11話
昨夜投稿した11話が上手くUP出来ていなくて消えてました。
直接投稿はリスクがあるのですね、書いたらメモ帳に保存しなきゃ!
宿屋の玄関から外に出た先に広がる光景は、圧倒されるほどの活気に満ち溢れた人々の営みに溢れる街並みだった。
街を南北に真っ直ぐ通るメインストリートから道一本奥に入った場所に宿屋はあったが、目の前の光景は多くの人が行き交い喧騒に満ち、馬の様な生き物に引かれた荷台には様々な異世界の食材がうず高く積まれており、動物の嘶く声があちらこちらから聞こえる。
道を行く人達も実に雑多で、髪色も多種多様色鮮やかで、容姿も様々で地球では見られない目の前の光景に感動して足が止まる。
「コウ、どうかした?何か忘れ物でもしたの?」と突然足を止めた俺を心配してアルが声を掛けてくれる。
「いや、大丈夫だよ。街の光景に圧倒さてれただけだから。」と通りから視線を外さないで答える。
「本当に活気があって、凄いよね。」アルもこの光景を見て少し圧倒されていたようであった。
宿屋で道具屋や武器防具屋の場所も聞いて来たので、自作のアイテムをいくつか売り現金が欲しい事やアイテムの相場などを知りたいので、まずは道具屋へと向う事にした。
メインストリートに出ると、人の密度がよりいっそう濃くなり、道の両側では露店と屋台が並び、肉や魚、青果などの多種多様なこの世界の食材が並べられている。
呼び込みの大きな声や、人々の会話に作業音が嵐のように渦巻く、初めての異世界の街は活気に満ち溢れたその姿を俺達は見ることが出来た。
街の中央広場には軽食や飲料などの屋台が多く、広場には甘い香りや香ばしい香りに満ちていて、朝食をとったばかりなのに、つい足を止め食べたくなってしまう。
「良い匂いで、お腹が空いてくるね。」
「うん、美味しそうだよねー、色々売ってるし午後が楽しみだよ。早く用事終わらせようよコウ。」
とアルも興味深く楽しげに並ぶ露店を見ていた。
「昼食は屋台で色々食べようか、アイテムさえ売ればお金はあるしね好きなモノ食べようね!」
今の手持ちで女の子と街で遊ぶには心もとないし、この世界にはクレジットカードなど無く現金でしか支払は出来ないだろうし、懐に余裕がないと楽しめないし。
円形に広がる街は区画整備がきっちりされており、商業地区は東西に伸びる大通りの道筋に集約されている。
中央広場から西側が道具屋や金物屋、商会が立ち並び、人や馬車の行き交いも多くメインストリートにはなかった商人の戦場と言った雰囲気があった。
多くある道具屋の中でも人の出入りが多い比較的大きなお店を見付け、ここが良さそうだと思い店の戸をくぐる。
店内の中は掃除も行き届き、商品の陳列も整然となされており好感を持てた、カウンターも広く、4つの窓口があり、その全てがお客で埋まっており繁盛している。
カウンターの左端が買い取りカウンターで、その奥の看板にアイテムの名前と買取金額が表示されており、販売価格も明記されており解りやすいと店内を観察して分かった。
親切で気の利いたお店だなぁ、現代の商売の感覚と変わらないんじゃないかな。と思いながら、興味深げに店内を見て廻るアルの元に行き、一度店を出て一番大きな道具屋へ向ったが先ほどの店とまったく違い、店内には乱雑に商品が棚に納められ、上の方の棚には埃が厚く溜まっていた、商品も前の店と比べれば少し安いが、なんだか嫌な感じがする。
結果最初の店の方が信用出来そうなので、一通りのアイテムの相場を確認して店を出て、路地裏で皮袋に売りに出す商品を入れてから最初の道具屋へ戻る。
この店の名前は「旅人の友」と言う数年前に出来たこの町で一番新しいお店らしい、買取カウンターで接客してくれている中年の商人が世間話と共にそう教えてくれた、禿げ上がった頭に小太りで愛想のいい商人だが、笑顔で裏を隠すのが商人なのだから印象に騙されて損しないように気を引き締め買取を依頼する商品をカウンターに並べる。
この世界の便利な所は個人能力で差の出ないスキルが有る所だと思う、商人だと「鑑定」と「算術」のスキルを取得すると一人前だと言われるらしい。
名前の通り「鑑定」は商品の性能や能力を見抜くスキルであり、贋作や偽物に騙される事はほとんどないし、「算術」スキルはソロバンの練習や数学を極め無くとも脳内で瞬時に計算し答えを出せる。
便利すぎるだろう、不便が少ないと向上心が育たなくなって進歩や成長が遅くなると思うのだが、この世界の繁栄や進歩を阻害している一因はスキルに有る様にも思う。
脇道に逸れたが、査定が終わり買取金額を提示されるが思っていたより高額だったが、顔には出さずもう少し何とかならないかと交渉を持ちかけ粘ってみる。
交渉の中で興味深い情報も聞けたし、買取金額も4%上乗せ出来たので、此処が折り合いかなと思い定時された金額で握手を交わし交渉を終える。
一応は商社マンだったのだ、この世界の商人に負けたくない自分が居るのですよ、でもアルにはセコイとか思わないで欲しいなぁ…。
軍資金が12480L(約62万4千円)になりました、中銀貨は大きくて使いにくそうなので、小銀貨12枚と大銅貨3枚と中銅貨18枚で受け取りました。
アルは交渉中隣で静かに俺達のやり取りを聞いていたので、「交渉中何か気になる事あった?」と聞くと「コウとお店する時の為に勉強してただけだよ、聞いてて面白かったよ。」といい笑顔で答えてくれた。
本当にアルは俺には勿体無い相棒だよ、もう結婚するならアルみたいな子がいいなぁ、本当に。と思いアルを見ると「何か顔についてる?」と頬に手を当てていた。
アルは既に「鑑定」の上位の「鑑定眼」と「算術」スキルは取得済みです。
驚く俺に「お店の経営は任せてって言ってたでしょ?」と狼だった頃のアルの発言の意味がやっと理解できました。
興味深い情報とは昨日俺達が襲撃を受けた山賊達の事で、山賊達は最近この辺りの村や街道沿いを荒らしまわっていた山賊団で、王国がギルドに山賊団の討伐を依頼に出して冒険者や探索者を募り、昨日の夜には王国騎士団と共に山賊団を包囲しを殲滅する事に成功したようだ。
自分の予想が当たっていたので少し嬉しかったが、国が動く様な山賊団が相手だったのに助かったのは本当に幸運だったなとしみじみ思う。
道具屋を出て武器防具屋を見るために街の東側へと来た道を戻りながら、アルと露店を冷やかし街の雑踏に紛れていく。
失ったデーターを思うと凹みますが、何とか書き終えました。
どんな商品をいくらで売ったかは立ち直ったら加筆しますので許してください。
今日もう一話更新する予定です。