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9話

 突然のアクセスUPに混乱しながらも嬉しいです。

1章を一部加筆し設定を変え、文章構成も変えてみました。

 ランキング入りの効果は大きいのですね、評価や感想を頂いた皆様、お気に入り登録をしてくださった方々に少しでも面白い話しをお届け出来るように頑張ります。

  今後ともよろしくお願いします。

 遅くなりましたが、更新させていただきます。

 

 息を切らせながらも急いで林の中に逃げ込み、茂みの奥へと身を潜める。

呼吸を整えながらもアルに山賊達の様子を覗う様に頼み姉妹の様子を窺うと、二人ともフラフラと手近に在る木の根元へと力無く座り込んでしまった。

「アル、山賊達の様子はどう?」と茂みと林の向こう側に注意を注ぐアルに近づき小声で聞くと、

「死んでいる仲間に驚いて足は止まってるよ、でも何人かが周囲の探索に散らばったよ。」と答えた。

 どうやら俺達の姿は見られてはいない様で少し安心したが、探索に出てこちらに向って来るであろう山賊達の存在はやっかいだ。

この林はあまり広くはないし、街のある方向とは逆なのだ。

「街へ逃げたと思ってくれるといいんだけど無理そうかな?」

「無理だろうねー、獣人が何人か居るし直ぐ見つかると思うよ。」

 何て事を言うんですかアルさん、聞き耳を立てている姉妹が絶望の表情浮かべてるよ。

「私達はいざとなれば腕輪で逃げればいいから、心配ないって。」

「確かにそうだけど、あの二人は見殺しじゃないか、、、」

一度助けておいて見殺しにはしたくないんだが、最悪はわが身の安全か。

「でもまだこっちに来る様子はないし、時間はあると思うよ?」

「獣人が居ても解らないものなの?」

「誰かさんが派手に血をぶちまけて来たでしょ?血の臭いがきつくて鼻が利いてないみたいだよ、今はね。」

 (時間は有る様だし何とか出来ないか考えるしかないか、、、)


 どうやってこの状況を打開するかを考え、警戒はアルにまかせて思考にふけるが、焦りが邪魔をしてナカナカ良いアイデアが浮かんでこない。

持っているアイテムに役立つ物は無いかと考えるが使えそうに無い、今の俺の能力では無理だと結論づけ、他に何か無いだろうかと思案を巡らす。

 顔を上げ周りを見渡し使えるもの、アイデアのきっかけになる様なモノはないかと観察すると、抱き合いお互いを慰めあう姉妹が目に付いた。

(何とか助けてあげたいんだけどな、彼女達にも聞いてみるか。)と思い座り込む姉妹の元へ移動し話しかける。

「さっきの話は聞こえてたよね、状況は良く無い、何か良い考えはないかな?」

二人の顔を交互に見て話しかける。

 姉のシルビアは何か無いかと考えてくれているようだが、妹のセレナは恐怖と不安にが顔に出ており、姉のマントを両手で強く握り締めている。

しばらくしてシルビアが申し訳なさそうに、「ごめんなさい、思いつかないです。」と言い「お二人なら助かるのなら置いて行って貰ってかまいません。」とセレナを抱きしめ頭を撫でながら力強い口調で言い放つ。

「それは最悪最後の手段だから、一緒に逃げ切る方法を諦めないで探そうよ。」

と笑顔で返しはしたが焦りは増すばかりだ。


 全員で脱出逃亡できるアイデアが出てこないまま時間だけがすぎる、すると警戒していたアルに動きがあり、俺を手招きして呼ぶ。

「こっちに気付かれた?」

「いや、急に騒がしくなってきたから何か有ったのかも?直ぐ動ける準備だけはして!。」

と言うアルの言葉に緊張がはしる。

 姉妹にも動く準備をする様にうながし、沈黙と緊張に満ちた時間はとてつもなく長く感じ、精神を削っていく。

「あいつら離れて行くよ、もう大丈夫そうだよ。」と突然声をあげたアルが沈黙を破ると、周囲に満ちていた緊張と恐怖が打ち消された気がする。

「何かあったの、状況わかる?」と聞きアルに説明を求めると、

「山賊達が何かに気付いて騒がしくなった後に街のほうから沢山の人の気配がしてきてね、探索に出た仲間を呼び始めて仲間が戻る前に急いで去って行ったから多分逃げたんだとは思うけど、街から来るのが何かまではわからないよ。」とアルに説明を受け、俺が思いつく事は何個かあった。


 大きな街が近くにあり、迷宮もまた近い、そして剣や魔法のある世界で山賊の存在とくれば、騎士団による山賊の討伐か、冒険者による討伐のどちらかだ。

通報したのは迷宮に向う探索者か、通りすがりの行商人あたりだろうか?

 何にしても危険が去ったのだ、本当に良かったと思うが、自分の無力さが際立ちイライラと焦りが出るのを感じた。


 その後安全が確認でき、姉妹に大丈夫だと報告すると力無く膝からその場に崩れ落ち、顔に安堵んの表情が満ちる。

 余裕が出てから姉妹の顔を改めてみると、姉のシルビアは薄い茶色の髪を肩口で切りそろえ、肌は東洋人の様に黄色がかってはいるが顔立ちは彫が深く中東付近で見かけられるような容姿で、目鼻立ちも整い綺麗系の美人さんだ。

 妹の方はフードを深く被り良くは判らないが、フードの下から覗く肌は褐色で、鼻は高く唇は薄く姉妹なら姉のシルビアの様にきっと美人なのだろう。

これなら二人が山賊に目を付けられるのにも納得がいく。

 何時の時代も世界が変わっても人の欲望には変わりがないだろうし、繁殖と快楽は人を動かす大きな要因だ。


 再び沈黙を破るように誰かの腹の虫が鳴き、空気が一斉になごんだ。

どうやら犯人はセレナの様で姉のシルビアの後ろに隠れこちらを窺っている、気付けば正午もまわっているのだから空腹は仕方ないだろう。

 笑顔でみんなに「お腹が空いたしお昼にしようか。」と言うと、アルもシルビアもセレナも笑い、短い間だったが困難に立ち向かった仲間として、この姉妹との距離も近くなった様なきがした。


 外套の下から食料を入れた皮袋を取り出し、馬車と荷物を失った姉妹にも昼食を振舞う。

和気藹々《わきあいあい》とした空気で昼食の時間は過ぎていった。


 食後に姉妹の魔法について話を聞き説明を求めると、旅の目的がこの新しい魔法を広める事であることと、ダークエルフと人とのハーフである妹が受け入れられ安住出来る場所を探す事が目的である事を前置きとしてシルビアが説明し、魔法の説明へとつづく。

 新しい魔法の技術は遥かユグラード大陸より東から大陸に渡って来た一人の賢者によってもたらされた技術で、この世界で人族が魔物の脅威を克服し繁栄するために賢者がもたらし広めたらしい。

 (自分と被る目的、東方と言う言葉に一人の賢者、、、もしかして同郷の仲間か?)と思い賢者についてシルビアに尋ねるが、賢者は弟子を取り弟子に技術を授けるとこの世を去ったらしく、どのような種族でどの様な人間だったかも分からないらしい。

 俺は同郷の仲間であったに違いない、と確信しつつもシルビアに礼をいい話しの先をうながした。

シルビアとセレナの姉妹は賢者の弟子だった男の子孫で、旅をしながら技術を広める使命を受けているらしく、親近感が沸いた。

 技術は魔力さえあれば多少の適正はあるが習得する事が出来るらしいので、アルも俺も興味がつきない。


 荷物を失い困り弱っている所に付け込む様でいい気はしないが、当面の街での滞在費用や生活費を負担し報酬も支払うから俺達にその魔法技術を教えてくれないか?と提案すると、シルビアは「望むものに与えよ」が賢者の方針で「報酬など無くとも教えますよ。」と言ってくれたが、そこは縁があって知り合ったのだからと強引に説得し援助を受けてくれることになった。


 またやる事が増えた・・・、アルは魔法を楽しみにしているようで姉妹に色々と質問して乗る気だが、俺の使命である探索者の支援と、憧れの、夢の魔法技術となれば魔法が勝っても仕方ないよね。

気持ちは複雑だがこの姉妹としばらく街で行動を共にする事になりました。


 日が落ちるまでに街に着いたが懸念していた入り口のチェックは身元証明が無く、税金を一人小銀貨1枚支払えば大丈夫でした。

旅慣れた姉妹に宿屋を選んでもらい質素ながら清潔な宿屋で取り合えず一泊することにしました。

費用は朝食付きで一人100Lです、約5000円ならそんなものですかね?

 俺達と姉妹で別れ2部屋用意してもらい夕食は俺の持っている食料を分け各自部屋で採ってもらい、朝から色々ありすぎた俺は、装備を外すとベットに倒れ込む。

 後の事全てはアルにまかせて眠りに落ちました。


 明日起きたらアルのご機嫌が心配です、、、許してねアルさん。



異世界ならドラクエやFFの様な魔法が使いたい!作者のエゴでイベントが増えました。

主人公とアルの無双が眼に浮かびますが、このお話しメインは製作ですよ?

方向修正しなくて大丈夫ですかね?

ご意見ご感想お待ちしてます。

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