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恋、しません?  作者: 円間
第二話 襲撃。恋してないですが恋のライバル現る
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来客、再び1

 菊子はまず、キッチンの掃除から始める事に決めた。

 何となくキッチンが自分の居場所の様に菊子には感じられていたからだ。

 掃除用具の置き場所は昨日、さらっと日向から教えてもらっていたので、そこからバケツや雑巾など色々拝借して来た。

 まずはシンクを磨き始める。

 元々綺麗だったので掃除は簡単だった。

 後はキッチンテーブルや食器棚、冷蔵庫にワゴンを拭いてゆく。

 食器棚は中も綺麗にして、冷蔵庫も一応中を開けて掃除用のアルコールをスプレーして布巾で拭いて、そして整理をする。

 棚の上や冷蔵庫の上の手の届かない場所は後で脚立があれば雨に置き場所を聞いて掃除すれば良し、と菊子は思った。

 次はシンク側にある窓を拭く。

 シンクが邪魔をして中々拭き辛い。

 思いっきり手を伸ばして菊子は窓拭きをした。

 次は床。

 フローリング掃除用のワイパーで拭き掃除をする。

 これを使う度に菊子は掃除が随分楽になったな、とフローリングワイパーの開発者に感謝の気持ちを贈るのだった。

 床掃除が終わればキッチンの掃除はお終いだ。

 菊子はキッチンの白い壁に掛かった時計を見る。


 げっ、一時間も掛かってる。

 早く終わらせて次に行かないと大変!


 菊子はフローリングワイパーを素早く動かした。

 と、インターフォンの鳴る音がした。


 え、またお客様?

 今、クロエちゃんがいるのに。


 菊子はインターフォンの受話器の前まで行くと受話器のスイッチをオンにする。

 モニターに客の姿が映し出される。

 モニターには半袖の白いニットを着た若い女性の姿が映し出されていた。

 大和撫子、と言う風な美人で、彼女の肩まで伸びた茶色の髪は先の部分が外側に跳ねていた。

「あの、どちら様でしょうか?」

 菊子が訊ねると、相手の顔が、あれっ? と言う風になる。

「あ、あの、中山、と申しますが……」

 恐る恐る、という感じで中山と名乗る彼女は言う。

「中山様?」 


 中山……何処かで聞いた名前。


 はて、何処だったか、と菊子が考えているうちに、中山は、「あの、蟹を沢山頂いたのでお裾分けに。雨さん……ご在宅でしょうか?」と風呂敷包みをモニターに映して言う。


 蟹?

 取り敢えず、目黒さんのお客様って訳?


「少々お待ちくださいませ」

 菊子はインターフォンを切り、応接間へと向かった。

 応接間からは相変わらず楽し気な会話が漏れていた。

 クロエの笑い声に菊子は眉を下げる。

 自分がいなくなってクロエの会話が弾んでいるのかと思うと虚しい菊子だった。


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