4話
短いので本筋まで遠いですがヨロシクお願いします。
異世界3日目も、このワンルームの部屋の馴染んだベッドからはじまる。
「異世界の実感まるでないよな、長い夢だったりするのか?」
なんて思いながらアルに挨拶をし身支度をする。
今日もアイテム作成の練習だ。
これからは工房に入るときはツナギと地下足袋に決めた。
昨日布団に潜ってから気が付いたが、鍛冶錬金術に炉必要ないじゃん。
燃料無くても燃えてたのも魔法?
つまらない事が気になって少し寝付きが悪かったです。
今日は遂に付与魔術の実践練習だ。
アルと一緒に工房に向かい、アルによる付与魔術の講座で基礎を確認したらいよいよ本番だ。
昨日造ったグラディウスと一緒に小さな魔石を用意し、作業台の上に並べる。
まだ自分の使える付与魔術の種類は少ないが、補助に魔石を使うことで実力の底上げを行う。
そして、今回は基本的な道具の機能強化を行いたいので、剣に付与するのは「硬化」か「鋭敏化」のどちらかを実行しようと思うが、迷ってしまう。
付与魔術の失敗はリスクが大きく、対象物の破壊と魔石の消失、自身の魔力も勿論消費する。
迷いは禁物なのだ。
そう思い緊張感を抱きながらも決断を出す。
今回は「硬化」だ!、長く使う中で変形を防ぎ、刃こぼれをしにくく出来るだろう。
気持ちを引き締めグラディウスに手を翳し魔力に「硬化」の意思を乗せる。
魔石の魔力と自身の魔力を混ぜ合わせ、対象のグラディウスに注ぎ融和させる様に力を維持する。
額から汗が流れ落ち、頬を伝う感覚に集中力を乱されるが何とか堪える。
すると力が抜けるような感覚がし、失敗か?と思い焦るが、グラディウスは破壊されておらず淡い黄色のオーラのようなモノに包まれ輝きを放っていたが、時間の経過と共に消えていった。
しばし放心し眺めていたが、急な脱力感と倦怠感に襲われ座り込んだ。
「ほう、初めてで成功させたか。コウの才能かその刺青のお陰か迷うが、呆れるばかりじゃ。」
詳しく聞けば人間族処か亜人、獣人に出来る魔術ではなく、精霊でも出来るモノに出会うことが難しいのが付与魔術らしい。
「あぁー、これがチートなんだ。店に本当に出して売っていいの?」変なの造れば世界を混乱させ滅ぼすじゃん。
人類滅亡フラグは自分は立てたくないぞ!
「そんな心配は今のコウには必要ないわ!レベル100にしてから言うが良い。」
この世界のレベルはMAX99ですよね?不可能じゃないですかアルさん。
まぁ、本当に今の俺では基礎でこの疲労だから心配要らないと思うが。
そんな事を考えているとアルが続けて
「今のレベル1のコウでは今日1日もう何も作れまい、それほど高度な業であるのよ、付与魔術とわの。」
と色々と引っかかる発言に混乱しそうになったのは、俺にもレベル制度が適応されてる事に驚いたからだ!
チートだから無限の魔力とかレベルカンストだと勝手に思ってました。
じゃ、積極的に迷宮に潜って魔物と戦わなきゃ駄目じゃん!ハードルがいきなり上がったよ、ムリムリだって。
「あぁ、だから戦う能力付いてたのか。」
納得です本当にあり…!
まぁ、いいや俺も男だ、死なないしなんとかなるでしょ?考えてしまう事を放棄し、改めて付与効果の付いたグラディウスを鑑定してもらうと以下の様になった。
[品名]青銅のグラディウス++《銘》亀:耐久性向上+5
(攻撃力:+34 スキルスロット:空き+2 )
付与魔術の効果は銘で印すようです。制作者じゃないんだ銘って、これも異世界だからでいいか。
問題を新たに残して付与魔術成功に終わった。
しばらくは錬金術を練習して、まず自分の装備をつくらなきゃなぁ、今ある材料と魔石の確認して計画するか。と考えアルと今後の事について話し合い計画を練り上げて、異世界3日目も無事?終了しました。
ちなみに、お風呂は毎日入ってるよ。洗濯もね!洗濯機とか家電壊れたらどうしよう?なんて思いつつ、今が幸せと思った俺はバカでしょうか?
※付与魔術の「硬化」耐久性向上+5は青銅の剣を鋼の剣程度にします。
導入部は後は三話ぐらいです?