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恋、しません?  作者: 円間
第二話 襲撃。恋してないですが恋のライバル現る
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来客、再び4

 痛い役回りを演じ、海へと走り出したい様な恥ずかしさに襲われる菊子。

 そうと知ってか知らずか、「そりゃあ、菊子が困っていたら見捨てたり出来ないよ。菊子は大事だからね」と、キザな台詞を平気な顔で雨は言う。

 しかし、そんな台詞も違和感なく吐けるのが雨だった。

「大事?」

 雨の台詞に柚李がびくりと反応する。

 柚李の様子に菊子は背筋に寒いものを感じる。

 菊子の口から、「いやーっ、友達として大事って事ですね。ありがとうございます」と早口が漏れる。

 菊子の言葉に、ほっとした顔をする柚李。

「雨さんは優しいから、お友達は大事にされますよね」

 笑顔で言う柚李に菊子は、ははっ、と笑い掛ける。

「そうそう。目黒さんは親切ですから。あの、柚李さん、仲良くお願いします。柚李さんさえ良かったらお友達になりたいわ。あはっ」

 菊子は柚李に手を差し出していた。

 内心、何をやってるんだと思いながら……。

 柚李は差し出された菊子の手を驚いた顔で見ていたが「雨さんのお友達なら私も是非、お友達になりたいです。よろしくお願いします」と笑顔で菊子の手を強く握った。


 ちょ、痛い!

 何?

ていうか、雨さんのお友達なら、の所、めちゃ強調してなかった?

この人何?


 考えて、はっと閃く。


 この人、目黒さんに絶対好意を抱いてる。

 女の感がビビッと来てるわ。

 って事は何?

 私、微妙に牽制されてる?


 柚李に強く握られている手を急に心地悪く感じる菊子。


 目黒さんは柚李さんの気持ちを知っているの?


 ちらりと雨を見る菊子。

 雨は涼しい顔をして菊子達を見ている。


 よ、読めない男だ。


 菊子は、お前はいいよな、と雨を睨らむ。

 雨は、はぁ? という顔で菊子を見た。

 菊子は、ふんっ、と雨から目を逸らし、「あの、そろそろ手……」と柚李に言った。

 菊子の手は未だ柚李に握られ続けていた。

 柚李は、「ああ、すみません」と直ぐに手を離した。

 強く握られていた手からの開放感でさっぱりした菊子。

 見れば菊子の手は少し赤くなっていた。

 心の悲鳴が収まらない菊子だ。

 この人を敵に回してはいけない、と菊子は肝に銘じる。

 菊子は目の前で微笑んでいる女に震えるのだった。

「いやぁ、菊子も新しい友達が出来て良かったな」

 満面の笑顔の雨。

「そ、そうね」

 作り笑顔を浮かべて菊子は言う。


 思いっきり仮面友達ですよ、目黒さん。


 菊子は心の中で雨に突っ込みを入れる。

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