3話
短いですが転換点になります。
階段での休憩中アルにレベルを鑑定してもらうと、基本レベルが9になっていた、1日で結構上がるんだ。と言うと迷宮探索は複数人でするもので、俺の様に低レベルなのに一撃で魔物を倒すような人は居ないらしい。
あぁー、ヤッパリチートなんだと納得しつつ、今の自分を一般人と比べるとどれ程度か聞くと、レベル53位のステータスで、今存在する探索者のトップと同程度とか、どうりで疲れにくいし強い筈だと納得。
実際迷宮適正レベルは階層×2なのでレベル的には9の俺には丁度いいはずなんだが、何か調子が狂ったきがした。
休憩を終え5階層に入り探索を再開すると直ぐに茂みの奥から一匹の緑色の子供の様な魔物が現れた。
そう、ゴブリンであるズタボロの汚ない布切れに片手に棍棒イメージどうりで逆に焦りを何故か感じながらも剣を抜き構える。奇声をあげ棍棒を振り上げた襲いかかって来たが、振り下ろされた棍棒を剣で掬い上げ隙を作り胴体薙ぐとあっけなく絶命した。ドロップは棍棒と大きめの赤い魔石だった。
その後何回かゴブリンと遭遇し倒したがドロップは赤い魔石が共通でゴブリンの持つ武器や防具も残るようだ、しかし錆びていたり壊れていたりと状態が最悪な物ばかりだった。
ソニックアタックを手にいれてから戦闘が楽になったが、気を引き締めてやらないといらない怪我をしそうで怖い、不死身とは言え痛いの嫌いですから。
5階層に来て初めて見る素材も多く採取しているとアルに声をかけられた。
「コウ、近くで戦っておるもの達が居るようじゃ、濃い血の匂いもするの、どうする?」
「あまり人とは関わりたく無いのが本音だけど、支援が仕事だもんね、ヤバそうなんでしょ?」
「あぁ、何人か戦闘出来ぬようじゃし、敵の数も多いの、行くのか?」
「急ごう、どっち?」
駆け出したアルに付いて走ると、茂みをいくつか越えた先で若い男女の声とゴブリンの奇声が聞こえた。
まだ距離は有るが状況をみると立っているのは人が3ゴブリン7と圧倒的に不利だ。
速度を上げ駆け抜ける、アルに弓を持ったゴブリンを処理した後に人のフォローを頼み戦場に飛び込む。
ソニックアタックを放ち直線に重なった二匹のゴブリンを倒し、
「助太刀するからしゃがめ!」大声で叫び三人が反応するのを見計らいもう一度ソニックアタックを三人の後方から放つと密集していた三匹に攻撃が当たり二匹を倒し、もう一匹の腕を切り飛ばした。残る三匹を仕留めるために探索者を飛び越え躍り出ると突然の出来事に固まった一匹を切り伏せリーダーと思われるボロい兜とプレートアーマーに錆びたファルシオンを持ったゴブリンをシールドで殴り無傷のもう一匹を突き刺し殺す。
殴られ吹き飛んだリーダーが起き上がり叫びながら向かって来たが、斬撃をシールドで受け流しリーダーの首に突きを放ちそのまま薙ぎ首を落とす。
腕を切り落としたゴブリンを探索者の男が倒し戦闘は終わった。
大丈夫かと声をかけ、振り返ると倒れた二人の傍で見知らぬ銀髪の女性が男女一人づつの負傷者の手当を行っていたが、腕輪から黄色ポーションや包帯、解除薬をだし応援に駆け寄る。
倒れた二人は毒にやられており解毒し傷にポーションをかけて包帯を巻き仕上げにポーションを飲ませると顔色が良くなり呼吸もおだやかになった。
ひと安心し銀髪の女性にお礼を言うと「私だよ、アルだよ人に変身したのよ、狼の姿じゃ不味いでしょ?」
しゃべり方まで変わっていたが、綺麗な銀色髪に蒼い瞳に見覚えが、理解しても体が固まって動かない。
背後から探索者が話しかけて来るが鬱陶しい、人の姿になったアルは16~18才位で、色が白く目鼻立ちが整い、銀色髪と蒼い瞳も合わさって正に妖精、いや精霊だった。
「あまり見詰められても困ります、それに呼ばれてますよコウ?」
分かってるけど目がはなせなくて、ビックリして体が動かないんだよ!
あと、うしろの探索者はアノアノ五月蝿いから、聞こえてるから待てよ!
まぁ、テンプレ展開と言うかお約束です。
年若い駆け出しパーティーとの出会いです。
次回は未定です、面白くしたいのですが。