何故にこうなりました?8
め、目黒さんのキラキラ笑顔にクロエちゃんのラブリースマイル!
もう降参だわ!
「分かりました。もう少しだけお邪魔します」
菊子の浮かびかけていた体がソファーに沈んだ。
菊子の口は緩んでいた。
雨は菊子の様子を見てご満悦だ。
そんな雨を見てクロエが少し口を尖らせる。
それは一瞬だったので誰も気に止めなかった。
「あ、そうだ。紅茶、お代わり持って来ましょうか?」
皆んなの空になったカップを見て菊子は言った。
「俺はいいよ」と雨。
「私も」とクロエ。
「俺もいらない」と日向。
「分かりました」
頷く菊子。
この場にとどまったものの、さて、どうしたものか、何か話題を振りまくべきか否か、と菊子が考えていると。
「あの、家政婦さんって雨兄いのどういうお友達何ですか?」
クロエが菊子を見つめて質問をする。
クロエの目は何処か真剣だった。
「どういうって……」
菊子は、はてな、と考える。
雨は気がおけない友達の一人であるが、どういう関係かと訊かれれば返答に困る。
雨も目の前にいる事だし、答え様によっては雨を戸惑わせてしまう事にもなる。
何て言えば良いんだろう。
「うーんっ……」と菊子の声が漏れる。
いつの間にか菊子の眉間には皺が寄っていた。
「そんなに難しい顔をして考えなきゃいけない関係か?」
雨が可笑し気に言う。
菊子は難しい顔をしたまま雨の方を向く。
「いや、だって、改めて考えると良く分からなくて。私達って何なんでしょうか?」
飲み友達?
異性の友達?
ただの友達?
「俺に訊くか? でも、そうだな。お互い、一緒に住んでも良いくらいな関係?」
「あっ……」
雨の台詞に菊子は、はっとする。
そうだ。
家政婦の仕事の事ばかりに頭が行ってたけど、私、目黒さんと一緒に住んでるんだ。
その事に何の違和感も感じなかった。
どうして?
考えても答えは浮かばない。
「菊子、眉間の皺が増えてる」
雨が笑う。
「皺なんてありません!」
菊子は、ふんっ、と雨から視線を逸らした。
「二人供、仲良しなのね」
クロエが言う。
この状況でどうしてそんな台詞が出て来るのかと疑問に思う菊子であったが、「まあ、仲良く無いと友達なんてやってられないから」と答える。
ただでさえ煩わしい人間関係にさらされる現代社会。
友達くらいは気持ち良く付き合える相手が良い。
菊子はそう思う。
「じゃあ、家政婦さんと雨兄いは仲良しな関係って事?」
クロエは静かに菊子に訊ねる。




