5章 堕神ノエル封印
堕神の宣告から一年ほど経過した。
そしてその間にかなりの人数の人々が強制的に契約を交わされた、
その契約違反により人々が殺されたのだった。
だがこの一年間で一つただ一つだけの希望があった。
それは何か勇者が現れたことだった。
「して勇者よ。ソナタは本当に堕神ノエルを封印できるのか?」
「信託ではできると創造神さま言っております。」
「そうか。我らからは何も責めることはできない。
だが君はこの世界の存命がかかっている。
それゆえに堕神ノエルを封印せねばならない。
一時凌ぎの平和とはいえ我らでは対抗できないのでこの問題を先延ばしするしかない。」
「そうですね。創造神曰く持って1000年ぐらいらしいです。」
「そうか。なら1000年以内に堕神ノエルに対抗する術を探し出さなければならないということか。
長いようで短いな。して封印方法はなんなのだ?」
「この剣を掲げると堕神は石像と化してそしてこの宝玉を心臓に埋め込むと完成らしいです。
なおかつ堕神の力を利用して豊穣の効果を世界に付与することが可能になるそうです。」
「そうかなら財政はなんとかなりそうだな。」
「そうですね。それでは私は行って参ります。」
勇者はそう言って堕神ノエルを封印しに行った。
そしてその堕神封印は成功したのだった。
───神視点
「封印されちゃったかぁ。
でもまぁ次の展開がおもしろうそうだしまぁいいか。
それに2000年のところを1000年と言ってみたけど、
これで世界はどう動くか見ものだな。
なぜ平和になったとわかれば人間どもは権力争いを始めるのか。
やはり人間は滅ぼすべきなのか?
だが他の世界でもなぜか人間だけは神意志関係なく必ず人間に進化するものがいる。
これは面白いが、逆に不安要素でしかない。
人間はなぜか神ですら予想できないことをしでかすのが得意なんだろう。」
僕はそう言って1000年間世界を見守った。
「やはり絶えないな戦争は。堕神ノエルが復活するかもしれないのに、
そんなことは神話としか思われていないのだろう。
けれども長寿の亜人たちはノエルに向けて備えているようだな。
どうせ何にも起きないのに。魔族は魔族でまた封印されているし。
やはり何度も繰り返されているようだな。
歴史は繰り返す・・か。
つまりまたノエルを堕神にするかもしれないと言うことか。
やはり人間は見ていて楽しいな。
時々助言を与えるだけで喜ぶようだしな。」
───神はそう言ってまた世界を見守るのだった。




