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私の旅立ちの日に、どうしても貴方に最後まで見てほしいの!

作者: 七瀬








”私の旅立ちの日に、どうしても貴方に最後まで見てほしいの!”



私という人間の最後の日。

私はどうしても、彼に最後まで見てほしかった。

彼は私の病室には入って来れないと拒否したが、それでも最後は貴方に

看取ってほしかったの!

“本当にごめんね。”

それでも最後だから、”だからお願い貴方に看取ってほしいの!”

私の最後の望みを叶えてちょうだい!



・・・彼はしぶしぶだが、最後の最後に“私を看取ってくれた。”



『今までありがとう、また貴方に出逢えるように神様にお願いしたの!』

『・・・み、美鈴、』

『さあ、笑って! 私は貴方の笑った顔が好きなんだから、ほら?』

『・・・ううん。』

『“とってもいい笑顔ね、本当に今までたくさんありがとう。”』

『・・・お、俺こそ! 本当にいろいろありがとう!』

『“じゃあ、またね!”』

『あぁ、またな!』





・・・私はこうして、彼に最後まで看取られながら死ぬ事になったが、

あっという間に、“私は生まれ変わる事となる!”

彼の家からほんの少し離れた場所で私はまた生まれ変わったのだ!







 *






それから私はいろんな彼を見てきた、少しずつ老けていく彼を。

私は少しずつ子供から成長していき、とうとう高校生にまでなった!

彼は私が亡くなってから、“誰とも付き合わず、結婚もせず、ずっと一人で

生きてきたのだ!”

そんな彼を私は幸せにしてあげたいと思うようになったの!




そして遂に、私は彼にこう言いにいったのだ!



『京佑おじさん!』

『・・・あぁ、みこちゃん? どうしたの?』

『京佑おじさん! “少し大事な話があるから少し今から時間あるかな?”』

『えぇ!? まあ、いいけど。』

『あのね、京佑おじさん!』

『・・・ううん。』

『“びっくりしないで、最後まで聞いてね! 私は本当は岡崎美鈴なの!”』

『えぇ!? 急に何を? どういう事なんだい?』

『“あの時、私を最後に看取ってくれた後、直ぐに私は生まれ変わったの!

それが今の私! 京佑とまた出逢えるようにあの時、神様にお願いしたから

また京佑と出逢える事になったのよ!”』

『・・・で、でも、あの時、美鈴は俺の目の前で亡くなって、だから俺は

ずっと美鈴を想って、』

『“全部分かってるよ! 京佑の事は何でも私は分かってるから!”』

『・・・み、美鈴、』

『“だから今度は! 私が京佑を幸せにしてあげる!”』

『えぇ!?』

『“結婚しよう!”』

『・・・で、でも? 俺はもう46歳だし、みこちゃんはまだ18歳だぞ!』

『大丈夫だよ! ウチはお父さんが病気で亡くなってて、今のお母さんなら

きっと私たちの事を分かってくれるわ!』

『こんなに年の離れた男とわざわざ、結婚しなくても、』

『京佑! 貴方のそういうところ、優しくて好きだけど! 今回はダメ!

私はどんな事があっても今回は、京佑と一緒に居るって決めてるの!』

『・・・あぁ、ううん、やっぱり美鈴だよな! 昔から自分が決めた事を

曲げないところとか、意地っ張りなところ、うんやっぱり美鈴だ。』

『先からずっと言ってるでしょ! 私は美鈴よ!』

『・・・うん。』

『“じゃあ、これから今のお母さんに会いに行って私たちが付き合う事を

伝えよう。』

『あぁ、そうだな! でもびっくりするだろうな。』

『そうね、でも大丈夫! 私が一緒に着いているから!』

『あぁ!』









こうして私と彼は、私の母親の許可ももらい付き合うようになった。

その後、私が高校を卒業したら? 彼と同棲もはじめるように......。

でも? あの時できなかった事を、今できる喜び!

彼と幸せになりたいという想いが今ようやく願いが叶ったわ!

“神様、ありがとう!”

齢の差はあるけど? “私の運命の男性は彼しかいないと決まっている!”

彼の老後は、今度は私が最後まで彼を看取ろう想っているから。

彼が私を最後まで看取ってくれたように。

最後の最後まで、どうなるかは分からないけど、、、?

“今のこの幸せを逃がしたくない!”

彼と一緒なら、何処までも......。


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] こうして永遠に二人一緒だといいのになと思いました(*^^)v
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