士がオルト、僧侶のコンラート 魔法使いはビシュラっていう名前らしいです。
ヴァッカーさんはここの国の公爵家の次男坊で武者修行の最中だとか。
オルトさんはヴァッカーさん所の古い使用人で僧侶の人は教会からの派出、魔法使いさんは金で付いて来てるだけらしい。
「これに懲りたら勇者ごっこはお止めなさい。次は命はないわよ?」
「ふざけるな!俺は勇者だ!勇者が『グリグリ』すいませんごめんなさい。」
その心意気は立派だと思います。踏まれてからは大人しくなったけど。
「も、もう足が…」
魔法使いさん本当に辛そう。むしろなんで他の人そんなに耐えられるの?
「はぁ。いっそこいつら無かった事にしちゃおうかしら。」
うおぃ!お姉さん、物騒なこと言い始めたよ。だんだん面倒臭くなってきたみたいだけど、僕の心的外傷をこれ以上増やさないで欲しい。
「アルセお姉ちゃん、もう帰してあげよう?なんか可哀想になってきたよ。」
勇者(自称)に振り回されてる二人(僧侶除く)が。
「仕方ないわね…それなら、ここに来るまでに壊したり、汚したりした所をこの人たちに直させてから解放しましょう。もちろん、していってくれるのよね?」
コクコクコクと、壊れた人形のように頷く勇者(自称)一行。
「それじゃ、あとはムル君に任せるから。」
「え?僕?」
僕に丸投げしちゃったよ、この人。
正直関わりたくないんだけど。仕方がない。とりあえずご飯の支度でもしてきますか。
次の回から塔の掃除が始まります( ・g・)うそーん
主人公はまだ10才のままです ホントo(゜Д゜)
題名はむしろ作者にこそ相応しい。