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第1章 はじまりと下準備 1話

更新放置して二ヶ月以上、完結目指して修正と投稿をぼちぼちとはじめますが、新展開はまだ先です。

申し訳ありません。


 自分の目に映る光景が理解できなかった。地下鉄から街へ出ようと階段を上がっていたはずが、気付けば自分が居るのは広大な草原であった。

29年間の人生で一度も観た事や感じた事も無い圧倒的な自然に腰が引けた。

景色を見渡し自然の雄大さを実感すると、今胸の内を支配する無力感が悪夢に思える。


 思えば後半年もすれば30代になる俺には、社会にでてから何も特別な事などは無い私生活と仕事の日々、そして人より恥の多い人生を打算的に送る平凡なサラリーマン暮らしだったはずである。

そんな俺に訪れたのは常識ではありえない出来事だった。

 

 『貴方の胸の奥に秘めていた望みを叶えましょう。』と言われ、連れて来られたのは剣と魔法に魔物と迷宮の在るファンタジーの世界。

突然の接触と簡単な説明の後に直接情報を刻まれ、脳内に膨大な量の知識と使命感をもたらし、ひどい頭痛と混乱が心と思考を掻き乱した。

 混乱が続く中で思うのは、転移召還や転生に俺は憧れた、ファンタジー系統のRPGゲームも小説も映画も好きだったが、退屈な日常からの逃避の一部であって、まさか現実に体験するとは思いもしなかったのだが。


 今理解できるのは、この世界が(セフィーラム)と呼ばれる世界である事と、自分に与えられた使命と内容のみである。

使命を遂行するために与えられた能力は何故か自然と納得し理解できたが、細かな使い方も解らない状況だ。

「どうこれから生きればいいだよ。」と呟き、数時間前のいつもと変わらない休日のはずだった朝に思考を飛ばした。



 夏も終わり何度かの台風も例年と変わらず列島を通り過ぎ消えて往き、日中は汗ばむほど暑く、夜には肌寒くなってきた夏と秋の入り混じったそんな季節は特に仕事が忙しく、仕事に追われる身の俺は休日だけが待ち遠しい。

 就職してからは沢山あった趣味もほとんどなくし、友達との付き合いも疎遠になった。

日常に潤いを与えてくれる彼女が居た事もあったが、本気になれない自分では長くは続くはずもなく、一時の孤独を癒すモノでしかなかった。

 残った俺の楽しみは少なかったが、街に出れば何か興味を持ち退屈を紛わすには困らず、気の向くままユックリと一日を楽しむ事ができた。

 そんな俺のありふれた休日を今日も過ごす予定で、身支度を終え住み慣れた広めのワンルームマンションを出て、いつもの駅から電車に乗り目的の繁華街へと向かう。

 休日の朝の車内は空いていて、普段の通勤では座る事も出来ないが、今朝は余裕のある座席に腰を掛けると到着までは短い睡眠を取ろうと思い心地よい揺れに身を委ね瞼をとじた。


 「…………ぁ。」

 

 静寂に満る闇の中で、微かに何かが聞こえる。

体に浮遊感を感じ、これは夢だなと思い聞こえる音に集中すると、音はハッキリと聞こえ始めそれが女性の声だと気付くが内容までは聞き取れない。

繰り返し発せられる言葉は優しく語りかけるようであり、強い意志を帯びた様にも聞こえる。

(なんだ?、変わった夢を見てるな、何を言いたいんだろ?)

そんな事を思っていると、言葉の内容までしっかりと聞き取れる様に声は聞こえ、その内容を反復する。

(えっと、私の創った世界で生きては貰えませんか?刺激に飢えた猛々しくも優しい魂を持つモノよ。って何だこれ?)

耳を澄ますが同じ内容が繰り返されるだけだ、意味も良く解らないが確かに刺激には飢えている、今の日常も嫌いでは無いのだ。

 だが幼いころに思っていた大人ではない、猛々しいと言う表現は自分にはふさわしく無いなとも思うが、そんな願望ももっている。

(まぁ夢だし答えて見るのも一興かな?)と軽い気持ちで声に答えをかえす。

(いいよ、何が出来るがわからないけれど。俺をここから連れ出してくれ。)

「ありがとう、その思いに感謝します。」

 そう聞こえた後には特に何も起こらず、目的の駅の名前に反応し目をさます。

(結構寝ちゃったな、もう着いたよ。変な夢みたな、、、)

何て思いながら電車から降り改札を抜け、地上へと続く階段を上った。らこの状況ですよ。。。


 「テンプレート的な展開なら導入部をもっとシッカリ行って欲しかったな。」と居るか居ないかも判らない様な神的存在に恨み言を漏らすのは許してもらいたい。

いきなり一人放り出されたのだから、とても冷静なんかになれねぇよ!。

 さて、現状整理しようか、冷静に!ってやっぱり無理じゃね?ここ何処よ?流石に地球じゃ無いのは解るよ。

認めたくは無いし、あんなメッセージと返事だけで済む事なの?異世界転移ってさ。

何なの異世界の何処よここは!ナビゲーターは?チュートリアルは?すでにパニックで狼狽えてしまい何が何だか思考が追いつかない。

「よし現実逃避で茶を濁そう!」と大声で叫び、足元から永遠とも感じられるほどに広がる大地に倒れこむ。


 ~約10分後~


 少々落ち着いては来たが、すっごく平原です!、頬を撫でる風が気持ちいいなぁー、何て感じてる場合じゃないよね。

「夢落ちって事も無さそうだな。」痛みに疼く頬を撫でながら呟く。

寝ていても仕方が無さそうだ、とりあえず身体を起こすと果てしなく続く草原の先を見据えると、見えるものは一つだけで、あれ地平線じゃね?

「人も動物も魔物もいないこんな僻地スタートって、森とか誰かの悲鳴が聞こえるのがお約束なんじゃなかったの?テンプレ乙って言わせてよ!」

思わず叫ぶが、詰まらない事しか頭に浮かんでこない自分に失望した。

 時間経過と自分への突込みを入れる事で、何とか思考が追い付いてきたのか、周りを冷静に見渡す余裕が出て来たので。

「泣いても叫んでも状況は変わりそうに無いなぁー」と、諦めて「取りあえずは体に異常は無いかな?」と落ち着きを取り戻し、上着を脱ぎ微妙に違和感を覚える自分の体を視ることにした。

 

 すると、「何て事だ!!」と驚くほどに自分の肉体は変化していたのだ。

体は自堕落な生活と、運動不足な生活で弛んだモノではなく、男らしく鍛え上げられた引き締まったモノに変わっている。

見事に割れた腹筋が懐かしいよ、就職する前だから何年ぶりだろ?

 そしてシャツの袖から見える腕にも変化があり、左右の腕には複雑な紋様と幾何学的な図形がびっしりと手の甲から肩まで黒い刺青として入っている。

「何この模様?擦っても消えないし刺青かよ…傷の男みたいだな。」

ともらしたが、実は少し気に入り嬉しかったりした。

 後は左手首に見覚えのない銀色の青い石の入った腕輪が付いている事以外は記憶に在る服装と持ち物だった。

服装は休日で買い物に出かけるラフな服装で、パーカーにジャケット、ジーンズとブーツそれと財布に空っぽのボディーバック。

戸惑いを感じるが、ユックリと体を動かし軽い柔軟運動をすると、徐々に感覚が馴染んで自分の体だと思えてきた。


 体が馴染むと、落ち着きも戻り、混乱して錯綜していた情報が明確に理解できるようになる。

自分が置かれた状況は今までの時間で嫌でも理解したが、全てが受け入れれるはずもなく、未だに納得するには抵抗が残る。


 いまだ理解し難いが、脳内の情報を検索し、その内容を簡単にだがまとめると。


 1-死んだ訳でもないが日常には戻れない、選ばれた理由は複数いる候補者の中で一番早く問いかけに応じたので当たっただけ。


 2-この世界の名は「セフィーラム」と言い、創世の神々が去り繁栄につまづく人族を支援して、繁栄を後押しする事が使命で、それは神の残した人族への遺産である迷宮の攻略。

セフィーラムに住まう人族は人間族だけでなく、亜人(エルフ、ダークエルフ、ドワーフ族)、獣人族(狼、猫、兎族)が居るが、魔物や種族間での争っている事。

 支援内容は迷宮攻略の為のアイテムと武器防具の創造で、大陸にある大小様々な迷宮内で、種族を問わずにお店をしながら旅をし迷宮の探索を進める事。

材料は現地調達と一部定期的提供がある。俺に与えられた期間は全ての迷宮攻略が70%超えるまでで、それまでは死ねない「限定不老不死」と言う名の強制労働を受ける。


 3-能力は迷宮間での瞬間移動(入り口ホールのみ)、アイテム精製の錬金合成術、武具の鍛冶錬金術、装備に対する付与魔術が支援の仕事用。

身体能力の向上と体術、剣術、槍術、魔術などの技術がこの世界の最高峰並なのは、素材採取の護身用の能力だ。

(俺が迷宮を攻略しても、この使命からは開放はされない。あくまでセフィーラムの人族が攻略しなくてはならない。)

 能力は一定の攻略度に到達するか、迷宮内の魔物を倒しレベルを一定値以上に上げると、能力は追加され強化されていく。

両手の刺青が能力をサポートしてくれるが、錬金術に関しては工房で使用すれば成功率が飛躍的に上がり、左手の腕輪は亜空間に出入りするパスである事。

亜空間の中に工房や居住スペースが用意されており、他にも道具を収納したり取り出せたりする。

まるで未来の青い達磨のポケットの様な機能を持つ。


 4-人族は種族を問わず職業を持っており、職業レベルと技能スキルを持つ。転職すると失われるが、条件さえ揃えば職業を超え持てるスキルもある。


 5-基本的には自由行動可能であるが、迷宮外部で遊んでると永遠に解放されず、一ヶ月以内には迷宮に戻らなければ迷宮に飛ばされる。

移動制限など、ペナルティーは無いが終わるまで永遠に開放されないのが罰とも言える。


 大まかにはこんな感じである。

把握と同時に絶望と期待の入り交じった感情が処理しきれず、頭痛と目眩に襲われ再び仰向きに倒れこんでしまった。

 見上げた空は青く澄んでいて、目を焼くように容赦なく照りつける太陽も存在する。

そんな所はこの世界でも同じらしい。


 「独りでやっていけるの俺?」そんな切なる思いを俺は口にした。

修正してみましたが今ひとつです、、、改善されてるかが不安ですが。

稚拙な作品にお付き合い有り難うございます。

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